ジャイアンツ反転攻勢の予感 原監督の過去の反省と対策 浮上の理由

首位阪神に6ゲーム差をつけられているとはいえ、一時の不振を脱して貯金も2つになりました。ペナントレースの行方を大きく左右する交流戦の前に、ある程度今年のチームができつつあります。

昨年、一昨年と優勝を逃したジャイアンツですが、今年は過去の失敗から対策を立てた原監督の意図が見えてきました。

これからジャイアンツが浮上するために、原監督が用意した対策を考えてみたいと思います。

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優しい原監督の残酷な今年の戦力の見極め

原監督は優しい監督で、多くの選手を抱える中でチャンスを平等に与える傾向があります。そのため若手選手を使っても少し調子を落としてしまうと、待機している選手を使ってあげたくなるようです。昨年までは若手中堅選手を代わる代わる使っていたので、批判を浴びる采配にもなりました。逆に言えば突出する選手が見当たらずに、調子のいいものから使って言ったということになってしまったのかもしれません。

突出した才能の台頭

今年のジャイアンツの若手野手陣は、明らかに飛び抜けた才能を持った選手たちが芽を吹き出しています。

ついに覚醒のシン・ゴジラ秋広優人選手

このところのジャイアンツファンは、負けても秋広選手が打てば溜飲が下がるような傾向があるようです。

DeNAに力負けしても、9回に岡本和真選手と秋広選手がホームランを放った試合はその典型でしょう。ネットのコメントでも肯定的な物が多く、それだけ秋広選手にかける期待が大きいということでしょう。秋広選手の背負う55番は、ジャイアンツファンであれば誰でも思い入れのある番号ですが、秋広選手本人は松井秀喜さんのジャイアンツ時代には産まれていなかったようで、大田泰示選手と比べてプレッシャーが少ないのかもしれません。

3番に入っても1打席目でタイムリーを打つなど、ファンの期待は膨らむばかりです。

秋広選手はまだまだ成長段階の選手であり、体もまだ出来上がっていないようです。これで体が完成したら先代ゴジラを超える、3割打てて50本塁打を記録できる素晴らしいバッターになる可能性も十分にあると思われます。松井秀喜さんと同じように初球から何でも打つのではなく、四球も選べ、相手の決め球を仕留められるようなレベルの打撃を期待したいと思います。カットしたようなレフトへの当たりがフェンス近くまでライナーで飛んでいくあたりは、先代ゴジラ以上のとんでもない可能性を感じさせます。

珠玉のサード守備の門脇誠選手

岡本選手をレフトに移動させてまで、門脇選手のサード守備を原監督が評価していたのには、少し驚きました。再三の好守備でチームを助けていたのは事実ですが、打率は2割を大きく割り込んでいます。打撃優先の布陣を組みがちだった原監督ですが、サード守備の重さを現役時代に知っているからゆえの采配かもしれません。

チームが守備から乗っていくために必要なものは、ファインプレーと併殺だと思いますが、門脇選手はその両方を実現できます。二遊間の併殺でもチームは乗っていけるのに、サードからの併殺はそれ以上に価値があります。今のジャイアンツの内野陣は、一番取りにくいファーストからの併殺以外は十分に可能性があり、相手チームからは安易な強攻策を取りにくくなっています。また、ジャイアンツの投手陣は赤星優志投手や山﨑伊織投手などシュートピッチャーが増えてきており、併殺ができる内野陣は価値が高まっています。

サードに門脇選手が入ってからのジャイアンツには勢いがあり、その辺りを原監督が十分に感じているがために、あえて好調の岡本選手をレフトに回したのでしょう。ただ、岡本選手はファースト守備があっているようなので、交流戦は中田翔選手をDHに回したほうがチームとしては良い流れになるのではと推測します。

リリーフ陣を大切にしている

過去2年と比べて、リリーフ陣を潰さない工夫をしているのではないかと思います。

3年目を迎えた大勢投手にも過度の起用を避けているようで、これは意外な感じがありました。大学時代に故障をしていたことを考慮してくれているのかもしれません。

勝ちパターンの投手が固定できませんが、逆に固定メンバーではなく、調子の良いものを使っていく形に当分はしていくのではないかと思います。ベンチ入りメンバーは限られているため、特定の投手に疲れが溜まりがちですが、疲れたらファームでしばらく調整するというパターンで前半戦は乗り切るのではと考えます。突出したリリーバーは大勢投手だけですが、疲れが来るまではある程度抑えられる投手の頭数は、確保できたのではないかと思います。高梨雄平投手や田中千春投手は短期間のファーム調整で戻ってきており、起用のイメージはできつつ有ると思います。

帰ってくる菅野智之投手とメンデス投手

力がある二人の先発投手がフレッシュな状態で返ってくることを期待できるのは、後半戦に向けて明るい材料です。昨年までは後半戦の失速が明らかだったジャイアンツですが、今年は開幕から2ヶ月でチーム整備が進み、今後の成長も期待できる状態です。

スカウトとファームの充実

ファームにはまだまだ期待の若手が活躍しており、後半戦には一軍デビューするかもしれません。ファームの状況はここ2年のドラフトで大きく変わっており、若手が伸びてくる土壌はできつつあります。あとはジャイアンツというブランドに負けずに、努力したものが勝つという競争意識が高まれば、強いジャイアンツが返ってくるのではと期待しています。

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