ジャイアンツとオリックスの間で、素晴らしいトレードが実現しました。
ともに厚い選手層の中で出番を失っていた選手です。
両選手ともに2軍で鍛えるレベルの選手ではなく、1軍でのチャンスが今すぐにでもほしい選手でした。
今回は、内野陣の補強を必要としていたオリックスと、中継ぎ陣が崩壊したジャイアンツの緊急トレードで、両チームのフロントは見事な仕事だったと思います。
まだ可能性のある廣岡大志選手
大型内野手で長打力がある広岡選手は、魅力がいっぱいの選手です。ときおり見せるホームランは、ファンの期待を掻き立てるものでした。いつかモノになるのではないかと期待されていましたが、ジャイアンツでは開花できませんでした。
大型故か腰高の守備は、ダイナミックさはあるにしても二遊間での切り返しの動きには不安定で、最後まで安定しませんでした。守備の不安が打撃にまで影響しているように見え、外野でレギュラーを取れるほどの打力に感じられなかったと思います。
起用法や狙い玉の決め方など、いろいろと試行錯誤すれば、まだ26歳でチャンスは有ると思います。
岡本和真選手の高校の1年後輩ということで、もしかしたらやりにくかった面がお互いにあったかもしれず、このタイミングでの環境の変化は、最後のチャンスとして最高ではないかと思います。
広岡選手の場合は、2軍では無双状態であり、出場のチャンスが有れば、一気に開花する可能性もあります。地元に近いオリックス、初めてのパ・リーグで、ガラリと変わる環境でブレイクしてもらえれば、日本シリーズで大活躍する可能性もあり、ファンとしては楽しみが増えたと思います。
生え抜きではないメリット
広岡選手は田口麗斗投手と交換トレードで来たので、いわゆる生え抜きではありません。生え抜きではない選手は、生え抜き選手と比べて放出されやすいという側面があると思います。
ジャイアンツでも名門大学や名門高校の出身で生え抜きのため、放出が難しく十分な起用がされていない選手が数多くいます。やはりドラフト時に直接アマチュア側と接点を持った選手は、簡単に育成放棄をすることは難しく、かえってその選手のためにならない場合も多いと思います。
アマチュア側の考え方にもよるでしょうが、ジャイアンツの場合は引退後の仕事についても比較的幅広く、スポットライトも当たるので、トレードで出されるよりは、真面目な練習態度で残留して、セカンドキャリアを頑張るという考え方があるのかもしれません。
そういった目地目な選手に対する面倒見の良さは、アマチュアの指導者からは大変ありがたいはずで、次の選手の指名もやりやすくなると思います。
ただ、折角の現役生活で、ブレイクの可能性がある選手は、今回の広岡選手のように、出場機会を求めたほうが悔いが残らないと思います。
フロントのファインプレーはまだ続く?
ジャイアンツのファームを見ていると、ある程度の力はあるのに、ファームで出番を待っている選手がとても多いと思います。これからの大きな成長が望める若手ならまだしも、ある程度出来上がっている選手は、無駄に時間を消費してしまっているような気がしてなりません。内外野ともに野手が足りないチームは少なくないため、今後もトレードの可能性は残っていると思います。特に投手力に余裕のあるチームで野手が足りていないチームはあると思うので、リーグ内のトレードでも踏み出せるかどうかが鍵になるかもしれません。
田口投手と広岡選手のように同一リーグ内でも、トレードに踏みきったジャイアンツなので、目が離せないと思います。
今回のトレードで若手の野手陣は、更に活躍の場が広がりました。廣岡選手がもらっていた1軍と2軍での打席数は少なくありません。
フロントの今回の動きは、選手数の多いジャイアンツでは今後も必要になると思います。
中堅選手に活躍の場を
ジャイアンツのファームで燻っている生え抜きの中堅選手も、今後活躍の場を求めてトレードされることを希望する選手が増えてくれれば、ジャイアンツ自体も活性化すると思います。自分にあった指導者に巡り会えるチャンスもあり、ポジティヴにとらえて新天地に向かってほしいと考えます。
廣岡選手の活躍に期待
オリックスの内野陣であれば、付け入るところはあるはずで、その可能性があるからこそのトレードです。素材だけ見れば一級品であることは間違いがなく、オリックスの指導者に良い指導を受けて、それがハマれば大ブレイクするかもしれません。日本シリーズや交流戦では広岡選手の活躍が見られるかもしれず、そんな事になれば、文句なしに応援したい選手です。
選手の権利をもっと保証して!
FAに自動的にならない日本球界は、未だにトレードに関してネガティブなイメージが強く残ります。
一般社会では転職が当たり前になっているのに、プロ野球だけが選手の権利が弱く、自由が全くないと言ってもいい状況です。
もっと選手の自由が保証されれば、人間関係などで難しい状況にいる選手たちは救われると思います。
戦力の均衡化は十分にできていると思われる日本球界は、もっと選手の権利を保証しても良いのではと思います。