原監督2023年シーズン続投決定 懸念されるフロントの無策

原監督の2023年シーズンの続投が決まりました。

第3次政権で4年目というシーズンでありながら、2年連続の負け越しという結果で、続投というのは他のチームや監督であれば、まず考えられない決定と考えてもいいでしょう。

フロントが全幅の信頼を置いているといえば聞こえは良いですが、後任をフロント独自で考えていなかったこと。後任選びを何故か原監督に、任せている状況が想像されます。

後任選びを原監督に一任している欠陥組織の疑念

原監督は第3次就任時に、後を託すことができる人材を育てることを1つの目標に掲げていました。その後、阿部慎之助捕手を引退させ、二軍監督に就任させています。

そして阿部コーチは、二軍監督を2シーズン務め、今年は一軍のコーチとして、原監督の側近として原監督に仕えていました。

原監督の言葉が嘘ではないならば、昨年3年契約が切れたところで、阿部コーチを後任として立場を譲らなければならないタイミングです。しかし昨年、原監督は新たに3年契約を、結んでしまいました。後1年という契約では、指導力に影響が出るので表向き3年という契約であった可能性がありますが、今年も進退伺を出したにも関わらず、続投という形で阿部新監督は実現しませんでした。

組織の長の一番の仕事は、人材の育成です。もし阿部コーチが原監督の期待どおりに成長することができなく、監督という任に耐えられる人材に育てられなかったのであれば、原監督は大きな責任を取らなくてはなりません。

仮にジャイアンツが原監督の私企業で、引退したいが思うように人材が育たなかったので、トップを続けますというのならば道理があります。しかし、原監督は現場の長ではあるものの、球団という組織では中間管理職です。中間管理職が自らの後任を指名したり、自らの去就を自分で決められるようでは、組織としては破綻しています。

そんな形で契約を結んでしまったり、そういう力関係になって組織が運用されているようでは、一般社会の企業ではガバナンスが効いていないと認定されてしまいます。そうなれば株主や監督省庁などから指摘があり、改善されることが厳命されるはずです。

今回、進退伺が出されたと報道されており、一応は組織の体をなしていることが明らかになりました。しかし、実情はどうなのか気にかかるところです。

フロントの責任

フロントも当然、原監督は永久的に監督ではないので、常に次の人材を探して置かなければなりませんが、今年のような成績で次の人材を用意できていないことは、組織としては怠慢だと思います。

第二次原政権が突如退陣するときも、ジャイアンツのフロントは危機管理が全くできていなく、結局高橋由伸選手のユニフォームを脱がせることで、急場をしのぎました。代打としてではありますが打率.278を記録して、まだ十分に現役続行能力があった高橋由伸さんを、フロントのリスク管理の欠如が、引退に追い込んだ形になりました。

慶応大学出身でジャイアンツ一筋であり、原監督の現役時代を上回る1753安打を記録した、大功労者の引退試合も行うことができずに引退に追い込んでしまったことは、フロントの大失態と言っても良いのではないかと思います。

高橋由伸監督のその後の3年間の監督時代では、フロントは編成面で十分なバックアップができませんでした。結果として3年間高橋由伸監督に泥をかぶせ続けた形となってしまったのも、フロントの責任は免れないと思います。

このときの教訓から第二次高橋由伸政権の樹立に慎重になっていることが、今回の原監督の続投に影響しているとは思います。しかし、逆に考えれば第2次高橋由伸政権を支える自信がフロントにないことと、今高橋由伸第2次政権が誕生しても、原監督の負の遺産の整理に再び潰されてしまう危惧を抱いている事の証左ではないでしょうか。

今回の続投でフロントは新しい手を打てるのか

原監督の続投が決まりましたが、フロントは来シーズンのための新しい手を打てるのでしょうか?現場のことは原監督にまかせっきりでは、今年と同じことの繰り返しです。原監督の慢心がなくなったら優勝できると思っていたら、樂天家が過ぎるというものです。実際にはどの様な手をフロントが打ってくるか、とても楽しみでなりません。まずは首脳陣やフロントの再建、ドラフト戦略の変化などに注目したいと思います。

羨ましい阪神新監督の誕生

矢野監督がシーズン直前に今季限りの退任を表明して賛否両論があった阪神ですが、後任選びに十分時間があったことは、良い方向に影響したと思います。

このことをジャイアンツフロントも参考にして、次期監督選びに早くから取り組んでもらいたいと思います。

組織の常はジャイアンツにも当てはまる

会社組織に定期的な人事異動は必ず必要です。私企業でない限りそれば絶対です。どんなに好成績を連発している中間管理職でも、必ず人事異動をしなければ問題が発生します。それは営業成績の不振にとどまらず、不祥事などにも発展します。

金融機関が一定サイクルで管理職を異動させるのも、その様な事態を避けるために他なりません。原監督は慢心があったとコメントしているようですが、慢心だけではなく、長期政権が必ずもたらす副産物があることを、フロントも原監督も認識しなければならないと思います。

組織の活性化を図ることは、組織の運営には必要です。時代の流れは速くなっています。過去の時間軸で物事を進める管理職は、必ず落ちていきます。

ポメ
ポメ

ジャイアンツという組織は、過去の慣習を取り払い、現在の時間軸についていけているのでしょうか。

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