巨人は今こそ若手を使う時 中途半端な3位狙いは無駄

シーズンが深まり、残り試合も20試合程度となってきました。ジャイアンツは3位と3ゲーム差の5位と、まだCSが望める位置にいます。最後まで望みが有る限り3位を目指すというのは、一つの考え方です。しかし、この時点で借金が8有り、チーム打率は狭い東京ドームをホームグラウンドとしながらセ・リーグ5位、チーム防御率は3.88で最下位です。

数字上は未だ望みはありますが、実際は殆ど厳しいと言っていいでしょう。

ヤクルトに完全に力負けのジャイアンツ投手陣

昨日のヤクルト戦で、ジャイアンツが完全に力負けをしてしまいました。ジャイアンツの先発はエースの菅野智之投手。ヤクルトは今季2勝の小澤怜史投手。先発の格で言えば、圧勝しなければならないはずですが、打撃陣が小澤投手を打ち込めず2対2のまま延長線に突入しました。そしてそこから、救援陣がお互いに繰り出されたのですが、その救援陣の力の差が露呈して、結局負けてしまいました。

  防御率
田口 麗斗 1.67
清水 昇 1.27
石山 泰稚 2.00
木澤 尚文 3.22
マクガフ 1.85
   
平内 龍太 3.38
大勢 1.85
高梨 雄平 2.37
今村 信貴 4.11
クロール 6.30

各リリーフの防御率を比べてみると、ヤクルトは5人中1点台が3人、2点台、3点台が各1人です。ジャイアンツは5人中、1点台が大勢投手のみの1人。2点台、3点台、4点台が各1人で、最後に出てきたクロール投手は6点台です。4点台のリリーフでは1イニングのリリーフで、2回に1回近くは失点することになる計算です。3点台の投手でも、3回に1回は1点の失点をする計算となってしまいます。

こうしてみると勝ちパターンのリリーフとしては、せめて3点台を切るのでなければ、かなりの確率でゲームを落とすことになると思います。前半戦活躍した鍬原拓也投手も今は防御率5.49、先発から転向した赤星優志投手も4.64と、勝ちパターンの投手としては力不足です。ここまで投手陣が崩壊してしまっては、披露が蓄積するシーズン終盤で、粘りきれるはずが有りません。優勝争いをしていれば、多少の無理も効くとは思いますが、それを今のジャイアンツ投手陣に求めるのは、無理だと思います。

ここからは若手にスイッチをする必要あり

もう実際のところは、優勝は不可能です。育成の年と位置づけられた今シーズンですが、シーズン終盤に来ても、育った若手は多く有りません。優勝争いも出来ず、若手も育てられなかったのであれば、全く無駄な1年になってしまいます。「2月1日に戻りたい。」とコメントした原監督の本音が、すべてを物語っている結果ではないでしょうか。

ここまできたら、あと20試合で若手を積極的に使うべきだと思います。20試合あまりで若手が育つとは思いません。しかし、秋季キャンプに向けて若手の力を測るためには、十分な期間ではないでしょうか。秋季キャンプでは、各若手選手の何が足りないか、課題を明らかにすることによってキャンプが有意義に使われる確率が高くなります。

コーチ陣の評価も必要

今年の惨敗によって、首脳陣の入れ替えは避けられないと思います。全コーチを入れ替えることは無理だと思うので、ある程度のコーチは残留させなければなりません。その際にどれだけの実績をコーチとして残せたのかを、客観的にコーチを評価する必要もあります。特に首脳陣を大きく入れ替えるためには、客観的な評価軸がないと、新しい首脳陣も現職のコーチを評価することが難しくなります。適正な評価をするためにも、ここから若手を積極的に使う必要があると思います。春先使った若手選手がどの程度成長できたかを、1軍の試合で見ることは、絶対に必要だと考えます。

ドラフトの戦略も立て直しが必要

10月20日にドラフト会議が行われます。今年は投手も野手も力不足であることが露呈されました。スカウト陣の去就は今のところ不明ですが、直近の若手の評価を行うために、来年の1軍の戦力として計算できる選手を1軍の試合で使うべきだと思います。ドラフト戦線も大詰めを迎えているとは思いますが、最後の方針転換の動機づけにするためにも、期待の若手の成長度を明らかにすることは、有効であると思います。

残り試合をただ消化するべきではない

優勝を逃した首脳陣は、モチベーションが落ちているかもしれません。故障を抱えたベテラン選手も、今年の残りの戦いに全力を注ぐべきではないでしょう。表立って言えない本音が選手にも首脳陣にも有ると思いますが、若手を積極的に使うことに、ファンが異を唱えることはないでしょう。むしろ不満が出るとすれば、発行部数や視聴率が気になる親会社だけではないかと、個人的には訝ってしまいます。

スパニエル
スパニエル

是非若手の登用を行い、怪我勝ちのベテランや登板過多の投手は体のケアを始めるべきと思います。

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