巨人戸郷翔征投手の課題と原監督の檄の真意 阿部コーチの真価

ジャイアンツの戸郷翔征投手が、7回を3失点で抑えて2勝目を挙げました。結果は十分の内容でしたが、10点の援護をもらいながら9安打を浴びるという、不安定な内容でした。原監督からは左打者対策ができていないとの、課題が提起されています。

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戸郷投手の今日の投球内容

防御率 投球回 打者 被安打 本塁打 奪三振 与四球 与死球 失点 自責点 投球数
3.60 7 31 9 1 10 1 0 3 3 117

前回同様、7回を投げて球数は117球でした。前回は114球でしたのであまり違いはありません。奪三振も10個で前回と同じですが、今回は9安打を喫してしまいました(前回は6安打)。

ストレートは半分強で、前回や昨年と変わりありませんが、前回30%を超えていたフォークボールが20%に減って、その分スライダーとカーブが増えています。

悪化する左打者との対戦成績

9安打中7安打が左打者ということで、昨年の実績より左打者に対して対戦成績は悪化しています。昨年は左右の打者で打率が5分違いましたが、今年は2割3分も違います。シーズンが浅いので極端な数字が出ていますが、昨年からの課題が全く改善されていないことに、原監督には物足りなく感じたのではないでしょうか。特にドラフト6位ルーキーの梶原昂希選手に、3安打されたのが気になります。プロ入り初出場の新人に3安打もされてしまい、勢いをつけてしまいました。コロナ禍の選手不足の中で出場機会が回ってきた選手に、打ち込まれてしまうようではエースを狙う投手としては、物足りなく映ってしまいます。

2022                
条件 打率 打席 打数 安打 本塁 三振 四球 死球
対右打者 0.162 47 37 6 0 16 5 1
対左打者 0.395 38 38 15 1 8 0 0
2021                
条件 打率 打席 打数 安打 本塁 三振 四球 死球
対右打者 0.203 300 261 53 13 78 26 6
対左打者 0.257 339 300 77 6 60 32 0

左打者への内角への攻め

原監督は左打者に踏み込まれていることを、指摘しています。内角への厳しい攻めが無いことが原因で、データにも現れています。昨年右打者にはデッドボールが5個ありますが、左打者にはありません。今年も右打者に1つ出していますが、左打者には0です。また今年は左打者にフォアボールも出していません。こうしてみると右打者からは荒れ球の投手に見えますが、左打者からはまとまりのある投手になってしまっています。

もともと戸郷投手はサイドハンド気味のテイクバックからスリークォーターで投げる変則気味の投手なので、右バッターには恐怖感があります。特にスライダーが時折抜けて頭の方に向かって見える時があるので、踏み込みにくい投手でしょう。しかし左バッターには恐怖心を与えられるような球種がありません。ストレートを胸元に厳しく投げたいところですが、シュート回転して甘くなることが多いようです。フロントドアと呼ばれるような厳しいコースをつけるようなコントロールがないために、左打者は容赦なく踏み込んでいくのでしょう。データから見ても明らかな修正点を、克服できていないメンタルの弱さについて、原監督は厳しく指摘したのではないでしょうか。

コーチやキャッチャーの責任、配球とリード

この明らかな傾向を戸郷翔征投手が克服できないとしたら、コーチ陣とキャッチャーの責任は大きいでしょう。特に阿部慎之助ディフェンシブコーチは自身も左打者であり、戸郷投手のピッチングについての課題は1番良く理解できるはずです。大城卓三捕手と共に左バッターへの内角攻めについて、甘くなりがちな戸郷投手をリードしてく事ができなければ、キャッチャーとコーチの価値が半減します。“配球とリードは違う”と持論をお持ちの阿部コーチに是非、単なる配球とリードの違いを次回の戸郷投手の登板時に見せてもらいたいと思います。

次回は必ず何らかの対策を練ってくるはずだと信じてます。多分原監督も・・・

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