巨人の55番を背負う秋広優人選手の今年は 松井秀喜選手との比較

秋広選手がジャイアンツの背番号55番、を引き継ぐこととなった。言わずとしれたメジャーリーガー松井秀喜選手の代名詞で、ドラフト1位で入団した大田泰示選手以来となる。大田選手は残念ながら55番を背負っている時期に覚醒することが出来なかったが、秋広選手はどうだろうか。原監督は「サラっと背負ってほしいよね。十分、値する。」と、プレッシャーを慮るようなコメントをしているが、値するような成績が残せるようになるだろうか。

スカパー!プロ野球セット

秋広選手の今年の成績

年度所属試合打席数打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球三振併殺打打率長打率出塁率
2021巨人823022753063121810126302023267120.2290.3670.293

秋広選手の今年のファームの成績を見ると、打率.229、本塁打8、打点26と一定の成績は残している。試合数は82,打席数も302を与えられており、守備が内野手として安定しないにも関わらず出場機会を与えられている。終盤は外野手にも挑戦しており、春先から話題になった素材は、本物であるということだろう。そのため今回の背番号変更に至ったと思われ、一貫して有望なプロスペクトとして球団に認められている現状だと言える。身長2mと規格外では有るが、1年を通して体つくりが進んでいるように見えないことが気がかりだが、本人も課題として体重増を掲げているので、佐々木朗希投手の様に大型選手としては時間のかかるところなのかもしれない。

技術的には阿部2軍監督(当時)より、グリップを下げることをアドバイスされて終盤成績が上がっており、体ができてスイングスピードが上がれば、飛躍の年となるかもしれない。

真の4番打者 松井秀喜さんとの比較

先代の55番のファームでの成績と比較してみるとどうだろうか。(公式記録ではありません。)

年度所属試合打席数打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四死球死球三振併殺打打率長打率出塁率
1993巨人35158133193860868272202232630.2960.386
松井秀喜選手ファーム成績(公式記録ではありません)

松井選手は1年目から57試合に出場して、203打席で打率.223、本塁打を11本記録しており、2軍での記録は少ない。しかしその短い間に打席数158で打率.296本塁打8本と、短期間で2軍のレベルを超えてしまった。

松井選手は2年目には1軍で打率.294、本塁打20本と主軸の成績を残している。これからも比較されることは多くなるだろうが、ここまでの成績を秋広選手に望むのは酷だということは、殆どのファンが思うことだろう。

歴代最高の遊撃手となり得る 坂本勇人選手との比較

年度試合打席数打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球三振併殺打打率長打率出塁率
200777330302398116151142852112244770.2680.3770.325

今や歴代最高の遊撃手との評価を得つつ有る坂本選手だが、守備の負担の高い遊撃手でありながら、1年目のファームでは330打席で打率.268、本塁打5本と遊撃手としては十分な成績を残した。遊撃手で守備が安定していれば1軍での活躍のチャンスが有るのは当然で、2年目から1軍でフルに活躍した。2年目の成績が打席数567で、打率.257、8本塁打と規格外の成績を見せて、現状の各球団の遊撃手と比べても遜色のない成績でレギュラーを確保している。しかし坂本選手の場合は守れることが非常に重要なポジションであったため、1・3塁か外野手しか出来ない秋広選手とは事情が違ってくる。

若き4番 岡本和真選手との比較

年度所属試合打席数打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球三振併殺打打率長打率出塁率
2015巨人6925724018621811851612001435040.2580.3540.307
2016巨人964143604694186181787402073988880.2610.4940.341
2017巨人963933485394233101535504063278470.270.440.338
通算2611064948117250591029416145180138518222190.2640.4390.332

左右の違いはあるが、守備位置的にはほぼ同じ立ち位置に有る岡本選手の場合はどうだろうか。岡本選手は守備位置の関係から打撃での貢献を求められるので、1軍での活躍が遅くなった。ファームでは1年目から打率は.258を超えていたが、本塁打は1本にとどまった。2年目は打率.261で本塁打18本と長打力を見せつけたが、1軍に定着は出来ていない。結局守備を磨き4年目に1軍に定着することとなった。当初よく守っていたレフトやファーストでは、評価の高い守備力を見せて、チームには守備位置の柔軟性で貢献した。

当時岡本選手の守備練習を指導していた井端弘和さんは、守備の練習が打撃にも活きているとコメントしており、岡本選手も守備練習が打撃練習よりも好きであると発言している。

秋広選手も打撃ばかりに注目が集まるが、その強肩と走力を活かした守備を磨く事が、1軍で使ってもらえる条件になるかもしれない。守備固めで入ることができれば、原監督は守備固めの選手にも打席を与えるような気遣いのある采配をする監督であり、打席数も増やしていくことが出来るだろう。

昨年のMVP 村上宗隆選手との比較

打率試合打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球敬遠死球三振併殺打長打率出塁率
20180.288984273655710521117179701690158038440.490.389

同じ左バッターで守備位置も似ている村上選手のファームでの1年目は、規格外の成績だ。

427打席で打率.288、本塁打17本、打点70はレベルが抜けており、2年目からの1軍定着は当然の流れだろう。しかも2年目には打率こそ.231だが、本塁打36と怪物ぶりを発揮。最年少100号ホームランを記録して、これから何処まで伸びていくのかが注目される。

守備も向上を見せており、高校時代の本職が捕手だとは思えない上達ぶりだ。

秋広選手と被る部分も多いが、体の出来上がりが段違いに違う点は大きいだろう。バッティングの差を埋めるよりも、体つくりと守備面をまずは村上選手に追いつけるように努力することが必要だろう。

ファースト守備の向上を一つの目的として中田翔選手に自主トレ参加を申し入れたようですが、センターの守備を磨いたほうが将来的にはプラスになるのでは無いでしょうか。ファースト・サードは外国人選手などライバルが多く、センターで強肩と走力を活かす方が、1軍での打席数増加には良いのではと思ってしまいます。

タイトルとURLをコピーしました