日経平均が42,426.77円から35,909.70円に大暴落しました。高値から約15%の下落です。コロナでの下落やリーマンショックなどを経験しているベテラン投資家は、ある程度耐性がついていると思いますが、今年から始まった新NISAで株を始めた方たちには、結構きつい場面ではないかと思います。せっかく積み上げてきた含み益が一瞬にして吹き飛んでしまう株式市場は、やり方を間違えるととんでもないことになってしまうということでしょう。特に今回のように日米の金利差や米国の景気減退など、マイナス要因がいくつも重なってしまい、勢いがつきすぎてしまったと言えると思います。
以前私は円安を肯定し、円安を悪く言う人達を否定しました。株なんて安くなっても関係ないと言う人達がいますが、年金は株で運用されているし、日本の株式市場が縮小して企業が儲からなくなれば、賃上げなど起こるはずがありません。原油などは国際価格で推移しているので、経済成長しなければ日本の購買力は相対的に落ちていってしまいます。識者の中で円安を否定していた人たちは、日本が資本主義国家であることを理解しているのでしょうか?マスメディアの経済リテラシーはどうなっているのでしょうか?
積立NISAもきつい現状
2024年1月から始めていれば、7回分の積立が終わったところで、毎月定額を入れていたとしても、含み益が吹き飛んでしまったという方が多いのではないでしょうか。”上がるときはゆっくり、下がるときは急激”というのがよく言われることですが、少なくとも新NISAが始まってからの市場の過熱ぶりは、ゆっくりとしたものではありませんでした。来週月曜日の相場も怪しい動きをしていますが、くれぐれも狼狽売りだけは避けたほうが良いと思います。
この暴落は新NISA組には良い勉強
2024年初頭から加熱してきた株式市場で、半年という比較的早い時期に暴落が来たのは新NISAで参入してきた人たちには、寧ろとても良いタイミングで暴落を経験できたと言うこともできるでしょう。まだ7ヶ月であり、この安い相場であと5ヶ月も積み立てることができます。成長投資枠の240万円をフルで年初に入れた人でも、インデックス投資であれば、かろうじて含み益が残っているという方も少なくないと思います。
ここから淡々と積み立てていけば、相場が戻った頃には大きな含み益が出るはずです。むしろ相場の波を利用して、利益が膨らむ絶好のチャンスです。
暴落は株式にはつきもので必ず経験するはずです。新NISAが始まってから半年というタイミングは、まだまだ買い増していける余力のある人には、バーゲンセールです。株のバーゲンセールは型落ち品でもなく、消耗品でもなく、不必要な消費財ではありません。資本主義が崩壊すると考えている人以外は、チャンスだと考えて良いのではないでしょうか?
信用取引はやらない
素人は個別株の信用取引はやってはいけないと考えています。信用取引は塩漬けができません。余程経験のある人でないと、メンタルが持たないと思います。ゲームとして信用取引を位置づけられるならば否定はしませんが、蓄財として扱うのは非常に難しいと思います。
個別株も難しい
個別株も忙しい人達には難しいと言わざるを得ません。
少ない銘柄を常に注視するならばまだいいですが、巷を賑わせている高配当株の分散投資となると、かなりの銘柄をウオッチしなければなりません。
今回の暴落でもわかったように、株はゆっくり上がって急に下ることが基本です。急に下がった時に忙しくて対応できないようでは、致命傷になりかねません。それでなくても株を売買するためには常に新しい情報を入れて、いざという時に機敏に動く必要があると思います。会社員などをやりながらそんな事ができるのは、限られた人だと思いますので、個別株は多くの人には難しいと思います。
結局はインデックス投資
これからの若い世代は、インデックス投資を存分に使うべきだと思います。日本では良質のインデックス投資がつい最近までありませんでした。金融庁からあまりにも成績が悪くて、指導が入ったと記憶しています。
しかし、現状は低コストの良質なインデックス投資が多数あります。(よくないボッタクリファンドも多数ありますが・・・)
わざわざ難易度の高い個別株をやらなくても、インデックス投資を利用して、本業に精力を注ぎ込むのが一番の好手だと個人的には信じています。