NTTピークから25%の暴落 新NISAで含み損の株式投資初心者

NTTの株が暴落していると報じられています。新NISAでの購入が多いとされているNTTですが、損切りをしてしまう投資家が少なくないようです。今年の1月に193円をつけてから、6月14日には145円をつけていますから、約25%の下落です。

個別株の25%下落

NTTに限らず、25%の下落は決して小さくは有りません。ただマーケット全体が25%下がったのならともかく、個別株が25%下げることは、決して珍しくはないと思います。NTTでいえば前回145円をつけたのは(分割後の換算)、2022年の春ということになります。約2年前の株価に戻ったということですから、個別株の世界では暴落とは言えないと個人的には思っています。しかし、株の初心者には大変堪える状況でしょう。

NTTを買った理由

NTTを株初心者が買った理由が、明確になっていると思えない部分がありますが、NTTならば潰れないと考えたことが大きいのではないでしょうか?確かにNTTが潰れることはまず考えられません。しかし、現在の株価や着実な成長が約束されているかといえば、極めて疑わしいと思います。以前の記事でも言及しましたが、潰れないと思われていたJALは破綻しました。銀行株と言われていた東京電力は大暴落をして無配に落ちてしまっています。新NISAを始めるときに、30年後の老後資金のために積み立てを始めた方が多いと思いますが、30年後にNTTがどの様になっているかを想像できる方は殆いないのではないでしょうか。政府が持ち株をもちまず潰れないから安心だと、新NISAにはめたのであれば、いきなり厳しい現実が突きつけられたのだと思います。

インデックス投資は資本主義への投資

オルカンといわれる全世界株式は、まさに資本主義への投資だと言えるでしょう。30年後の成長にかけるのであれば、NTTよりも硬いのは間違いないと思います。株式投資初心者であれば、そして新NISAで買うのであれば、間違いなく安心できるのはオルカンです。

情報に騙されてはいけない

オルカンやS&P500などの新デックス投資よりも、日本株が面白いと発信するインフルエンサーは少なくありません。しかし面白いというのはリスクです。新NISAで30年後の資金を形成するのであれば、面白い必要は全くありません。安全で退屈な資金投入を継続していくことが、もっとも株式投資初心者が目指すべきものなのではないでしょうか。

株式投資の経験が多少ともあり、今回のNTTの25%下落ぐらいには心が乱されない人は、個別株投資は悪くはないと思います。しかし、十分にリスク分散された中で投資するべきでありますし、経験のある投資家ならばそのあたりは心得ているはずです。

インフルエンサーは不特定多数に発信しているのですが、そのインフルエンサーがターゲットとしている人たちは我々全員ではありません。

どんな層に対して発信しているのかが明確ではない以上、鵜呑みにするのはとても危険です。株式初心者は情報の取捨選択なんてできないのですから。

政府の不始末ではない

積み立て枠と成長投資枠を設置しているので、政府も個別株に誘導しているのではないかと思える部分もあります。このあたりは政府の国民に対しての教育が不十分だったと思います。そしてもう一つ、政府の準備が不十分だったと思うことがあります。

NTTは曰く付きの株であり、また日本は同じ過ちを起こしてしまったのではないかと疑います。

本来であれば金融機関がそのあたりを自主的にやるべきだと思うのですが、顧客を正しく教育する姿勢が日本の金融機関には無いと思うのです。

インデックス投資の為替リスク

S&P500やオルカンは基本的にドルで取引されます。つまり為替リスクを内包しているということです。このあたりを嫌う投資家は少なくないと思います。現に為替リスクを理由にS&P500やオルカンへの投資に警鐘を鳴らしているインフルエンサーも存在します。できるだけリスクを避けたいと思うのが投資初心者ですから、昨今の為替の乱高下から、ドルベースへの投資を避けたくなる気持ちは理解できます。

ただ、残念ながら今の日本にはS&P500やオルカンほどに実績があり、コストが低廉なインデックス投資は存在しないといって良いと思うのです。

政府の準備不足

このあたりを政府は十分に考える必要があり、低廉なコストのインデックス投資を用意するべきだったと思います。民間の力が足りないのであれば、政府が助力さえして軌道に乗せる必要があったのではないかと思います。

政府が直接かかわらなくてもS&P500やオルカンに匹敵する低コストの日本株投資信託や、日本円での全世界株式が低コストで設置されていれば、今回のような損切りをする投資初心者は少なかったのではないかと思います。

個別株はどんな株式でもリスクを孕んでおり、新NISAのような超長期の投資には向いているとは思えません。

政府は制度の説明は尽くして言いますが、制度の受け皿を作らず、金融機関と国民に投げっぱなしにしてしまったのは、少し親切心が足りないと思ってしまいました。投資は自己責任が基本ですが、導入部分でガイドラインが必要だったと思います。

制度の説明ではなく、初心者の投資のはじめ方ぐらいは、丁寧に指南しても良かったのでは思います。

何度も言いますが、日本の金融機関は投資家の利益より自らの利益を優先しているように見えるから、政府の関与が必要になると思うのです。前年ではありますが・・・

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