トム・ブレイディの功績

NFLを長い間見てきた。歳がばれるので何年とは書けないが、O.J.シンプソンの現役時代を覚えている。

今年トム・ブレイディがとんでもないことをやってのけた。スーパーボウル7度目の優勝である。自らの記録を更新したその勝利は、とてつもない大記録ではあるが、その経緯と内容が凄まじい。

横道にそれるが私はアンチブレイディである。ついでに言うと私の妻はブレイディの大ファンである。私がニューヨークに住んでいた時に、私の仕事のパートナーがアンチであり、彼の妻は大ファンであったので、2人で大笑いしたものだ。(その共通の理由を理解して、人種と言語の壁を超えた瞬間を実感した。)

ブレイディが何故気に食わないかと言うと、あまりにも出来すぎだからだ。40歳を超えてもなお現役バリバリの彼の戦績は、他には比べる人もいないくらいのダントツである。しかもドラフトは下位指名の叩き上げ。おまけにイケメン。女性ウケが悪いはずがない。ブレイディにケチをつけるとしたら、ボールの空気圧を不正に調整して問題となったデフレートゲートぐらいのものだろう。

そのブレイディが今年また大きな事をやってのけた。長年所属したペイトリオッツを退団してバッカニアーズでスーパーを制したのである。HCのベリチックとQBのブレイディがコンビを解消し、

「ベリチックとのコンビだから勝てるんでしょ?ペイトリオッツを離れたら、そうはいかないんじゃないの?」

などと言うアンチを黙らしたのである。これには私もグウの音も出ない。

ブレイディは自らの輝きに磨きをかけたのと同時に、フランチャイズQBの価値を大きく上げたと私は考える。

優秀なHCとフランチャイズQBが揃わなければスーパーボウルの制覇が難しいことに変わりはないが、フランチャイズQBの相対的な価値が今回のバッカニアーズのスーパー制覇で上がったことは間違いないと思う。

 このオフシーズンにシアトルのラッセル・ウイルソンやヒューストンのデショーン・ワトソンが、契約期間中であるにも関わらずトレードを希望して話題になっているのは、ブレイディの功績が影響しているのではないのだろうか。

ハスキー
ハスキー

ブレイディかっこよすぎるよね。

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