マスメディアの凋落 ドジャースと大谷翔平選手から出禁 下品な報道

フジテレビと日本テレビが大谷翔平選手のロスの自宅を晒したとして、事実上の出入り禁止になったと報じられています。以前から野球とはかけ離れたところにスポットライトを当てて、野球にさして興味のない人を対象に情報を垂れ流す姿勢には、野球ファンとしては違和感を感じていましたが、限界を突破してしまった現状の結果として現れた事象ではないでしょうか。本質的には日本テレビとフジテレビだけの問題では無いと思います。

メスメディアの劣化

報道をお茶の間に届けるために、報道バラエティーというジャンルを作ったのが、”ニュースステーション”という番組でした。これは報道番組をわかりやすく、報道に興味がない人たちを引き付けるように、ワイドショーと報道番組の良いとこ取りを目論んだ番組作りだったと思います。この試みは見事に成功しました。報道とバラエティ、スポーツ番組とバラエティーをくっつけたような番組作りは、その後各局が行うようになり、スポーツに興味がない人たちをスポーツ本来の魅力とは別のところで新たなファン層を開拓する引き金にはなったと思います。

しかし、番組を作る側の劣化も、同様に招いてしまったと思います。政治や経済に興味の薄い人たちを引き付けるために、番組の内容はゴシップ的なところに重点が置かれるようになりました。そして問題の本質を報道することをせずに、物事の表層とそのごく一部を偏向して報道する傾向が強くなっていったと思います。

報道番組や報道バラエティーでは、政治や経済に詳しいコメンテーターはごく一部で、解説も表層的なものに終止するようになりました。コメンテーターも一般の人達とは感覚が違う、元スポーツ選手やお笑い芸人、売れなくなった元アイドルなどがコメントするようになり、レベルの低いものや世間一般の人たちとはかけ離れたコメントを、世間の代表であるかのごとく発するようになりました。

テレビの中の世間を知らないお笑い芸人や元アイドルが発するコメントよりも、Youtubeの中の一般人の方が、世間の人たちと目線があったコメントを発信し、共感を得たのは当然のことでしょう。一部の芸能事務所との癒着がテレビ局のコメンテーター探しに影響しているのは、ジャニーズ問題などを経て一般人の知ることとなりました。

スポーツ番組の劣化

スポーツ番組、特に野球中継などを見ていると、アナウンサーの勉強不足に本当に驚かされます。解説者がびっくりするようなあたり前のことを聞くアナウンサーや、念押しするアナウンサーにはウンザリします。以前の野球中継は解説者よりも知識や情報が豊富なアナウンサーが多く、中継も充実していました。

何より今のアナウンサーは語彙力が乏しく、言い間違いや言葉の選択を誤っていることが多く、レベルの低さを感じざるを得ません。

スポーツ番組自体が劣化しているのですから、スポーツニュースなどが無くなり、バラエティーとして作られているスポーツ情報が、スポーツ本来の魅力を伝えるものでは無くなってしまっている現実は、今回の出入り禁止問題で裏付けされてしまったと言っていいと思います。

大谷翔平選手の自宅と藤井聡太名人の勝負飯

以前から気になっていたのは、藤井聡太名人の勝負飯の報道です。対局の情報については何手でどちらかの勝ちという情報ぐらいで、それぞれがどの戦法を取ったとか、勝負手は何だったかの報道は全く無く、一番の情報は食事だという報道に、呆れてしまいます。

取材を受ける藤井名人も将棋ファンのため、将棋ファンの拡大のためならば快く取材を受けられると思います。しかし実際の番組は、将棋の内容は報じられず、食事のことばかりです。これでは将棋界の発展には繋がらないでしょう。

大谷選手に対する報道も、同じ様な傾向にあります。大谷選手が大切にしている奥さんや自宅に関する報道を、垂れ流す番組には呆れますし、お笑い芸人や野球選手がそんな情報にコメントするのも滑稽に見えます。そしてそんな番組作りをせざるを得ない状況に追い込まれているマスメディアは、自分たちの努力不足が招いた結果であることを、自覚していないのではないでしょうか。

メスメディアの衰退は年寄りのせい

テレビで育った団塊の世代がマスメディアの実権を握っているうちに、若者世代は呆れて離れてしまったというのが実際のところでしょう。

政治についても偏った見方で報道するので、本質を見抜いている若者世代からは見向きもされなくなってしまいました。

事件をでっち上げたり、どうでもいいことを粘着して報道する姿は、今まで数多くされてきました。若者世代がとっくに気がついていることを、隠して報道する姿は醜悪でしかありません。テレビがなくなる日はもう始まっていると言っていいでしょう。

そこにはNHKの問題も横たわっています。NHKの在り方を肯定する若者世代は、どれだけいるのでしょうか?若者を対象にしたNHKの受信料に対するアンケート自体も、行われないことに問題意識を持てない、もしくは持っていても触れていないのは、それだけで問題だと思うのですが・・・

公共の財産である電波をムダ遣いする現在の多くのマスメディアは、退場するべきだと思います。

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