プロ野球の人気が下がる理由 スター選手のメジャー流出でドラマ無し

野球人気が下がっていることは日米で共通の話です。競技人口も明らかに日本では減っていて、1強時代からサッカーとの2強時代が続いていると言っていいでしょう。サッカーは常に欧州へのスター選手の流出が続いており、国内のJリーグが今ひとつ盛り上がらない原因となっていると思います。そして野球においてもスター選手の流出が状態化しており、人気の低下につながっていると思います。

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引退が美しくない最近のプロ野球

以前より引き際がよくわからない引退模様が多くなったと思います。最近で言えばまだできると声の多かった阿部慎之助捕手の、引退時の引き際が際立っていたと思います。ジャイアンツで言えば高橋由伸選手が監督就任のために突然引退しましたが、このときはシーズン終了後に突然引退してしまったので、引退試合もセレモニーもなく、稀代のスーパースターの引き際としては、物足りなく映ったものでした。

しかし上記の二人のような引退は、今の時代は珍しいようで、生え抜きで活躍してきた選手が、活躍の場を求めて他球団に移籍したり、独立リーグへ移籍していく選手も珍しくなくなりました。サッカーの三浦知良選手の場合は別格としても、世界的に活躍した中村俊輔選手が2022年10月に引退した際の報じられ方は、ファンとしては非常に寂しいものでした。せめて横浜マリノスからジュビロ磐田に移籍せずに、マリノスで引退してくれていたらと思ったのですが、同様のケースは野球界でも少なくありません。

鳥谷敬選手なども晩年活躍の場を求めてロッテに移籍しましたが、本人の経験としては良かったとは思いますが、ファンとしては阪神一筋でいてほしかったという気持ちも有ったのではないでしょうか。

FAの人的補償は不要

激震が走った和田毅投手のプロテクト漏れですが、これはジャイアンツの内海哲也投手、長野久義選手、ドラゴンズの岩瀬仁紀投手の時も、同様の事態に陥りました。今回は何故か方向転換がなされましたが、常々主張している通り、人的補償なんてやめてしまえばいいと思っています。ドラフト権の譲渡なども議論に上っていますが、米国のようにすべての選手が条件を満たせば宣言の必要なく、FAとなるのが本当のFAで、宣言が必要になるのはフリーとは言えないと思います。使いにくい制度は球団側により過ぎで、いつまでこんな状況を許しておくのか、選手会の努力不足を疑わざるを得ません。球団が努力を怠っているので、メジャーとの差が開いていると考えていますが、あまりそこを指摘する識者がいないのは残念です。

メジャー流出の弊害

超スーパースターがメジャーに流出したために、引退の引き際が見られないのはファンとしては残念です。イチロー選手の引退はよくわかりませんでしたし、松井秀喜選手は日本では海の向こうのことで盛り上がれませんでした。私は長年応援してきた選手の最後を記憶に残したいものですが、あまり覚えていない時点でファンの獲得と維持に対してはマイナスでしか無いと思います。松井秀喜選手であれば、最後の1日だけでもジャイアンツと契約して、引退試合やセレモニーなどを行うなどの考えが、球団になかったのは残念でした。(もしかしたら球団のオファーを松井さんが断ったのかもしれませんが・・・)

大谷翔平選手は世界のスーパースターとなってしまいましたが、日本への復帰はまずないと思われ、残念でなりません。

世代交代がプロスポーツの見どころ

プロスポーツの最大の見所は、世代交代だと思います。わかりやすいところで言えば、新しいスターの誕生には誰もが注目し、その活躍が鮮烈であればあるほどスポーツ界は盛り上がります。かつてプロ野球が最高潮に盛り上がったのは、長嶋茂雄さんの登場でしょう。今なお語り継がれる金田正一VS長嶋茂雄は、リアルタイムで見ていないファンも、何度も見ているのではないでしょうか。その他にも清原和博さん、松井秀喜さん、松坂大輔さんなどの甲子園のスーパースターが、プロでデビューしたときは本当に盛り上がったと思います。

そしてもう一つの見どころは、その若い力にスーパースターが負ける場面。いわゆる世代交代のときでしょう。相撲で言えば千代の富士が貴乃花に負けて引退を決意した場面が、真っ先に思い浮かびます。野球では清原和博さんがFAでジャイアンツに移籍する際に、日本ハムに出ていった落合博満さんの行動には潔さが感じられました。小早川毅彦さんに本塁打を打たれて膝をついた、江川卓投手も名場面として記憶しています。そういったスーパースターの名場面をメジャー流出のため見られなくなっているのは、非常に残念でなりません。

次の見どころは誰だ

個人的には昨年終盤に坂本勇人選手がサードに回ったのは、一つの名場面でした。ここから更に坂本選手が輝きをましていくのか、このまま衰えていくのかはファンとしてはとても注目されます。

もう一人は菅野智之投手が、これからどの様な姿を見せてくれるのかが注目されます。18番を背負うエースが、いつどんな形でそれを下ろすのか?先発でもう一度輝くのか?絶対的なクローザーとして第2章が始まるのか?

おそらく何年も低成績で18番を背負うようなことは、菅野投手の言動からは考えにくく、本当にこれからが注目される選手だと思います。

私はずっと応援してきた選手が、ボロボロになってもならなくても、その終わりを見届けたいという気持ちがとても強いのです。

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