智辯兄弟対決で幕を閉じた高校野球だが、様々な問題が持ち上がり放置され続けた問題も改めて浮き彫りとなった。コロナ禍での開催となり不自由な面があり、問題をさらに浮き彫りにしたと言える。
雨天コールドの問題
東海大菅生が大阪桐蔭に雨天コールドで敗退した。
負けた東海大菅生はもとより、勝った大阪桐蔭もスッキリとしない雰囲気に包まれたと思う。さらに試合中はコールドを避けたいという審判団の配慮から、田んぼのような状態のグラウンドでのプレーが続き、安全面などの配慮も必要となるような状況だった。
今回の甲子園大会は天候不順のため過去最多の6度の雨天順延が行われ、大会の日程消化に大きく影響した。
日程の都合のため雨予報であった日も試合が強行されるケースも有り、選手には気の毒な場面もあった。
そもそもプロ野球など長期に渡るリーグ戦は日程消化の問題もあり、雨天コールドは致し方ない面がある。しかし、トーナメントの場合は雨天コールドの扱いは馴染まない。むしろ点差によるコールドの適用のほうが、適切ではないかと考える。また、サスペンデッドであれば、仮に3回の途中で雨が激しくなっても、3回でコールド再試合とはならないので、むしろ日程の消化も進むのではないだろうか。
サスペンデッドの扱いを今後検討に入るとのことだったが、春の大会からの適用を決定してほしいと思う。
酷暑の甲子園
スカパー!プロ野球セット今年の夏も酷暑が続き、35度を超える猛暑日が連日観測された。甲子園のグラウンドは影もなく、優に35度を超えていただろうと予想される。そんな状況の中で選手達は、ベンチでのマスク装着を義務付けられていた様だ。もともと地球温暖化が問題視されている中で、甲子園で戦う高校生には配慮のない状況が続いている。なにか事故が起きるまでは、このまま動かさないのではないかと、危惧してしまう。
地元近畿勢の有利
今回はコロナ禍での大会となり、選手の行動制限が実施された。厳重な警戒にも関わらず、2チームの大会中でのコロナ感染が発覚し、無念の出場辞退となってしまった。こんな事が他チームで起これば、他のチームの選手達も厳しい行動制限が更に行われ、そのストレスは大変なものだったと思う。更には甲子園の序盤で雨天による中止が長引いて、宿舎での耐乏が選手たちを苦しめたのは言うまでもないだろう。さらには一部で指摘があったように、地元以外の出場校は練習場所を確保することがもともと難しいのに加えて、悪天候のため雨天練習場を確保できなかった。密を避ける意味でも共同での練習は難しい環境で、地元高校も共同での練習も提案できなかったのではないかと思われる。
大人たちの甲子園
ここまで考えると、屋根のない甲子園で全国大会を行う必要があるのかと考えてしまう。
雨天の問題、酷暑の問題、これらを一気に解決できるのがドーム球場での開催だ。地方大会もドーム球場の使用を、積極的に行えば良いのではないかと思う。今回は東京大会で、東京ドームの使用が行われた。選手にも応援する生徒やご父兄の方々にも、いい事ずくめであったと考える。
しかし103回も続いた甲子園に価値があるということを、主張する方々は非常に多い。当然歴史があり、その事自体の価値は大きい。
だが、これからの選手たちは、同じ価値を過去の人達と同等に持つことはない。極端な話、来年から京セラドームで大会が行われるようになれば、今年生まれた子どもたちにとっては、甲子園で開催する価値など何もないことになる。雨天を心配することもなく、酷暑でのプレーを行うこともなく、18年も続いた全国大会を京セラで行うことは当たり前となっていくだろう。19年後に仮に京セラドームが使えなくなった時に、安全面の配慮から甲子園以外のドーム球場を使うことになるのではないだろうかと予想する。 過去の価値を重く見る大人たちが、未来の子供たちを苦しめていることに気が付かなければならないと考えるがどうだろうか。
未来の子供たち本位に考えてもらいたいですね。大人たちの事情を優先することは、許されないアマチュアの大会です。