巨人・山﨑伊織と赤星優志の違い 勝てる投手の要素 原監督の思い

ジャイアンツの山﨑伊織投手が、今季初先発で今季初勝利を挙げました。7回を4安打1失点と首位争いをしているDeNAの好調な打線を抑え込んだのは、非常に価値があると思います。初登板で体がフレッシュであったことは一つの要因だと思いますが、球威も昨年より増していたようで、解説の井端弘和さんが体つきの違いについて指摘していました。

一方で開幕からローテーションを守っていた赤星優志投手は、3試合先発して防御率6.92と振るわず、2軍に合流しています。

体格に大きな差はなく、球速や持っている変化球にも大きな差がない二人ですが、ピッチングの結果には大きな差がついてしまったのは何故か、考えてみたいと思います。

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コントロール抜群の二人

ともに右のオーバーハンドですが、コントロールに破綻がありません。今季の結果を見ても1イニングあたりの投球数は、山﨑投手が14.6球、赤星投手が15.4です。フォアボールは9イニングあたり山﨑投手が1.29個、2.77個。赤星投手は負けが混んでしまったので、フォアボールが少し多くなりましたが、基本的にはコントロールは良いと思います。

ともに右の本格派で、150Kmのストレートを投げることができるのに、赤星投手は打ち込まれることが増えてしまっているのは何故なのでしょうか。

荒々しさを求めた原監督

昨年の秋のキャンプや今年の春のキャンプで、原監督が赤星投手に求めたのは、”荒々しさ”でした。そのためか試験的に、足を上げてからわざと視線を大きく外すフォームなどを積極的に試すシーンなどが報道されていました。

荒々しさとはないかと言えば、打者が感じる怖さなのではないかと思います。赤星投手はコントロールが良く、その評価はすべての球団に行き渡っているでしょう。

原監督は報道陣には言えないと思いますが、”荒々しさ”とはデッドボールを怖がらずに思い切ってインサイドに投げ込めという意味だと思います。

一昔前はケンカ投法などと言われましたが、ぶつけることを怖がらずに思い切って攻めてほしいのだと思います。

左右の揺さぶりがピッチングの中でよく言われますが、インサイドを攻めるだけではなく、振らせなければ意味が半減します。以前は踏み込んでくるバッターには足元を動かせ。それでも怯まないなら、ひっくり返せと言われていました。ぶつけろとは今の御時世では言えませんが、原監督の要求した”荒々しさ”には、そういった意味合いがあったと思います。

星野仙一さん、東尾修さん、西本聖さんは、赤星投手と同じ様に大きな投手ではありませんでしたが、インコースを果敢に攻める投手でした。ストレートは決して速い方ではなかったのにもかかわらず、成績を残せたのは、インコースを臆せずに攻めたからだと思います。

右バッターでプルヒッターだった原監督が、最も嫌がるタイプの投手がこういった投手だったのではないでしょうか。

赤星投手のコントロールだからできる

コントロールがないのに、安易にインコースを攻めることには問題があるでしょう。先に上げた3人の大投手は、コントロールが良かったと思います。西本投手はシュートのイメージが強かったですが、外角低めでカウントを確実に稼げる投手でした。東尾投手も外角のストレートとスライダーが印象的な投手でした。星野投手は気迫のケンカ投法でした・・・

赤星投手はコントロールがあるだけに、後は気持ちの問題だと原監督は考えているのかもしれません。

以前のようにぶつけても良いとは言えないご時世だけに、原監督も言葉選びと指導に苦労しているのではないでしょうか。

今年赤星投手は右打者に、打率.357と打ち込まれてしまっています。左打者は打率.296なだけに、右打者にやられすぎだと思います。もっと思い切ってシュートを投げることができれば、すぐに勝ち星が積み上がるレベルの投手だと思います。ただ、気持ちの問題で大成できなかった投手はとても多いというのが、プロの世界ではよく言われていますので、今のコーチングスタッフでそれを教えられる人材はいるのでしょうか。西本聖さんを臨時コーチに、原監督が呼んでくれないでしょうか・・・

山﨑投手の好投の原因

昨日の山﨑投手はインコースのシュートボールがキレていました。

そのため打ちにいった右打者が、普段なら当たらないところに自打球を当てるシーンが複数回ありました。防具がないところにあるものですから、痛いし怪我のリスクまで考えなければなりません。

普段は思い切り踏み込んでくるソト選手も、かなり嫌がっているようで、外角のスライダーを踏み込めず中途半端なスイングをしていました。怪我も痛い思いもしたくないので、あっさり引き下がってしまったようにも見えました。

こういった投球ができるのであれば、右バッターに打ち込まれることは殆無くなるのではないでしょうか。右バッターに好打者の多いDeNAには、これからも良い結果が残せるのではないかと推測されます。

また、3連戦の頭に山﨑投手をもっていけると、その3連戦の間は相手の右打者の調子を崩す可能性が強いのではないでしょうか。

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