ヤクルトVS阪神の一戦で、村上宗隆選手がチームリーダーの風格をみせた。
阪神4点リードの5回二死一二塁。打者佐藤輝明選手の時に、2塁走者近本光司選手の右手が水平に何度も動いたとして、村上選手が伝達疑惑を指摘した。審判団と高津監督・矢野監督協議の結果、審判団より紛らわしい行為はやめるようにと近本選手に注意がされた。
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若干21歳である。チームで4番を張り、侍ジャパンにも選出されている。覇気のあるその姿勢は若きチームリーダーとして既に評価され、成績でも言動でも引っ張るその姿が、今夜の神宮球場でも確認された。
サードからの洞察力
3塁からセカンドランナーの近本選手を注意深く観察していたから、的確に疑惑を指摘できた。事の真偽はともかく、疑惑についていち早く気づいて指摘できるあたりは、周りが見えている。そして気持ちに余裕がある証拠だ。21歳といえばまだ、大学生と同じ年齢だ。自分のことで精一杯と普通なら思うが、村上選手は違う。この全体を見ることのできる能力は、天性であろう。教えたって普通の21歳にできるはずがない。こういった能力はチームのために試合ではもちろん、練習中であってもとても有益だ。勿論バッターボックスでも、その洞察力は大きな武器であろう。
チームリーダーとして村上選手
チームリーダーとしての資質は満点だ。今夜も阪神ベンチに臆することなく、猛然と抗議した。しかもきちんと丁寧語で抗議していた。このあたり万人受けする所作であり、人を引きつける人格が備わっている。ヤクルトもチーム全体が、村上選手が頭角を表したことによって、雰囲気が代わってきた。FAでの流出を止めることができたのも、村上選手の存在と無関係ということはないだろう。
今年山田哲人選手がFAでの移籍をせず、キャプテンを自ら請け負ったことも、年下の村上選手からの刺激が関係あったのではないかと思う。どちらかと言うとシャイでマイペースだと山田選手のことを思っていたが、年齢や青木宣親選手の影響もあったのだろう。今年は選手として一皮むけたように感じられる。
年上の中心選手まで影響を与えていたとしたら、村上選手が全盛期を迎えるこれからはヤクルトの復活が期待できる。
侍ジャパンでの役割
以前も指摘した様に、松田選手の代わりのムードメーカーとしての役割を、稲葉監督に期待されていると考えていた。しかし今夜の言動を見ていると、チームの精神的支柱の1つに成り得ると思える。それほど素晴らしい選手で、稲葉監督の選出は間違いないと思えてくる。
チームが沈みかけた時に21歳の若者が奮い立ち、周りの大人が引きずられるという光景はあまり見たくない。そんなことになる前に、控えめなチームリーダーたちが、先に闘志をあらわして奮い立ってもらいたい。
岡本和真選手は何故侍ジャパンに選出されなかったか。落選の理由。
松田選手の代わりにチームリーダーに指名された坂本勇人選手と菊池涼介選手に特に期待したい。
侍ジャパンさえも変えてしまいそうな、村上選手の今後に目を離せない。