アマチュアスポーツの無くならない体罰問題 解決策はあるのか

野球に限らずアマチュアスポーツ界の体罰問題は、無くなりません。今回東京の野球強豪校で事案が発生して、ネット上で話題となっています。昭和の時代ならまだしも、令和の時代で体罰なんてと感じるのが一般的な感覚ですが、なぜこのような問題は無くならないのでしょうか。

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プロスポーツとアマチュアスポーツの根本的な違い

人として不適切な行動

プロスポーツは契約の解除があります。社会人として不適切な行動を取ったりしたときには、解除が検討されることになります。法律に触れるなどした時は極めて厳しい判断がくだされるのは、当然のことでしょう。

しかし、アマチュアの場合は少し事情が異なります。学生の場合は簡単に退学処分にすることはできません。また、退部処分にすることもハードルが高いでしょう。何故ならば、学生は多くが未成年であり、人間として不完全な部分があるのは、ある意味当然のことだからです。成長過程にある人間を教育機関として預かっている限り、簡単に放り出してしまうことに強い抵抗が生まれるのは、自然の流れです。これがクラブチームであったりすれば、厳しく対処されると思いますが、学校の場合は余程のことが事件として明るみに出ない限りは、指導していくことが原則ではないでしょうか。

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学校の評判

不適切な行動をする学生を安易に排除していると、学校としての評判が下がります。スポーツに力を入れている学校は、スポーツによって学校の評価を高めることをある程度視野に入れています。そのため不適切な行動を取る学生を安易に排除することは、とても難しくなります。仮に退学者をだしたとすると、その判断の適切性は議論の的になります。学校側には学校側の言い分が有り、生徒側にも言い分があるはずですが、余程の重犯罪でも犯さない限り、学校側の責任は免れません。また一番の問題は、学校の評価が著しく下がれば、在校生の進路に直接の影響が出てしまいます。更には翌年の入学希望者も減ってしまうでしょう。そしてその影響は、卒業生にも及んでしまうことになります。学校の評判というのは、それだけ多くの人間に影響を長期にわたって及ぼすので、守らなくてはならない物と考えてしまうのは、普通の流れと言っていいと思います。

団体競技での不祥事

野球などの団体競技は更に難しい問題を抱えます。個人競技との違いを考えてみたいと思います。

レギュラーになれない選手

団体競技の難しさは、レギュラーになれない選手が存在してしまうということにあると思います。強豪校でレギュラーを取ることはとても難しいと思います。3年間で公式戦に出場できない選手は、強豪校では珍しいことではないようです。そんな中でレギュラーと控え選手、または控え選手にもなれない生徒との格差は当たり前に存在します。学生なので控えであること、裏方に回るなどの意義について教育することは、学生スポーツの重要なピースであることは間違い有りませんが、すべての生徒が100%納得できるわけではありません。ふとした時にその格差について疑問が生じ、心の葛藤が始まってしまうのは自然な感情でしょう。特に野球などの団体スポーツの場合は、明確な記録によって優劣が決まるわけではないので、問題は生じやすくなってしまいます。指導者の方たちもそのあたりは十分に腐心しているものと思いますが、こういった事象は無くならないのが現実でしょう。

チームメイトに迷惑をかける

不祥事を発生させるとチームは対外試合を禁じられる事があります。そうなるとレギュラーで頑張っていた選手は、その成果を見せることができなくなります。これは部員全員にとって大きな問題です。多少の問題が部活内で発生しても、指導者側も生徒側も大きな問題にしたくないというのが、本音のところではないでしょうか。もし自分が原因の不祥事で部活が処分を受けてしまえば、チームメイトや同級生に迷惑がかかり、本人に大きな原因がなくても学校に居辛さを感じてしまうのではないでしょうか。

この様に団体競技のスポーツは、問題を明るみにしたくない傾向が加害者側と被害者側の双方に存在するケースがあると思います。

一生を左右する可能性がある

学生スポーツの重要性は個人個人によって違います。プロを目指す人から学生時代の思い出作りなど、個人によって千差万別です。しかし重大な問題は、本気度が高いほど、そして強豪校であればあるほど、起こりやすいという事なのではないでしょうか。上のレベルを目指す環境ほど、学校側も生徒側も熱が入り、本気度が増していきます。当然お互いに厳しい考え方が状態化することとなるでしょう。」

監査役の設置を導入する時期では

今まで上げてきた様々な理由により、残念ながら学校による自浄は、悪意がなくても難しい傾向が強くあると思います。学校の責任において不祥事の発生を完結させることは、無理があることを認識するべき時期にあるのではないでしょうか。何でも現場の責任で完結させようとするのは、無理があります。これだけ問題が無くなら無いのであれば、監督官庁の責任もあるのではないでしょうか。

監視カメラの設置にアレルギー

生徒は常に監視されており、監視カメラにアレルギーが有るのはむしろ教師ではないでしょうか。監視カメラも死角であれば役に立たなくなりますが、一定の抑止力になります。教師は監視の目に慣れていないので抵抗感が強いのかもしれませんが、本当に自分の行動に自身があるのであれば、むしろ監視カメラはポジティブに受け取れるはずです。正しい行いしかしていないのであれば、自分を守ってくれるはずです。

監査役の導入を

一般の企業に監査役がいるように、学校も第三者機関からの監査役を導入するべきではないでしょうか。今いる警備員を監査も兼ねた人材にすれば、それほど追加の費用もかからないと思います。そして監査役は学校ではなく、監督官庁に報告することによって隠蔽を防ぐ構図が現実的ではないでしょうか。

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