WBC侍ジャパン 辞退者続出の理由 サッカーW杯との違い

いよいよ開幕が迫り、メンバーも発表されました。ダルビッシュ投手や大谷翔平選手等の日本人メジャーリーガーが数多く選出される一方で、これまで日本代表を支えてきた選手たちが、出場を打診されながらも辞退するケースが続出しているようです。サッカーW杯の場合はあまり辞退する選手が出ないのに、野球の場合は何故辞退者が続出するのでしょうか。理由を考えてみたいと思います。

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サッカーW杯は選手の品評会

もともとサッカーW杯は歴史が古く、大会の権威性がWBCとは違います。出場参加国も多く、開催に合わせて各国の国内リーグの日程を調整しています。また、各リーグの関係者はW杯での選手の活躍に注目しており、その後の選手の評価や契約に直接繋がります。W杯で活躍した選手がその直後に強豪クラブで大型契約を勝ち取る事は、本当によくあることです。

代表チームとして戦うことの意義や誇りは、サッカーも野球も大きな違いはないと思いますが、実利に直接結びつくため、サッカーのW杯出場は選手には断る理由が余りありません。

野球はFAまでが長過ぎる

WBCで若手が大活躍しても、それはその選手の年俸には殆どと言って良いほど影響しません。各国のスカウトは大会には注目しているとは思いますが、FA資格の関係で大会直後に活躍した若手選手と契約できるわけではないので、FA資格取得後の参考程度の試合にしかならないでしょう。

開催時期が微妙すぎる

サッカーの場合は各国の国内リーグの日程を、W杯に合わせているのと対照的に、野球のWBCはシーズン開幕前の微妙な時期に開催します。MLBではWBCよりもメジャーリーグのほうが大切であることが、常識とされています。

今回、柳田悠岐選手や坂本勇人選手等の長年日本代表を支えてきた選手が出場を辞退したのは、自らのコンディションをペナントに合わせたいという気持ちが強かったためというのは、明白です。年齢も30代中盤になり、コンディションを整えることが難しくなっていることが大きな理由の一つでしょう。また、MLBへの移籍への可能性がないことも、大きな理由ではないでしょうか。柳田選手も坂本選手も現役生活を所属球団で全うすると見られており、MLBのスカウトの眼を意識する必要がないことも、辞退の理由付けの1つになったと推測されます。

また西武ライオンズの平良海馬投手は、念願かなって今シーズンから先発へ転向が決まっています。これから自分のキャリアをアップしていく重要な時間の中で、WBCへの挑戦は困難との判断でしょう。我儘を球団にきいてもらい、配置換えを勝ち取ったので、今度はチームを裏切るわけにいかないと考えるのは、至極常識的な判断だと思います。

控え選手の調整の難しさ

ペナント前の大切な期間で、長時間の移動や調整の難しさは考えなければなりません。とりわけ野手の中で十分な出場機会がもらえない控え選手は、実戦機会が減って調整の難易度が上がることは間違いありません。以前の大会では控え野手がバッティングピッチャーを行うなどの献身的な働きが必要とされており、自分の調整は二の次ということになってしまっていたようです。サッカーとは違いフリーバッティングには球場の使用が必須であり、控え野手に十分な時間が確保されることは無いと思われます。そんな中で、WBCをよい機会として捉えることのできる若手はまだしも、実戦の機会がとにかく必要な選手には無駄な時間となりかねません。今回辞退が公表された選手以外にも、調整の難しさから辞退した選手はかなりいると思います。

坂倉将吾捕手と大城卓三捕手

個人的には広島の坂倉将吾捕手は、今年は捕手に専念するということで、チームの投手との意思疎通を強化するためにWBCには消極的だったのではないかと思います。坂倉捕手のようにキャッチャー以外にも複数ポジションを守れて打撃も優れた選手は、サブとして必ずメンバーに入れておきたいはずですが、事情勘案の上、今回は同じ打撃型の大城捕手を選んだというところでしょうか。第3捕手は殆ど出番をもらえないかもしれず、原監督が栗山代表監督を助けたような形なのではないでしょうか。大城捕手はこれを好機として、いい意味で経験値を上げてもらいたいと思います。

メジャーリーガーの契約

今回は各国からMLBの選手が出場してきます。これは想像でしか有りませんが、各選手の代理人はチームと協議の上、WBC出場の条件について事細かに決めて、代表チームに参加の条件として飲ませていると思います。各ステージでの投球イニングや打席数などについては、最低でも合意していると思います。日本代表チームも起用法について、メジャーリーガーには条件が付帯されていると思います。そうなると、各チームの好意と選手の献身性で出場を決めている日本人選手は、犠牲となってしまうでしょう。

今回日本代表に加入したヌートバー選手は実力がハッキリとつかめない中で参加となっていますが、全く調子が上がらなかったときに、参加条件のために交代できないような状況になると、命取りとなりかねないと勝手に想像しています。

ハスキー
ハスキー

大変楽しみなWBCではありますが、怪我だけはしないように気をつけてもらいたいものです。大きな故障などが発生しないように十分に調整してくれるものと信じていますが・・・

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