FAが機能せずMLBのマイナー化が明らかになった日本のプロ野球で、安定して戦力を強化するためには育成が絶対に必要です。ジャイアンツにおいても、ここ数年のFA市場の動向や、FA選手の成績を見れば、FAに頼ることが不確実な戦略であることは、明らかです。
高品質で希少な新鮮食材を産地直送でお届け 羽田空港公式産直通販サイト「羽田産直セレクション」ジャイアンツの3軍制とファーム施設の充実
育成に本腰を入れ始めたジャイアンツは、原監督のもとで次々と施策を打っています。
今年ジャイアンツ球場は改修され、女性やファミリー向けの機能アップが図られています。また、新球場の建築も明らかになっており、両翼100メートル、中堅122メートルで、グラウンドには人工芝が敷設される予定になっています。
ファームなので技術の向上のため、内野は芝では無い方が良いと思います。
新球場に隣接するサブグラウンドには天然芝が敷設されて、小中学校や地元の自治体への貸出も検討されている様です。以前に同じ3軍制を取るソフトバンクの3軍の施設を訪れた時に、その規模に驚いたものでしたが、同じ3軍制を取るジャイアンツも、漸くハードの充実に投資をするようになりました。
スカウト網の強化も実施
スカウト網の充実のため、2020年6月にOBスカウトの導入を行いました。2021年6月には米国OBスカウトスカウトも設置しています。コロナの影響で来日が遅れた新外国人ですが、米国OBスカウトの尽力が有り、米国でのミニキャンプが実施され、昨年のような調整不足がある程度は回避されたと思います。今年のアダム・ウォーカー選手の活躍などに、一定の好影響があったのではないかと推察されます。
千里の馬は常にあれども、伯楽は常にはあらず
あまりにも有名な故事成語ですが、これほど今のジャイアンツが考えなければならないことは、他には無いのではないでしょうか。他チームでは伝説の名スカウトが語り継がれていますが、巨人ではあまり聞いたことがありません。
広島の「スカウトの神様」木庭教さんやヤクルトの片岡宏雄さん、西武の鈴木照雄さんが有名ですね。
ジャイアンツのブランド力や逆指名などで、その年の目玉選手を今までは獲得できてきました。地道なスカウト活動が実を結ぶことが少なかったので、スカウトが育たないのは当然の結果だと思います。逆に言えば、他のチームはスカウトの腕の見せ所が有り、その成果が組織としての強さを作り上げてきたと思います。
しかし最近のジャイアンツは3軍を維持するために、育成での大量指名が続いています。3軍の質を維持するためには、育成指名の選手の質が問われます。あるコーチによってジャイアンツの育成選手のレベルについて辛口のコメントが有りましたが、おそらくそれはスカウトの実力不足を間接的に示唆しています。
またスカウトとともに、コーチの質も問題になります。せっかくスカウトが頑張って良い素材を入団させても、育成をするコーチに人材とノウハウがなければ、宝の持ち腐れです。「千里の馬は常にあれども、伯楽は常にはあらず。」は今のジャイアンツの状況を的確に表しているのではないでしょうか。
育成を今年の課題とした原監督ですが、今のジャイアンツの投手陣も打撃陣も1軍で経験を積ますことが出来るだけの素材が見当たりません。中山礼都選手や秋広優人選手も着実に成長していますが、今はまだファームの段階のようです。投手陣も2軍で防御率が15.00と結果が出ていなかった平内龍太投手を、重要なセットアッパーとして使わなければならない状況です。育成も含めれば54人も投手が在籍しているにも関わらず、勝ちゲームの8回を任すことが出来る投手を育成できないのは、結果が出ていないと言われても仕方がないのではないでしょうか。
選手の好素材は毎年のように出てきますが、コーチやスカウトに人材がいなければ、チームの戦力は上がらないと思います。
監督に育成の責任はない
本来1軍は育成の場ではなく、十分に育成された選手を監督が使って優勝を目指すステージです。監督はモチベーターであり、現場の指揮官ですが、育成はファームの仕事です。現状は優勝を目指すだけの戦力が整っておらず、3軍制を採用し、育成のためのハードは揃いつつあるのに、育成の結果が出ないのは、スカウトとコーチの実力に問題があると結論付けても良いのではないでしょうか。
全権を有する原監督
原監督は全権監督と言われています。原監督と球団の育成を充実させる方針は、漸く器ができてきましたが、人材は揃っていません。原監督はコーチもスカウトも自前で育てようとしているようですが、そこは外部から新しい血を入れて尊重しないと、時間がかかりすぎてしまうのではないでしょうか。