巨人は2021年ドラフト会議で支配下選手7名。育成で10名の大量指名を行った。
1位 | 翁田大勢 | 翁田大勢 | 投手 | 関西国際大 |
2位 | 山田龍聖 | 山田龍聖 | 投手 | JR東日本 |
3位 | 赤星優志 | 赤星優志 | 投手 | 日大 |
4位 | 石田隼都 | 石田隼都 | 投手 | 東海大相模高 |
5位 | 岡田悠希 | 岡田悠希 | 外野手 | 法大 |
6位 | 代木大和 | 代木大和 | 投手 | 明徳義塾高 |
7位 | 花田侑樹 | 花田侑樹 | 投手 | 広島新庄高 |
育成 | ||||
1位 | 鈴木大和 | 鈴木大和 | 外野手 | 北海学園大 |
2位 | 高田竜星 | 高田竜星 | 投手 | 石川ミリオンスターズ |
3位 | 亀田啓太 | 亀田啓太 | 捕手 | 東海大 |
4位 | 笹原操希 | 笹原操希 | 外野手 | 上田西高 |
5位 | 鴨打瑛二 | 鴨打瑛二 | 投手 | 創成館高 |
6位 | 菊地大稀 | 菊地大稀 | 投手 | 桐蔭横浜大 |
7位 | 京本眞 | 京本眞 | 投手 | 明豊高 |
8位 | 富田龍 | 富田龍 | 投手 | 四国学院大 |
9位 | 川嵜陽仁 | 川嵜陽仁 | 投手 | 誉高 |
10位 | 大津綾也 | 大津綾也 | 捕手 | 北海高 |
3軍制を取っている状況下で育成選手の入れ替えが激しくなる中での、球団方針に沿った指名状況で、入団する選手たちには魅力的な選手が多い。
監督続投が噂される原監督は、90点以上と評価した。抽選で西日本工大の隅田知一郎投手を外したので、100点をつけられないと考えると、ほぼ満点の指名ができたということだろう。
ドラフト1位はまたも意外な指名
今回のドラフトで1位指名された翁田大勢投手は、スリークォーターの右腕から最速157kmのスピードを誇る、巨人は桜井俊貴投手あたりから、秋シーズンに急激に成績を上げた選手を他球団よりも高評価する傾向にある。結果はまだ伴っていないが、球団の方針であれば否定する理由はない。さらに今春に右肘の疲労骨折を経験するなど、故障があって評価が下がっている選手を指名するのも、最近は球団の方針なのかもしれない。
不安要素も有るが、是非低迷続きの巨人のドラフト1位の連鎖を、断ち切ってもらいたいと思う。
全権監督の限界
球団の選手の把握
今回の指名自体には問題は全く無いが、翁田投手の指名に関する原監督のコメントが気になった。サイド気味のスリークォーターからの速球派の翁田投手について「うちの投手にはいないタイプ。」とコメントしたが、どうだろうか。
2017年のドラフト1位の鍬原拓也投手はかなりタイプの似ている投手で、今年支配下に戻した選手だ。また昨年の育成ドラフト3位で指名した笠島尚樹投手も、発展途上の投手とは言え同タイプの投手だ。
鍬原投手は中央大卒で期待されたが、故障歴があり1軍から遠ざかっている。しかし復帰を目指している鍬原投手からしてみれば、とてもショックの大きい指名だと言えよう。結果の出せていない鍬原投手に対して奮起を促すコメントと取ることもできるが、疑問が残る。
また笠島投手は昨年育成指名された場合は、大学進学の方針を打ち出していたが、強行指名し入団にこぎ着けた経緯がある。説得にあたりご本人やご両親をどの様に指名経緯や育成方針を説明したのかはわからないが、1年後に存在を無視したような発言は、問題が有ると思う。ご両親がお聞きになったら、不安が募る指名と発言だったのではないか。
育成を含めて選手の数が増加する中で、原監督が全選手の特徴をすべて把握するのは無理があるのかもしれない。そのためこの様な発言が出てくると思うのだが、不用意な発言は避ける方法を考えないと、首脳陣と選手とその家族との信頼関係を毀損する可能性があり、原監督に任せきりの体制は無理が出てきていると思う。
全権を持つ原監督は権限移譲を
流石に昨年から原監督は、育成ドラフトに参加していない。そのため育成選手に関するデーターが欠落しているのかもしれない。この様な権限移譲をもっと行わないと、全権監督が現場まですべて仕切るのは無理があると思う。責任を取るのは全権監督だが、権限は移譲するのが大きな組織の責任者の常道だ。原監督は選手とコーチ、監督しか現場を経験していない。選手時代はサードとレフトだけで、バッテリーや二遊間などについては経験がない。通常の大きな組織の責任者は部門を任せることができる人材に、現場の権限の移譲を行い、組織と人材を育成することが大きな責務だ。実践ですべてを委任して結果に対して責任を取ることが原監督の責務で、実戦経験を任せなければコーチは育たない。今の巨人の首脳陣であれば、投手のローテーションや交代はすべて任せなければ、組織は活性化しない。大きな組織の責任者は任せることができる人材を揃える事が仕事で、あとは信じて任せなければ人材は育たないのは当たり前だ。
同様にドラフトに関しても原監督は全権監督として参加するのではなく、現場の監督としてスカウト部長に要望を提出する立場が適切だろう。
ずっと空位にしていたスカウト部長を水野さんにしたのが原全権監督の仕事で、そこから先は対等の立場でドラフトに臨むことが適切と考える。
原監督には次のステージを
原監督には上のステージに、上ってもらいたいと思う。現場の監督としては十分な実績があるのは疑いがないところだが、全権監督となると話は別だ。全権監督は決断が早くなり、効率がとても良い。しかし、それは全権監督があらゆる部門において、全能であるという条件がつく。少なくとも原監督はスカウトや投手コーチ、二遊間の守備や2軍監督について経験が殆どない。ファームで若手の育成に汗を流したこともない。一度も一軍の経験をできなかった選手の自由契約を告げたこともないだろう。肌で経験していないことには、細かい気持ちがわからない。入団時から1軍のスターで加齢により衰えるまでは、順調に登っていった野球人生だ。ファームや育成の選手の気持ちは、理屈でしか理解できないのだ。
何故巨人は失速したのか 原全権監督の憂鬱 来季の続投は有るのか
原監督は器の大きい裏表のない人間だと評判です。それだけにコメントに裏表がなく、時には不適切な発言をすることが、有るのかもしれないですね。