なんとか首位争いをしているジャイアンツですが、戦力的な優位性は見られず、リーグ全体が団子状態になっています。各チーム決め手に欠いていることがわかってきましたが、そうなると後半戦に向けて、首脳陣による選手起用などが非常に重要になってきます。ゲームの中での試合運びや、後半戦に向けての若手の育成などが、後々響いてくることは当然のことでしょう。阿部監督の采配には賛否両論があるようですが、このところ選手起用にも偏りがあるように言われており、気に入った選手を無理に使っているのではないかという疑問も出てきているようです。
ウレーニャ選手の1軍起用について
ウレーニャ選手は阿部監督が引退後に、自ら現地で見出してきた選手です。原監督のときに戦力外となり、2023年シーズンは楽天でプレーしましたが再び戦力外になり、今年阿部監督になって育成契約をしました。その後支配下登録となり1軍に呼ばれていますが、2軍での成績は79打席で打率.229、本塁打2本と成績を残せていない中での1軍登録で、贔屓が過ぎるのではないかと話題になっています。
1軍では8打席で1四球0安打となっているので、更に疑問が膨らんでいるのが現状だと思います。
何故この様に成績が残せていないのに、ウレーニャ選手は起用されているのでしょうか?
オドーア選手の帰国
一つにはレギュラーが期待されていた外国人野手のオドーア選手が、開幕前に帰国したことが理由としてあると思います。今年は春先から打球が飛ばないと言われていて、長打が魅力の巨人打線さえも長打不足に悩んでいます。当たれば飛ぶ外国人野手のウレーニャ選手が支配下登録されたのは、ある程度納得感があると思います。
外国人投手の不調
ローテーション入りが期待されていたグリフィン投手とメンデス投手が揃ってファームにいることも、大きな誤算でしょう。外国人の枠が無駄になっている中で、今のうちにウレーニャ選手を試しておきたいという考えは、あって然るべきだと思います。グリフィン投手とメンデス投手が1軍登録となれば、ウレーニャ選手を使う機会が減ってしまうことは間違いなく、阿部監督が試しておきたいという気持ちは良くわかります。他に1軍で活躍できそうな外国人野手がいないことが理由でしょう
若手外野手の伸び悩み
更に言えば岡田悠希選手や浅野翔吾選手などの若手外野手が、全くと言っていいほど成長していないことが大きな理由だと思います。2軍の成績を見ていると、ウレーニャ選手よりも数字を残している若手外野手は見当たりません。ウレーニャ選手も数字を残していませんが、それよりもひどい状況では上げるだけ時間の無駄でしょう。
ヘルナンデス選手のケアも必要
現在ブレイク中のヘルナンデス選手ですが、ウレーニャ選手がベンチにいることは大きな助けになっているはずです。特にオドーア選手が開幕前に帰国したことは、ジャイアンツにとって大きな教訓になったと思います。来日して間もないヘルナンデス選手にとって、同じ外野手のウレーニャ選手が一緒にいることは、とても大きな事だと思います。ヘルナンデス選手も日本の生活に慣れるまでは、寂しい思いもするでしょう。人は見かけで判断してはいけませんが、とても真面目そうに見えるヘルナンデス選手がいつ壁にぶつかるかはわかりません。実力を発揮する前に帰国してしまったオドーア選手も、真面目な性格が故にメンタルが持たなかったかもしれません。ウレーニャ選手には失礼な言い方かもしれませんが、逆に言えばチャンスであるとも言えます。プロなのですから青臭い議論は必要なく、結果を出すチャンスをもらえていると、ポジティブに考えて頑張ってほしいと思います。
内部情報はわからない
外部から見ると不可解な起用も、内部にいれば理由が見えてくることがあるはずです。これは一般社会の組織でも同じことで、内部情報が漏れてしまうような組織は問題ありです。ファンから見れば不可解な起用も、ペラペラ内部情報を喋る人間がいないと、前向きに受け取るべきだと思います。
当然監督の好みの問題はあります。好き嫌いによる起用は当然あると思います。逆に言えば選手は監督の好みの選手にならなければなりません。これは企業でも同じで、上司が変われば仕事のやり方が変わるのは当たり前のことです。何でもかんでも上司に従うことは必要ないと思いますが、逆らう必要は無く、起用に対して不平不満を言うことには、まったくメリットはありません。短い選手生命の中で、首脳陣に対して逆らうことは無意味に近いと思います。もっといえば首脳陣に気に入られることも、その選手の能力と言っていいでしょう。
原監督から阿部監督になって目指す野球がガラッと変わりました。当然選手起用も変わってきます。しかもファンには判らない内部情報があるのは当然のことで、あれこれ言うべきではないと思います。
もっといえば、若手外野手がこの機会を活かせていないのが、何より残念だと思います。
ファームの若手外野手は大きなチャンスを逃したと考えていいでしょう。