松井秀喜臨時コーチの説得力 実績に裏打ちされ若い選手が受け入れる

松井秀喜さんがジャイアンツの宮崎キャンプに、6年ぶりに臨時コーチとして帰ってきました。1日目から多くの選手が助言を求め、それぞれに対して丁寧に答える姿が印象的で、人柄が良くうかがえる印象でした。松井さんがインタビューで答えたように、少し助言したぐらいですぐに結果が出るわけでは無いのですが、2日目の紅白戦では既に効果が出ているようで、コーチングの説得力は驚くべきものでした。

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早速効果が出た秋広優人選手

効果が出たと言っても2安打できたという結果ではありません。松井さんのコーチングによる結果は構えと始動など、選手がすぐにでも変えられるところを変えてきたところです。

秋広選手はまだまだ体幹などが弱く、スイングスピードが(ヘッドスピードではなく)足りないところがあります。簡単に言えばバットを振る力が弱いので、速球に遅れがちです。そのためバットの重さを活かして最短距離にバットを出すため、ダウンスイングがきつくなっています。さらに身長が2mを超えておりその上にグリップ位置が高いため、極端なダウンスイングになっていました。レベルに振ると体を揺さぶってスイングするため、スウェーしてしまうのも大きな欠点でした。阿部監督には何度も欠点を指摘されているにも関わらず、直ぐに戻ってしまうことをコメントされています。

しかしこの日の紅白戦ではグリップ位置が下がって、レベルに振れるように改善されていました。さらに体重が前にかかってスウェーする悪癖も同時に改善されていました。調子の良いときはスウェーしていなかったのですが、それがまたこのキャンプの第1クール目では大きなスウェーをしていました。しかし今日の紅白戦では、スウェーが抑えられていたのです。このあたりはオフの間の肉体強化の効果もあったのかもしれませんが、スウェーせずにレベルにスイングできるように紅白戦ではなっていたのです。

素直に聞くことができるコーチング

昨日同じように指導を受けていた星稜高校の後輩の山瀬慎之介捕手も、おそらくスウェーを指摘されていたようで、その日のロングティーで効果が出たようです。結果云々よりも選手本人が、早速指導を自らのスイングに落としこんで、実行しているところに効果が出ていると言っていいでしょう。5日だけの臨時コーチなのでここから続けていけるかは、個々の選手の努力にかかっているとは思います。それを実行できたのは坂本勇人選手であり、岡本和真選手であったのではないでしょうか。

秋広選手や山瀬選手がオープン戦などで同じことを継続できるかが、注目されます。

松井秀喜さんの説得力

阿部慎之助監督は、今現在日本のプロ野球チームで打撃を教える指導者としては、トップクラスの実績を持っています。しかし阿部監督は昨年秋広選手を指導するに当たって、”あれだけ大きい選手の指導法は手探りだ”という旨のコメントをしています。おそらく身長の高さからくるダウンスイングについて言及したものだと思います。

松井さんは2mを超えるメジャーの本塁打王アーロン・ジャッジを、指導した実績があります。実際に秋広選手と同じ様な身長の選手を指導したという実績は、当然説得力を増します。阿部監督は稀代のスラッガーですが、さらに松井さんのコーチングは秋広選手には説得力があったのかもしれません。

また、松井秀喜さんは人格者としても有名であり、さらに説得力が増しているのは間違いないでしょう。

進化する野球と進化するコーチング

野球は日々進化しています。メジャーリーグも進化のスピードを上げています。小さく変化するムービングファーストボール全盛の時代にアッパースイングが隆盛となり、その対策として数年前から投手は高めにフォーシームを投げるようになってきました。これからはアッパーではなくレベルスイングに傾向を強めていくでしょう。さらに投手のストレートはどんどんスピードを上げています。当然昭和の時代のようなタイミングでは、ストレートを弾き返せなくなっており、日本では3割打者が本当に少なくなりました。当然昭和の時代のコーチングは古びたものとなり、その時代のコーチングは使い物にならなくなります。

今もなおニューヨーク・ヤンキースで打撃をコーチングしている松井さんは、最新のコーチングを目の当たりにしており、日本の選手からすれば、誰もがコーチを受けたくなり、素直に信じることができる説得力を持っていると思います。

昭和の時代の実績もないコーチがいくら言っても半信半疑であった選手が、松井選手の言うことを素直に取り入れることができるのは、当たり前のことでしょう。

コーチにも良い教材の松井秀喜

アメリカのコーチングはこれからの日本でも大いに取り入れなければならない要素が多く、日本のコーチも変わらなければなりません。昭和の頃のやらせるコーチングは、今の時代にはリスキーと言わざるを得ません。ジャイアンツの選手はもとより、コーチたちも松井さんの手法、ヤンキースの手法は大変参考になるはずです。そしてその手法はメジャーを身近に感じている最近の選手たちにも、大変説得力を持つことになります。

今回の松井さんの臨時コーチは、選手だけではなくコーチにも良い影響を及ぼすのではないでしょうか。

メジャーを目指す岡本和真選手

大谷翔平選手はメジャーでは長距離打者として大成功を収めていますが、残念ながら長距離打者で成功しているのは大谷選手だけです。次に注目されるのは岡本和真選手と村上宗隆選手で間違いないでしょう。まだジャイアンツの若手中心に指導をしている松井コーチですが、岡本和真選手がメジャー移籍を視野に入れた中で、どの様な影響を受けるのか注目されます。

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