2025年スーパーボウルはイーグルスがチーフス撃破 マホームズ沈

最終的な点差は22対40でしたが、前半終了時に24対0となり、大勢が決してしまうという状況でした。最終的にスコアを戻してはいますが、これはイーグルスが守備を緩めたあとの得点で、実際はイーグルスの圧勝でした。ゲームのアヤで展開が一方的になったという感じではなく、トレンチを制したイーグルスが実力通りに勝ったと言っていいでしょう。

イーグルスの強力パスラッシュ

これまでもチーフスの両Tの弱さは指摘されており、その弱さを上手くマネイジして勝ち進んできたチーフスですが、今日は力の差があまりにも大きくて、さすがのマホームズでもいかんともしがたい状況となってしまいました。”マホームズも人間だった”という声もでているほどですが、それもイーグルスのデフェンスラインが、プラン通りのラッシュを続けたからだと思います。

イーグルスもこれほど簡単にプレッシャーが掛かるとは思っていなかったのではないかと疑うほど、チーフスのオフェンスラインが脆弱でした。通常の試合運びであれば、直線的にプレッシャーを掛けるブルラッシュのみではプレッシャーがかからないので、クロスをしたり大きく外を回ったりして、QBにプレッシャーを掛けるのですが、QBマホームズはDEの逆を取るのが上手く、上手にかわして投げることがQBマホームズの大きな特徴の一つでした。しかし今日の試合は、イーグルスのEDGEが直線的に距離を詰めたので、QBマホームズに時間を与えませんでした。しかもブルラッシュによってオフェンスラインが竿立ちに近い状況となり、QBマホームズの視界が遮られてしまっていました。あれだけプレッシャーがかかれば、自然と後ろ体重となり、強い球が投げられません。2つ目のインターセプトはブルラッシュで竿立ちになったオフェンスラインが、QBマホームズを押してしまったために、ショートパスが乱れてピック6につながってしまいました。

頼りにしているTEトラビス・ケルシーも軽くブロックしたあとに振り返るのですが、その時にはQBマホームズは捕まりかけていて間に合っていませんでした。

弱いレイダースがチーフスに勝ったことがありましたが、あの時もDEマックス・クロスビーとDEマルコム・クーンスが強力なプレッシャーを掛けてサックを量産したことが大きな要因でした。しかし今日のイーグルスは更に強力で、規律を守ったラッシュが特徴的でした。何処のチームのスターEDGEも、ある程度の規律は守るものの、あの手この手でオフェンスラインを翻弄したがる傾向にあると思うのですが、今日のイーグルスのラッシュはチームでQBマホームズを包囲する戦略が明確で守られていました。今日の複数サックをした選手たちは、どちらもドラフト中位での指名であり、イーグルスのスカウトと、選手育成がしっかりしたものだと証明されました。

イーグルスは我儘なプレイヤーが少ない

イーグルスにはオールプロのファーストチームに、RBセクワン・バークリーとLBザック・バウンしか選出されていません。RBはドラフト1位の大スターですが、LBバウンはドラフト3位でセインツに入団した苦労人と言えます。スーパーボウルでの活躍も素晴らしく、イーグルスディフェンスを支えていました。2つ目のインターセプトは泥臭く球際の強さを存分に見せてくれました。あのインターセプトでQBマホームズは大きなダメージを食らったことは間違いありません。

スターWRにはボールが回ってこないことに不満を漏らす選手が数多くいますが、A.J.ブラウンもダボンテ・スミスもそういった選手ではないようです。オールプロのセカンドチームに選出されているWRブラウンでさえ、67回1079ヤードと目立つ数字ではありませんが、クラッチキャッチャーであり、デコイとしても存在感を発揮しており、相手チームからは常にマークしなければいけない存在です。このあたりも首脳陣の教育が行き届いており、このスーパボウルでの勝利により、更に選手の我儘は無くなっていくでしょう。

もしこの状況が続くようならば、2年後に今日のメンバーが他チームに流出してもドラフト中位の選手をきっちりと教育して、新たなチームを作ることができるのではないでしょうか。

QBマホームズは衰えたか?

結論から言えば全くそんなことはないでしょう。QBとしてはむしろこれからが、円熟期と言っていいと思います。ただ、年令を重ねているので怪我のリスクが増大してくるのは間違いありません。今日のオフェンスラインのように脆弱であれば、アクロバティックなプレーを続けることは非常にリスキーで、これからはチーフスはもう少しオフェンスライン、特にTに投資をする必要が出てくると思います。更にTEケルシーの後釜は見つからないでしょうから、プロテクションのスキームも考え直す必要に迫られていると思います。攻撃の手数はとても多く、パスの受け手はたくさんいますが、泥臭いブロックをしてくれる選手がいないと今日の試合のような展開を打開できないかもしれません。

2025年のドラフト

今日のチーフスの敗戦で、EDGEラッシャーの価値がまた上がったと思います。QBに人材が乏しい中で、EDGEラッシャーの上位指名が再び増えてくるのではと考えています。AFC西のブロンコスとチャージャースは今日の試合の影響で、EDGEラッシャーの強化に投資を多くするのではないかと思います。

レイダースのデフェンスラインには人材は揃っているので、デフェンスラインコーチのレナードの手腕が期待されるところです。

本日のG+の放送について1ファンからのコメント

今日のG+での実況は、目線がチーフスに集中していて、イーグルスに対するコメントが少なすぎました。G+はカンサスシティーのローカル放送局ではないので、公平な放送が望まれます。チーフスファンを公言する村田さんが解説をするならば、せめて副音声で公平な解説を入れてほしいと思います。実況のラルフさんも公平性にかけていているように聞こえ、後半から参加した有馬さんが困っているように見えました。村田さんよりも遥かに長くNFLを見ているファンも日本にはいることを、もう少し考慮していただけるとありがたいと思います。

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