WBC優勝を飾った侍ジャパンですが、栗山監督の辞任後の後任監督の人選が注目されていました。野球は柔道などと同じように、優勝が最低条件となっている、重い責任が監督にかかる重要なポジションです。ここまでまだ代表が決まらないのは、なかなか受けてくれる能力のある人材がいないということでしょう。高橋由伸さんは現役時代の実績や巨人での監督経験など、栗山前監督と比べても見劣りがしない人材ではあります。
巨人・原監督は続投が決まった？
この時期まで侍ジャパンの監督が決まらない背景には、プロ野球の監督の椅子の行方が影響しているのでしょう。高橋由伸さんは現役引退から準備ができないまま監督に就任して、悔いが残る部分が大きかったと思います。監督としてとても大切なスタッフ選びも、原監督の影響が強く残り、40歳と若かった高橋由伸さんの年下の指導者もいなかった状況で、思い通りの野球ができたとは、到底思えません。
一般社会でも部下が全員年下では、難しいことこの上ないですよね。
その後ネット裏からの活動で勉強が進み、「本人も負けたままで終われない。」と、再挑戦の意思表示をあらわにしています。年下の指導者も育ってきている中で、高橋由伸さんの人脈も広がっており、捲土重来という気持ちは強くなってきているはずです。
六大学の三冠王で慶應義塾大学卒である高橋由伸さんは、ジャイアンツの監督としては数少ないドンピシャの人材です。当然原監督の後任レースの筆頭と見られていたと思いますが、ここにきて侍ジャパン監督就任となれば、日本でのWBC主催者である読売グループの意思が強く働いており、ジャイアンツの次期監督の目がなくなったという判断が有ったのではないかと推測できます。
現在ジャイアンツはペナントの奪還が極めて難しい状況となり、原監督の続投は微妙な状況ですが、辞任の場合の後釜も既に決まっている故の、高橋由伸氏の日本代表監督就任だと思われます。
代表監督に必要な能力
高橋由伸さんは現役時代に外野手であり、投手や内野手について十分な知識がなかったと思います。特に投手交代などは、今でも難しいと思います。しかし、高橋由伸さんには前回の巨人の監督時代の経験があり、任すところは任す事ができるのではないかと思います。その意味では代表監督に必要なものは、任すことができる度量と、任すことができる人材を集めることができる人望だと思います。その点高橋由伸さんは、十分な人材が確保できるではないかと思います。
投手コーチは上原浩治さん
コーチとしての実績はありませんが、MLBの経験が有り、先発・中継ぎ・抑えのすべてのポジションで日米での実績がある上原さんは、任せておける人材ではないでしょうか。明るいキャラクターは高橋由伸さんを色々な意味で支えてくれるはずです。
上原さんは代表選手としても、当時最強だったキューバ代表チームの連勝を止めるなど、伝説的な活躍をしており、投手コーチとして任せておける人材だと間違い無く言えるでしょう。上原さんも盟友である高橋由伸さんの監督復帰を待っている様に見え、コーチのオファーを断っているとも言われています。侍ジャパンの投手コーチにMLBワールドシリーズの胴上げ投手が就任するとなれば、アメリカでも話題になるはずです。
内野守備・作戦コーチは井端弘和さん
井端さんも高橋由伸さんの盟友です。高橋由伸さんの引退に引き摺られるように引退して、巨人のコーチとして高橋由伸さんを支えた経緯もあります。井端さんも中日からのコーチ就任要請が有ったかもしれず、高橋由伸さんの監督復帰を待っていたのではないでしょうか。第一次高橋政権の失敗をともに経験した事は、何物にも代えがたい絆となっているでしょう。
井端さんであれば代表のコーチとしての実績もあり、内野守備や作戦面では全面的に頼れる人材であると思います。井端さんもまた明るいキャラクターで、短期決戦では侍の頭脳として力を発揮できる数少ない人材でしょう。
上原さん、井端さんは高橋由伸さんと同い年の人材です。3人とも大学野球で切磋琢磨した人材で、明るいチームが出来上がるのではないかと思います。
短期決戦は首脳陣がいかにモチベーションを上げるかが重要であり、結局勝敗は選手次第です。出来上がった選手を起用するのですから、首脳陣は選手を信頼して、コンディションを整えていくことが、勝利への近道ではないかと思います。
グラウンド外でバックアップできる人材
あとは難しい時期のWBCに、各チームが選手を出してくれるかが重要でしょう。読売主催のWBCで、読売出身の監督の状況を、快く思わないチームが出てくると、折角のムードに水をさすことにもなりかねず、注意が必要だと思います。故障などが原因で選手の辞退が出ることは仕方がないかと思いますが、その他の余計な思惑で選手が集まらないようでは、盛り上がらないことになりかねず、根回しは重要になってくるかもしれません。そのあたりの寝技は高橋由伸さんには絶対に無理だと思います。組閣や選手集めの際に、グラウンド外で力を発揮する背広組の参謀が必要になるのではないでしょうか。
こういった人材はなかなかユニフォーム組には、いないのではないかと思います。
MLBとの交渉役
もう一つ重要な人材が必要です。MLBの各チームとの交渉が細かくできる人材も、必ず必要になります。MLB各チームは選手の派遣や、コンディション作りに細かい注文をつけてきます。高橋由伸さんにはその辺りの交渉が可能な人材の人脈がないかもしれず、上原さんや松井秀喜さんの人脈を頼ることになるかもしれません。とても重要な部分だと思います。
