巨人の4番岡本和真選手は、実績から言えば十分に成長を続ける若き4番バッターといえます。5年連続30本塁打、2年連続2冠王と、既にスーパースターの入り口に立っていると言っていいと思います。しかし、チームが不調であることも手伝って、その評価は上がっていないように思います。
3冠王村上宗隆選手の存在
良きライバルと見られていたヤクルトの村上宗隆選手が、あっという間に上のステージに登っていってしまいました。2022年シーズンは二人の激しいホームランダービーが期待されましたが、実際は4コーナーの手前で勝負がついてしまいました。
岡本選手がコメントしているとおり、村上選手が比べられるレベルではなくなってしまった様です。
ただ侍ジャパンなどでの様子を見ていると、村上選手と岡本選手の関係性はとても良いようで、そのあたりは一時代前の選手たちとは違うのでしょう。
そして侍ジャパンでの評価や結果を踏まえた中で、岡本選手の言動が変わってきていると感じる点も少なくありません。
岡本選手は受け答えがユニークで、質問に対して正面に立つことが少なく感じます。昭和の頃ならば、”そんな事訊いてない”と一括されそうな言動が多く、それが魅力の一つではあります。平均年齢の低いプロ野球と言う社会の中でも。まだ年下の部類に入る年齢であったので、十分許されていたと思います。
しかし、年下ではありながら、言動にストレートさを感じさせる村上選手の出現に、岡本選手は感じ入るものがあったのではないでしょうか。
26歳でキャプテンは重責か?
岡本選手は26歳でキャプテンに就任しましたが、決して早すぎることはありません。23歳の戸郷翔征投手が今年から投手キャプテンを務めるのですから、もう少し早くても良かったのではないでしょうか。
のんびりして見える岡本選手には、村上選手や戸郷投手の大人びた振る舞いは、刺激にならない筈はありません。
人それぞれ個性と言うものがありますが、寧ろ育って来た環境が大きく左右することは、間違いないでしょう。
26歳といえば一般社会では新入社員に毛が生えたあたりで、ひよっこです。当然岡本選手の周りの一般人も同じでしょう。そんな環境で育っていれば、普通に考えれば岡本選手の言動は理解ができます。寧ろジャイアンツという4番を任され、多くのファンや関係者の注目を集める中で、押しつぶされずにやっていることのほうが驚きです。
岡本選手にも若くして活躍する中で、多少斜に構えなければやりきれないところもあったのではと邪推してしまいます。
今年の急成長が予感される
今年は岡本選手が精神面でも、急成長するのではないかと思います。
今までは年上の選手ばかりが目立つジャイアンツの中で、大人になりきれないことが普通だったと思います。
ただここに来て年下の村上選手や戸郷投手の成熟度に、遅れを取っていることを感じているのではないでしょうか。
幕末の志士となれ岡本和真
古い話ですが、土方歳三が新撰組の副長になったのが、28歳の歳です。
坂本龍馬は17歳で江戸に来て、31歳で亡くなっています。
時代背景があまりにも違いますが、あの頃は20歳で大人になった時代でした。組織の長も20代の前半で十分になった時代です。維新の新政府にも20代の若者が幹部として、数多く就任していました。人間が環境で変わるということは頭では理解できますが、自分に置き換えてみれば想像もつかないことです。
今、岡本和真選手は、そういった若いリーダーに囲まれ、環境が激変した状態ではないでしょうか。高校時代とそれほど変わらない内面が、ジャイアンツで成績を残し、ライバルが成長する中で、少し時代に取り残されてしまった状態かもしれません。
今年その状態を理解している岡本選手が、どの様な言動をして、どの様な成績を残すのか。ジャイアンツファンだけではなく、プロ野球ファンにとっても、楽しみな一年になるのではないでしょうか。
はぐらかす受け答えではなく、リーダーとして正面を向いた受け答えをしてもらえるようになってほしいと、個人的には期待しています。これはファンだけではなく、チームリーダーとして仰ぐジャイアンツの後輩たちも期待しているのではと推測します。
急には変われないのが普通
そうはいってもキャプテンになったからといって、急に変わることは難しいかもしれません。ただ、一般の社会人と違い野球選手の現役はあまりにも短いので、時間を無駄にしている暇はありません。岡本選手は頭の良い選手のようですので、余計にいろいろ考えてしまうこともあるでしょう。岡本選手の前のリーダーであった坂本勇人選手のやり方に左右されること無く、岡本選手の精一杯のキャプテンシーが見られることを願っています。その先には坂本選手にはできなかった、キャプテンでの日本一が待っているかもしれません。
個人的にはは日本一を達成した後に、メジャーでの挑戦を見てみたいと思っています。