巨人の長期戦略の命運を握るスカウト陣の成果 今年の結果が大切

昨年のドラフト1位の翁田大勢投手が大活躍をしてジャイアンツのスカウト陣は、久々の大きな成果を挙げました。3位の赤星優志投手も期待させる内容で、楽しみな2023年シーズンになりそうです。しかし、本当に期待できるのは2022年のドラフト組ではないでしょうか。

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2022年ドラフトは水野スカウト部長体制

2021年ドラフト直前に、水野スカウト部長は参与から昇格して就任しています。つまり2021年のドラフトは、水野スカウト部長体制の成果とは言い難い状況でした。推測でしかありませんが、大切なドラフトの直前に、スカウト部長が代わるということは、組織として普通では無かったのでしょう。むしろドラフト直前にも関わらず、交代せざるを得なかった理由があったはずです。そんな状況であれば、体制として万全とはいえない中で行われたドラフトで、翁田大勢投手を指名できたことは、僥倖に近かったかもしれません。

しかし、2022年のドラフトは、1年間水野スカウト部長体制で活動してきた成果であり、期待が膨らみます。

方針転換がされた指名傾向

水野スカウト部長体制になって、どの様に代わったのでしょうか

早めの指名決定

2022年ドラフトでは早々に浅野翔吾選手を指名宣言しましたが、例年直前まで1位指名が決まらないジャイアンツとしては、とても珍しい方針決定でした。

過去には直前の指名決定によって裏切られたと思うアマチュア選手もいたようですが、今年は12球団の中で最初に指名決定をしたのではないでしょうか。これは原監督が全権を握っているという要素も確かに影響していると思いますが、それと同時に水野スカウト部長体制を原監督が信頼していることの現れなのではないでしょうか。

原監督自身はドラフトでくじ運があまり良くなかったので、競合を避けたかったという思惑もあったのかもしれません。しかしペナントの順位が悪かったので、初めて当たりの入った箱を引くことができ、自らの手で浅野翔吾選手を引き当てました。

小柄の選手の指名

ジャイアンツは上位では大型の選手を指名して、小柄な選手を指名することは殆どありませんでした。2007年の藤村大介選手は173cmですが、この時は大学社会人と分離ドラフトでした。また、高校生外野手の1位指名はジャイアンツ史上では初めてということで、大変注目されます。

スター選手の指名

ジャイアンツの最近のドラフトは、スター選手を指名できていませんでした。甲子園のスターを指名には、いっていたのですが、尽くくじ運に見放されてきています。また、小柄な甲子園のスターは見送る傾向が強く、浅野選手の指名はそういった意味からも意外な感じでした。

最近は観客動員数も阪神に遅れをとるなど、人気にも陰りが見えることなどから、スター選手の指名に踏み切ったのかもしれません。

2位指名の萩尾匡也選手も、神宮の三冠王で慶応大出身とスター性は抜群です。1997年ドラフト1位の高橋由伸選手まで遡る、神宮のスター選手の指名です。ジャイアンツファンの夢が広がるのは、間違いありません。

昨年もドラフト中位から下位で甲子園で活躍した投手を指名していますが、これからもこの傾向は続くのではないでしょうか。これまでは1位を外した後に、最終学年で伸びた選手を指名してきましたが、あまり結果が出なかったことも影響しているのかもしれません。

水野スカウト部長の相馬眼

これはこれから結果が出てくるかもしれません。特に今年のドラフト中位以下の選手に注目が集まります。少なくとも一時期のように、指名した選手が入団後にすぐ故障するようなケースが見られなくなっただけでも、改善が図られていると思います。

また、水野部長は甲子園のスターで、指名挨拶も原監督が出馬する必要が無くなりました。最終確認などに現場に行ったときも、アマチュア側の受ける影響は強く、適任と言えるかもしれません。明るい性格でスカウト陣の立て直しに、現時点では最適の人選と言えるのでしょう。

米国OBスカウトの成果

2021年6月に設置が発表された米国OBスカウトですが、真価を発揮するのは2023年の新外国人からとなるのではと予想しています。

今年実績のあるメルセデス投手やポランコ選手を思い切りよくあきらめたのも、今年取れる見込みの選手にある程度自信があることの表れではないかと、とても期待しています。DH制があるとはいえロッテが飛びついた2選手以上に期待値が高いということは、原監督が米国OBスカウトを信頼していることの証だと思います。原監督はスタッフに任せることができる傾向にあるので、任された方は責任重大です。外国人は早ければ6月には結果が見えてくると思いますので、序盤は特に注目に値すると思います。新しく生まれたこの制度が、拡充されるのか縮小されるのか、ジャイアンツの不沈の鍵を握っていると言えるでしょう。

原監督のもと次々とテコ入れをされたスカウト陣ですが、中長期的にも短期的にもジャイアンツの強化戦略の根底を担っていることは間違い有りません。

ハスキー
ハスキー

今年はファームも含めて公式戦が楽しみですね。

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