10年間海外駐在をした経験から考える 子供の英語教育

サラリーマンとしては珍しく、10年間を海外で駐在経験をしたのですが、家族は幸運にも殆どの期間帯同してくれました。私の英語力は駐在が始まった当初はかなり伸びましたが、発射台が低かったことが大きな要因だと思います。しかし英語で仕事をする期間が日本勤務時代を含めると、かなり長かったのですが、発音はネイティヴとは程遠いものがあります。私の場合は英語はビジネスツールとして使っていましたので、ネイティヴとのコミュニケーションさえできれば良いと割り切れるものでした。

それでは帯同してくれていた子供の英語力は、どうなったでしょうか。

また、どの様な考え方のもとで子供の言語教育を考えていたのかまとめてみたいと思います。

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幼稚園選び

海外で幼稚園を選ぶ場合、国にもよると思いますが、私の駐在地は東南アジア2カ国とアメリカで、日本人専用の幼稚園は見つけることができませんでした。当時の東南アジアの日本人駐在員のお子様たちは、インターナショナルの幼稚園に入れるのですが、欧米人のご子息はアメリカンスクールに入るのか、あまり見かけませんでした。半分以上が日本人のお子様たちでしたが、外国人との英語でのコミュニケーションはあったと思います。

小学校選び

一番迷うのが小学校選びだと思います。子供の言語は10歳までに大部分が出来上がるらしく、バイリンガルになるためには10歳までに、外国語環境にいることが必要になるようです。小学校をインターナショナルに入れてしまえば、バイリンガルになる可能性は高いのですが、ここで問題があります。子供を小学校1年生からインターナショナルに入れたとしても、英語が定着する10歳までに、その環境を離れてしまうと、英語を忘れてしまう可能性が極めて高くなるらしいです。私の職場にも幼い時に海外で英語環境で暮らしていたが、小学校の低学年で帰国したので、すっかり忘れて使えなくなってしまった女性がいました。その女性の英語は発音がネイティブのようでしたが、読解能力や会話能力は普通の日本人とあまり変わりがなかったと記憶しています。

つまり10歳以降まで英語環境にいないと、英語能力を獲得することが難しいことになります。

母国語の形成

アメリカに駐在していた時に、お取引先の先輩駐在員に学校選びでアドバイスされたことがあります。小学校を現地校にいれて、10歳以前に帰国した場合、英語を獲得できないばかりか、母国語である日本語の形成に負の影響があると言われました。母国語が十分に発達しないと、その後の学習能力に影響があると言われ、その先輩駐在員は日本人学校に通わせていました。なんでも現地校に通わせるのではなく、小学校の場合は、帰国のタイミングなども考えて学校選びを慎重にする必要があるということです。

アメリカには各地に日本人学校もあるので、現地校に入れるか日本人学校を選ぶかは親の選択になります。月曜日から金曜日までは現地校に入れて、土曜日の補講だけを日本人学校に通わせたりするなど、勤務地の環境の許す限り、親御さん達は子供の教育に力を注いでいました。

日本人学校まで片道2時間近くを掛けて通わせるご家庭などもあり、駐在員もなかなか大変だった思い出があります。

中学校は現地校が充実しているアメリカ

地域にもよりますが、ニューヨークでは日本人のお子さんはとても多かったと思います。

ある地域の現地校では日本人の学生がとても多く、日本人で固まってしまって折角の環境を活かせないと言う事情がありました。学校の環境は駐在している国や地域によって大きく事情は異なります。日本人駐在員が比較的多い東南アジアや欧米の主要都市では、選択肢があると思いますが、場所によっては現地校一択になる場合があり、現地校の外国人に対する受け入れ体制もかなり違うので、慎重に選ぶ必要があります。

どこの国でも中学生までは現地での教育が行き届くケースが多いので、ネイティブの発音が獲得できなくても、質の良い英語力を獲得できるのではないでしょうか。

高校生の現地校

高校生の日本人は極端に少なくなります。

ニューヨークの現地校の場合は、小学生は地域によって日本人が半分を占めてしまい、現地で制限をかける議論がされるほどでした。しかし中学生になると受験体制の準備もあるためか、とても少なくなってしまいます。

そして高校生になると、殆いなくなってしまいます。

学年で1〜2人になってしまうこともあり、かなりの覚悟が必要です。

主要都市では日本人用の塾がありますので、受験体制には大きな支障はでません。しかし人数が少ないので学校生活は、精神的にきつい場合もあるようです。

特に私の周りでは、男の子には難しいケースが多く見られ、女の子は比較的自然に溶け込めることが多いようです。

ただ、どこの学校に通っても人間関係で難しいことは起こります。日本の学校でも同じだと思いますが、人種や宗教の違いなどがそこに重なるので、途中で投げ出さないような体制を作ってあげないといけないと思います。

英語力は発音は微妙ですが、十分に使えるレベルになります。母国語である日本語がしっかりと形成されている後なので、論理的思考も十分にできる中での外国語の取得は、結果的に良い方向に行くと思います。

いずれにしろ、海外に駐在員として派遣される場合、現地の情報と自分のキャリアパスを十分に考えて、家族の帯同を考えるべきです。子供の年齢が10歳まで駐在できないのであれば、現地校への入学は熟考が必要だと思います。

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