阪神の岡田彰布監督の就任が決まり、巨人の原監督が突出して年配だったセ・リーグの監督の景色が少し変わってきました。岡田監督は原監督より一つ年上の65歳で、若返りの波をストップすることとなりました。オールドファンの間では、実績のある岡田監督が阪神監督に就任することになって、歓迎ムードが強いようですが、十分に戦力のある阪神で岡田監督が結果を残すことが出来なければ、プロ野球界の世代交代は一気に進む可能性があると思います。
「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」ポルテベースボールスクール岡田監督の就任で世代が分かれたセ・リーグ
各球団の監督の年齢を見ると、3つにきれいに分かれました。60代中盤の阪神と巨人、50代前半のヤクルトと中日、現役を離れて間もない40代の広島と中日です。
その中でも阪神と巨人の監督が少し離れている状況です。
球団名 | 氏名 | 誕生日 | 年齢 | |
ヤクルト | 高津臣吾 | 監督 | 1968/11/25 | 54 |
DeNA | 三浦 大輔 | 監督 | 1973/12/25 | 48 |
阪神 | 岡田彰布 | 監督 | 1957/11/25 | 65 |
巨人 | 原辰徳 | 監督 | 1958/7/22 | 64 |
広島 | 新井貴浩 | 監督 | 1977/01/30 | 45 |
中日 | 立浪和義 | 監督 | 1969/8/19 | 53 |
昨年のセ・リーグは54歳の高津監督が連覇、パ・リーグは53歳の中島監督が連覇ということで、少しずつ世代交代の波が押し寄せているようにみえるプロ野球の首脳陣ですが、その波に逆らっているのが阪神の岡田彰布監督と巨人の原辰徳監督という図式になっています。昨年までは巨人の原監督が突出して年齢が上でしたが、岡田監督の参戦によって世代間の争いも明確になってきました。
岡田監督の参戦によって原監督も、息を吹き返したような印象さえ受けます。
阪神と巨人が失速すれば世代争いに終止符
優勝を争えるチーム力のあった巨人がここに来て急激に失速をし、昨年優勝争いを繰り広げた阪神が優勝争いから脱落するようなことがあれば、監督の世代交代は一気に進むと思われます。
ただでさえスポーツ界を取り囲む環境は大きく変わっています。古い考え方の指導者は次々と淘汰されており、その過度期の中でパワハラの問題などが各スポーツ界で発覚しました。
特にアマチュアスポーツ界は一般社会から隔絶されやすく、問題が一気に吹き出した感があります。
プロ野球はメディアやファンの視線に常にさらされており、大きな問題は余り出てきていませんが、それだけに古い時代の指導者は戸惑うことが多いようです。
岡田監督や原監督は古い時代の首脳陣であり、見方によっては立浪和義監督もオールドスクールスタイルと言っていいでしょう。昨年は中日の波瑠コーチのベンチ前での激が問題視されていましたが、あの程度の激が問題になるのであれば、古い時代の指導者は辛いところでしょう。
しかし、あの程度のことを一般社会で上司が部下に対して発言すれば、パワハラ問題に発展する可能性はとても大きいといえます。
阪神、巨人、中日が揃って下位に沈むようなことがあれば、所謂オールドスクールスタイルは、現状では通用しないものとされてしまうかもしれません。
親会社の古い体質
阪神と巨人は伝統球団であり親会社の歴史も長くありますが、最近のペナント争いでは、ソフトバンクや楽天、DeNAなどの新しい産業が好成績を残しています。巨人、中日、広島などの古くからある産業を親会社に持つ球団は、親会社の業績につられて球団の成績も伸び悩んでいるように見えます。親会社の社員の年齢構成も新しい産業と伝統産業では差があることは当然のことでしょう。
球団社長も2極化の様相
野球と本業は違うという見方もありますが、球団社長も2極化しているようです。
球団名 | 氏名 | 誕生日 | 年齢 |
ヤクルト | 衣笠剛 | 1949/1/21 | 73 |
DeNA | 木村洋太 | 1982/7/3 | 40 |
阪神 | 杉山健博 | 1958/11/20 | 64 |
巨人 | 今村司 | 1960/5/10 | 62 |
広島 | 松田元 | 1951/2/11 | 71 |
中日 | 吉川克也 | 1956/5/16 | 66 |
オリックス | 湊通夫 | 1962/10/20 | 60 |
ソフトバンク | 後藤芳光 | 1963/2/15 | 59 |
西武 | 奥村剛 | 1967/7/8 | 55 |
楽天 | 立花陽三 | 1971/1/10 | 51 |
ロッテ | 高坂俊介 | 1962/2/28 | 60 |
日本ハム | 川村浩二 | 1961/1/17 | 61 |
パ・リーグは比較的若い世代でまとまっており、パ・リーグTVなど放映権の問題も一致団結して取り組んだ結果が出ているようです。観客動員数などもフランチャイズ制を徹底した効果などが出ており、比較的順調です。
しかし、セ・リーグは年齢差がとても大きく、最大で33歳の開きがあります。
TVの放映権の問題や、DH制の問題など、セ・リーグは既得権益の問題などが有り、身動きができない状況が続いています。社長の年齢がすべての指標にはなりませんが、親会社の人事からの流れも鑑みれば、ある程度の目安にはなるでしょう。
改革が進まないプロ野球
プロ野球が今ひとつ発展しないのは、MLBと違い改革を否定し拡大路線に反対する勢力が幅を利かしているからだと思います。支配下枠の問題やDH制の問題など、資金の問題で反対する球団があるのであれば、スポンサーを見つけるか、経営を交代するなどして力のある企業や団体にサポートしてもらうべきでしょう。
正力さんが各企業にお願いして発足したプロ野球ですが、創世記は遥か昔です。親会社の負担軽減のために拡大を否定するのであれば、発展は出来ないでしょう。