NPB監督の現役ポジションは何処が最適か?現状は投手出身が好成績

ペナントの行方が見えてきた中で、チームを率いる監督の存在がクローズアップされています。かつては捕手出身の監督が高く評価される時期が有りましたが、現状はどうなのでしょうか。どのポジションが監督には必要な経験を積むことが出来るのでしょうか。

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捕手出身の監督の成績

ID野球で有名な野村克也監督

捕手の価値を高めた野村克也監督がID野球で注目を集めましたが、ヤクルトで成功を収めた他は、あまり大きな功績は有りませんでした。通算でも勝率は5割であり、優勝を狙えるチームを常に作り上げる監督ではありませんでした。名監督のイメージがとても強い野村さんですが、監督の難しさが窺われる成績となっています。

野村克也 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
南海 8年 1 0 0.521 41
ヤクルト 9年 4 3 0.532 76
阪神 3年 0 0 0.415 -69
楽天 4年 0 0 0.459 -46
通算 24年 5 3 0.5 2

実績は1番の森祇晶監督

8回のリーグ制覇と6回の日本一で、抜群の実積を残したのは森監督です。ただ当時の西武ライオンズは廣岡監督が作り上げた黄金期のチームであり、森監督は強いチームを維持した印象です。就任時に弱いチームであった横浜では、2年間で借金35をつくってしまい、手腕を発揮できませんでした。

森祇晶 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
西武 9年 8 6 0.606 235
横浜 2年 0 0 0.572 -35
通算 11年 8 6 0.572 200

その他の捕手出身の監督たち

オリックスの中島聡監督が現在は捕手出身で注目されますが、今年はここまで5位で苦戦しています。名捕手と現役時代に評価され、プレーイングマネージャーまで経験した古田敦也さんと谷繁元信さんも、二足の草鞋の負担が大きかったのか、チームを強くすることはできませんでした。試合中はグラウンド内の監督と比喩される捕手ですが、モチベーターとしての役割や球団やGMとしての役割の占める部分が多い監督は、かなり難しい部分が多いようです。

古田敦也 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
ヤクルト 2年 0 0 0.453 -27
谷繁元信 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
中日 3年 0 0 0.446 -45
伊東勤 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
西武 4年 1 1 0.528 30
ロッテ 5年 0 0 0.479 -29
通算 9年 1

1

0.5 1
中島聡 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
オリックス 2 1 0 0.524 9
大矢明彦 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
横浜 5 0 0 0.428 -100
達川光男 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
広島 2 0 0 0.452 -26

投手出身の名監督

GMの能力を兼ね備えていた投手出身の星野仙一監督

野村さんは阪神と楽天で成功できず、あとを引き継いだ星野仙一監督がチームを強くしたことについて、自分は“4番を取ってくれ”と球団に頼んだが上手くいかず、星野監督は”広島の金本を取ってくれ“と具体的に指示していたとコメントしていました。星野監督の出身である明治大学を基盤とした人脈は強固であり、選手の獲得も自らの力で行っていたことは有名です。監督に就任すると1度はリーグ制覇をしている点は、実力を反映していると思います。ドラフトやFAでの選手獲得についても、自ら精力的に動いてチームを強くした星野監督は、背広組の仕事もできる監督であったと言っていいでしょう。ただ御本人の強力なエネルギー量はチームに対する影響が強すぎる面もあり、長期の政権を続けることは有りませんでした。

星野仙一 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
中日 11年 2 0 0.529 97
阪神 2年 1 0 0.558 32
楽天 4年 1 1 0.502 2
通算 17年 4 1 0.529 131

巨人の瞬間湯沸かし器 藤田元司監督

黄金の投手陣を作り上げた藤田監督は、今でもジャイアンツファンの支持が篤い監督です。心臓に持病を抱えていた藤田さんは、常にニトログリセリンを携帯していたそうですが、温厚そうに見えて選手からはとても怖い監督だったようです。1990年には斎藤・槇原・桑田の三本柱と香田・宮本・木田の6人のローテーション投手で、チームの88勝のうち80勝を挙げて、70完投をさせるなど素晴らしい実績を上げました。強固な投手陣を作り上げて、巨人の黄金時代を作った名監督でした。

藤田元司 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
巨人 7年 4 2 0.588 155

現役では投手出身の監督が優位

高津監督の名采配ぶりが目立つ今年のペナントレースですが、パ・リーグも1位と2位は投手出身の監督です。野球の勝敗を決める要因のうち、多くを占めると言われる投手起用に、アドバンテージが有る投手出身の監督が、好成績を収めるのは理にかなっているのかもしれません。ソフトバンクの黄金期を支えた工藤公康監督も、投手出身であり投手起用については大変評価されています。

内野手出身の監督

抜群の実績の落合博満監督

内野手、特に二遊間の出身の監督は多く見られます。落合監督も現役時代は二塁手を多く守っています。日本一の数は多く有りませんが、現優先力を巧みに強化する手法は、中日ドラゴンズを支えました。アライバコンビを看板にした守りの野球は、豊富な資金を必要としないチーム強化のお手本かもしれません。投手起用については全くわからないので、森繁和コーチに全て任せていたとコメントしており、理にかなった組閣ができていたと考えていいでしょう。

落合博満 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
中日 8年 5 1 0.562 138

実績十分の辻監督

日本一には中々なれませんが、強いチームを作っている実績は確かにあります。二塁手出身の監督らしく打撃のチームを作り上げてきましたが、投手の整備が全く進みませんでした。しかし、昨年から今年にかけて防御率が急激に改善されてきており、解説者の江本孟紀さんが“ようやく投手のことがわかってきた”と評しています。やはり野手出身の監督には投手のことを理解するために時間がかかるのかもしれません。

辻発彦 任期 リーグ制覇 日本一 勝率 貯金
西武 5年 2 0 0.542 56

投手の起用は投手以外の監督には、難しい事がわかります。

また、優秀な監督はGMの役割も一部こなすことができないと、MLBと違って戦力を集めることが難しそうです。

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