2024年のNPBのFA宣言期間が終わり、11月14日に公示されました。
今年宣言したのは下記の9選手でした。
選手名 | 球団 | ポジション |
菅野智之 | 巨人 | 投手 |
九里亜蓮 | 広島 | 投手 |
甲斐拓也 | ソフトバンク | 捕手 |
大山悠輔 | 阪神 | 内野手 |
石川柊太 | ソフトバンク | 投手 |
原口文仁 | 阪神 | 内野手 |
茂木栄五郎 | 楽天 | 内野手 |
木下拓哉 | 中日 | 捕手 |
福谷浩司 | 中日 | 投手 |
ソフトバンクの甲斐拓也捕手の宣言
個人的に驚いたのは、甲斐拓也捕手の宣言です。ソフトバンクの主戦捕手であり、守備型の捕手としての評価が高く、年俸も2億を超えていると言われており、十分に評価されていると考えていました。DH制のあるパ・リーグでは、守備型の捕手の存在価値は高く、将来の指導者候補としてソフトバンクから出ることはないと思っていたのですが、早くから宣言が確実視されていたようです。
FAをする時は他球団の評価を聞いてみたいというのが、決まり文句になっていますが、実際のところは違う場合が多いと、個人的には思っています。
家族のことや、地元へのこだわりなど、表に出したくない理由は個人個人であるのは当然のことで、あまり深いところまで探るべきものではないと思います。
誰でも家庭内に問題があったりするもので、それを表に出せば誰かが傷つく可能性もあります。
また、球団の考え方に合わないことも十分に考えられ、金銭だけが条件ではないのが最近のFA 市場だと言われています。FAも歴史を重ねるにつれて選手の考え方も多岐にわたるようになり、導入時のようなマネーゲームで決着ということが、少なくなってきているようです。
甲斐捕手の場合は、FA宣言後の残留というのが一番の落とし所ではないのかと、個人的には予想しています。
大揺れ阪神の大山悠輔選手の場合
阪神という人気球団でFA流出というのはあまりないことですが、今年は4番が宣言しました。原口選手も宣言しており、更には青柳晃洋投手もMLB挑戦ということで、阪神は大揺れのオフです。なんとか坂本誠志郎捕手のFA流出は防いだようですが、人気球団の阪神にしては珍しい光景と言っていいでしょう。
巨人のFAでの立ち位置がここ数年で大きく変わったように、西の人気球団である阪神も立ち位置が変わってきているのかもしれません。
大山選手は日本一の立役者として十分に働いた実績があるのですが、他球団の評価を聞いてみたいということは、逆に言えば今の評価に満足できていないということの証左でもあると考えられます。
日本のFA制度の致命的欠陥
生え抜きに冷たく、FA移籍組に手厚いというのは、巨人やソフトバンクにも言われていることで、FAという仕組み上、当然の流れと言っていいでしょう。
やはりFAはアメリカのように、宣言無しで全員がFAになるという方が、感情のもつれが少なく済むような気がします。ゴネ得なんて言葉を使って選手を貶めるようなことがないように、制度自体の工夫が必要だと思います。
FA宣言すること自体が、なんとなく暗いイメージがつきまとうのは、当然の流れでしょう。選手会がこの辺りを交渉しないと、いつまでたってもFA市場が活性化しないのではと思います。このあたりはリーグの強化や競争に後ろ向きな球団が多いことが、根本的な原因であるのではと考えます。
菅野智之投手の場合
これはもう頑張って欲しいという一言です。
ダルビッシュ有投手の実績が、菅野投手にもプラスに作用しているのではないかと思います。35歳での挑戦となりますが、あと2年ぐらいは良いコンディションで投げられるかもしれません。菅野投手は残念ながら巨人で日本一にはなれませんでしたが、MLBでならばなれる可能性が十分にあります。球団数は多いですが、力のある球団は既にわかっています。菅野投手の場合は自由に球団を選ぶことができます。さらに言えば金銭的な問題よりも、世界一の勲章を重視するのではないかと、個人的には考えています。
パドレスでダルビッシュ投手と一緒に世界一になってくれれば、ベテラン投手の花道としては最高なのではないかと考えています。ダルビッシュ投手と菅野投手は日本の球界に十分に貢献してくれているので、なんとかいい形でキャリアの終盤を飾ってほしいというのが、個人的な希望です。
球界の変化が必要
FA制度の見直しが急務というのは、誰もがわかっているはずです。ついでに言えば、CSの改革やセ・リーグのDH制導入など、後ろ倒しにしている問題が多すぎるというのが現状だともいえます。DeNAのオーナーの意見がクローズアップされているように、改革に前向きな球団が少なすぎると思います。
まぁ停滞する日本経済を代表するような企業が親会社であれば、改革が進まないのは当然の流れなのかもしれません。
セブン&アイのように球団を買収したいという外国の資本が入ってくるチャンスが、今のリーグには無いことが、一番の問題という結論はどうでしょうか?
明治維新以来、外国の力がないと変われない日本という国は、このまま同じことを繰り返すのでしょうか?日本を代表する企業であった企業たちが、そろそろ衰退期に入ってきており、新たな資本がプロ野球を変えてくれるまでは、何も変えられないというのでは、あまりにも夢がなさすぎます。