ベイスターズがジャイアンツを下して、見事日本シリーズに駒を進めました。これで日本シリーズはベイスターズ対ホークスというマッチアップになりました。私自身は興行ありきのCSに非常に疑問をいだいており、あまり触れることなくこの1週間を過ごしていました。
盛り上がるにはベイスターズの下剋上完遂
これでホークスがベイスターズを実力通り下してしまうと、なんとも盛り上がらない日本シリーズになってしまいます。ホークスが実力的に上という評価は覆らないでしょうから、 ここでベイスターズがもし勝つようなことになれば、かなり盛り上がるでしょう。しかし、これで仮にホークスが圧勝してしまえば、前評判どおりとなり、CSの存在意義にまた大きな疑問符がつくことになるでしょう。
弱いジャイアンツに望むこと
私としては弱いながらもジャイアンツに日本シリーズにでてもらって、屈辱の12連敗なんてことになって、もう一度選手たちに自分たちの弱さを自覚してもらいたいと球団関係者も含めて自覚してもらいたいところでした。
今回ベイスターズに負けたのは、決して偶然ではなく、吉川尚輝選手の欠場が響いたとはいえ、それをカバーできなかった選手層の薄さは隠しようがありませんでした。しかもタイムリーヒットがでないのは、シーズン中から続いていた事であり、ある意味実力を発揮してしまったと言えます。シーズン中の完封負けの多さから、調子の良い投手にはからっきしで、策もなくただ打つだけという打線は、打撃コーチの責任を免れないと思います。
さらに言えばリーダーシップの欠如も甚だしく、35歳の坂本勇人選手のヘッドスライディングがなければ盛り上がらないようでは、気迫が足りなく見えてしまいます。ベンチを奮い立たせるような行動ができる選手がいないのは、特に劣勢に立たされた試合や短期決戦では致命的な弱点であり、それはホークスに4連敗した日本シリーズの頃から、1ミリも変わっていないように見えます。
リーダーを育てない教育
明確なリーダーがチームを引っ張るのは、令和の時代には相応しくないのかもしれません。昭和の時代は野球の一番上手い子がキャプテンになってチームを引っ張りましたが、今はレギュラーではない子がキャプテンを務めたりするのが、珍しくなくなっています。ジャイアンツで言えば、坂本勇人選手、吉川尚輝選手、岡本和真選手らはアマチュア時代にキャプテンの経験がないそうです。
阿部監督もみんながキャプテンの気持ちを持って戦うのが理想とコメントしていますが、真のリーダーがいないチームは、上手くいっている時はいいのですが、逆境に瀕した時に、全員で沈んでいってしまう危険性が高くなると思います。
一般社会でもある程度の規模の組織になると、明確なリーダーが必ず必要になります。そしてそれは管理職ではなく、プレイヤーにいなければなりません。そのリーダーが管理職とプレイヤーの橋渡しをする重大な役目を背負います。そしてそのリーダーは誰もが認める実績を持ち、普段からリーダーたるべき発言をしなければなりません。
例を上げれば大谷翔平選手になってしまうでしょう。大谷選手はその成績も図抜けていますが、普段の生活態度や練習姿勢も模範的であり、さらに彼の発するコメントは、チームリーダーとして正面から正統派のコメントをします。決して斜に構えた発言をすることなく、チームメートからリスペクトされる存在になっています。
アメリカでは特にリーダーシップは重要視され、リーダーの発するコメントや発言態度は、誰もが注意深く聞いています。アメリカで長く活躍して、チームから必要とされる選手は、非常に人間性も重要視されています。チームにいい影響を与えられる選手は高く評価され、悪い影響を与えかねない選手は、数字が落ちた時に簡単に見切りをつけられます。
ダルビッシュ有投手が38歳で異例の長期契約を結びましたが、これは、ダルビッシュ選手のリーダーシップが高く評価されたことの証でしょう。
大谷選手の巨額契約も、彼の人間性に大きく影響しており、ドジャースの広告塔としての役割も十分に果たせる人間性を評価されているはずです。
4リーグ制へのエキスパンションを
クライマックスを開催して盛り上げたいならば、16チーム4リーグ制への移行が必要となるでしょう。四国、沖縄、新潟、それに台湾(政治的に難しければ静岡)にチームを置けば、十分にマーケットは広がるはずです。かつてのようにジャイアンツ人気が全国区である状態ではなく、フランチャイズ制が定着した今、既存のオーナーの反対さえなければ、4チームのエキスパンションは、十分に機能すると予想します。
Jリーグにあれだけのチーム数があるのに、プロ野球が12チームというのはあまりにも少なすぎるでしょう。既得権益を守るために規制緩和が進まないのは、日本の経済界とまったく変わりません。政界にも財界にも真のリーダーがいないのは、プロ野球チームと変わらないのかもしれません。