NPBは踏み台? 佐々木朗希投手ポスティング要求 プロ野球の危機

ロッテ佐々木朗希投手がポスティングによるメジャーへの移籍を、代理人を通して球団に要求しているという報道がされています。佐々木投手と言えば甲子園予選の決勝で投げない選択をしたり、2試合連続完全試合目前で降板したりと、色々な面で規格外の話題が尽きない投手のイメージがあります。今回の報道では契約更改を越年したということなので、他の選手のようにFA獲得前にジャブを打っておいたという状況ではなく、かなり本気モードという状況が推察されます。

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ファンの反応は様々

今回の報道についてネットでの反応は、かなり佐々木投手にとっては厳しいものが多かったように感じます。

佐々木投手は2019年のドラフト1位ですので、来年が5年目の投手です。2020年は1軍登板がなく、2021~2023年の3年間で19勝という成績を残しています。規定投球回数に到達したことはなく、4年目となる2023年シーズンも怪我による離脱が響いて、7勝に終わっています。ロッテ球団は佐々木投手を球団の宝物のように考えているようで、故障のリスクを非常に重く考えているようです。成長がまだ終わっていないなどの報道もありますが、この辺りは高校生の時から一貫しており、何か外には出せないリスクを佐々木投手は抱えているのかもしれません。ロッテ球団がメジャーへのポスティングによる移籍を考えて、慎重に商品価値を高めようとしているならば、それも一つの戦略だと思います。

ただ、多くのファンは佐々木投手が日本球界で大暴れしてから海外に挑戦していく姿を見たいようで、最高でも9勝、通算でも19勝の右腕に物足りないものを感じているのでしょう。このあたりは、ファンの年齢層によっても考え方に偏りがあるかもしれず、若い世代では早期のメジャー挑戦を肯定する層が少なくないかもしれません。

新しいことに挑戦する気概

大谷翔平選手があれだけの結果を残している中で、大谷選手を超えるには、もっと早期にメジャーに挑戦するというのは、アスリートとして考えるべきことだと個人的には思います。既成概念にとらわれず、新しいことに挑戦するのは素晴らしいことと考えていいと思います。ただ、新しいことに挑戦するためには、今まで支えてきてくれた人達の後押しをもらうことが、とても大切だと思います。

周囲の後押しはあるのか?

今回のメジャー挑戦の意向について、代理人や本人は当然前向きであろうとは思いますが、少なくとも4年間在籍したロッテ球団は、後押しをする意志は無いようです。そばで見てきた吉井監督はコメントを発表することは難しいとは思いますが、首脳陣からの後押しは今のところ報道されていません。ロッテファンの大部分は佐々木投手のNPBでの大活躍を夢見ており、その先の優勝を夢として佐々木投手と共有しているつもりだったのではないでしょうか?ここで渡米してメジャーで大活躍をした場合に、ファンの大部分は移籍の経緯を忘れて、100%の気持ちで応援できるのかは、非常に微妙だと思います。この辺りは個人の感覚があるのでなんとも言えませんが、周囲の反対を押し切って意志を通すことにも、一定の分別は必要だと思います。日本プロ野球の場合はメジャーと違い、入団前に契約金を支払います。ドラフト1位ともなれば、億単位の金額でしょう。グッズの売上や、佐々木投手の人気による入場料収入のアップなどで回収できていると考えることもできるのかもしれませんが、なんとなく美味しいところどりの感がするのは、私だけでしょうか・・・

日本プロ野球の存続に関わる問題

日本のプロ野球がこういった形でメジャーへの移籍を認めてしまえば、日本プロ野球はメジャーリーグのマイナリーグと見做すことが、本当に現実になってしまうでしょう。個人的にはその流れは既に始まっていて、非常に大きな問題だと思っているのですが、その流れがとんでもない勢いで加速してしまう出来事と言って良いのではないでしょうか?

佐々木投手のこのタイミングでのメジャー挑戦は、大谷選手が実働5年でメジャー移籍したときから始まっていると言っていいでしょう。大谷選手の渡米は入団時の経緯から否定する人は多くはないと思いますが、実働5年の選手が移籍するという実績を作ってしまったのは事実です。このあたりは道義的に日本ハム球団の対応に問題がなかったのかは、議論が分かれるところだと思います。ルール上問題がなければ、何をやってもいいというのは許されない事だと思います。今回の佐々木投手の問題と大谷選手の問題を、切り分けて考えることは非常に難しく、何らかのルール作りを大谷選手の時に怠ったことが、佐々木選手の問題を引き起こしたと言っていいと思います。

問題を棚上げにして先送りにする日本プロ野球の悪い体質が、無用の争いを引き起こしたと、個人的には考えます。

もっと言えば、これだけの年俸格差を放置している日本プロ野球の、無責任さと無自覚がこの問題の根底にあることを忘れてはいけないと思います。

そういった意味では、佐々木投手に罪は無いと思ってしまいます。

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