ジャイアンツの中田翔選手が、2年の契約期間をオプトアウトして、ドラゴンズと2年6億の契約を結んだと報道されています。ジャイアンツに残っていた場合の年俸を維持してくれたドラゴンズは、本当に中田選手にとってありがたいオファーを出してくれたと言っていいでしょう。
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中田選手は日本ハム在籍時に不祥事を起こし、ジャイアンツに無償でトレードされています。暴力系の不祥事と言われており、日本ハムでは無期限の出場停止となっていたのですが、ジャイアンツに移籍することによって出場停止が解けて、当時はかなり批判を浴びてしまいました。しかし、その後の野球に対するひたむきな努力と、ジャイアンツ球団とチームメイトのサポートもあって、次第にファンからは支持されるようになってきたと思います。
今回のドラゴンズ移籍に当たっても、多少は暴力等の悪いイメージはつきまとうとは思いますが、失敗した人間がひたむきに信頼を回復しつつ有る姿に、ファンの支持もついてきたと言えると思います。
ドラゴンズはジャイアンツと同じマスコミ球団ではありますが、注目度が若干なりとも低くなることもあり、気が緩まぬように努力を続けてほしいと思います。今は中田選手が事件を起こした当時よりも更にパワハラに対する世間の見かたは厳しくなっていると言え、中田選手ももしかしたら、胸をなでおろしているのではないでしょうか?
安樂智大投手の不祥事
新聞報道等で出されている情報では、安楽投手の事件と中田選手の事件では中身にどの様な違いがあったのかわかりません。2つの事件共に詳細な事が明かされているわけでもなく、その程度もわかりません。ただ、同じパワハラ事件として考えると、中田選手の無期限の出場停止と契約解除の安楽投手では、天と地ほどの差があると言ってもいいでしょう。中田選手の場合は当時のジャイアンツの原監督と、栗山英樹さんとの間で、中田選手の選手生命を救うためにトレードがされたという形で報道されています。それも契約解除では叶わないものだった思います。しかし、今回の安楽投手のように契約解除になってしまうと、NPBのどの球団も手を出せない状況になってしまっていると言えます。また、両事件とも詳細が明らかにされていないので、球団の内部情報をしっかり掴まなければ、他の球団は簡単に手を出せない状況となってしまっており、中田選手と違い安楽投手の場合は、救いの手を差し伸べられない状況と言えるでしょう。
安楽投手への楽天球団の責任
安楽投手は既に27歳であり立派な成人男子ですが、今回の事件はあまりにレベルが低い事案となってしまいました。当然、安楽投手の責任は重いと思います。しかし、18歳の安楽投手をドラフト1位で指名して社会人として育ててきた、楽天球団には教育責任があると思います。高校時代に野球の強豪校の済美高校に所属して、おそらく野球漬けの毎日を送ってきたと思います。その生活は一般の高校生とは違い、ある意味隔離された世界だったと推測できます。一般の高校生よりも野球以外の経験値が低くなるのは当然のことです。その未完成な安楽投手はドラフト1位という勲章を胸に、楽天球団に入りました。ドラフト1位ということもあってチヤホヤされる部分があったと推測でき、18歳の未成年が何かを勘違いしてしまっても、ある意味自然な流れと言ってもいい状況でしょう。その時に楽天球団は未完成な安楽投手に対して、どの様な人間教育を行ってきたのでしょうか?もし適切な教育がされていれば、今回のような事件は起こらなかったと思います。18歳で入団した安楽投手の再起のチャンスを与えられるのは、楽天球団だけではないでしょうか?
今回の事件は低レベルではありますが、窃盗や詐欺などの事件とは違い、本人の罪を犯した意識も当時は極めて低かったと思いますし、周囲も軽く考えたフシがあります。その状況を作り出した原因は、安楽投手だけではなく、球団やチームメイトにもあり、安楽投手だけを切ってしまえば良いという考え方は、社員教育を怠り不祥事に責任を感じない企業と同列だと思います。
対処療法では不十分
楽天球団は通報窓口などを設置するとしていますが、その様な対処療法は次善の策です。本当に必要なのは、パワハラなどを起こさない人物を教育すること、パワハラなどが起きない環境を整備することではないでしょうか?
高校生での教育が十分でない場合は、当然入団させた球団が足りない部分を引き継ぐのは当然のことであり、今回の件は安楽投手の再教育まで楽天が責任を取ってほしいと考えます。
コミッショナーの存在意義
米国スポーツ界では罪を犯した選手に対しての処罰を、コミッショナーが下します。そのため球団によって大きく処罰が変わることはあまり考えられません。
また、コミッショナーは公平な処罰を下すために、詳細な情報を各球団からヒアリングします。
今回安楽投手と中田選手は、公平な処罰がされたのでしょうか?球団によって環境が違い処罰が違えば、選手はある意味可愛そうです。
コミッショナーはすべての事案を詳細にヒアリングして、処罰のガイドラインを構築する必要があると思います。