2022年シーズン途中でHCのジョン・グルーデンがいなくなって、プレイオフに進出したときのような、ドラマがまた産まれる予感がしてきました。今シーズン不調のジャイアンツが相手とはいえ、30対6の快勝は、選手達、ファンのフラストレーションを一気に解消するような、完勝でした。
1 | 2 | 3 | 4 | OT | ||
Giants | 0 | 0 | 0 | 6 | 0 | 6 |
Raiders | 7 | 17 | 3 | 3 | 0 | 30 |
選手たちの能力を証明した
HCが交代したにも関わらず、準備不足と思われる状況の中での勝利は、本当に価値あるものでした。攻撃のプレイブックは前HCマクダニエルの物がほとんどだと思われますが、プレーコールは暫定OCのボー・ハーデグリー(読み方が・・・)が出していたようで、結果が伴いました。
Giants | Raiders | |
277 | Total Yards | 334 |
3 | Total Penalties | 4 |
8 | Penalty Yards | 30 |
31:04 | Time of Possession | 28:56 |
前回はスペシャルチームのコーチだったバサチアが暫定HCでしたが、今回はLBコーチのアントニオ・ピアースが引き継ぎました。モチベーターとしての気合の入り方は、前HCのマクダニエルより格段に上で、選手たちがエネルギッシュに見えたのも、2021年を彷彿させます。暫定OCはとても若いのですが、ここがチャンスという気は満々でしょう。ここで爪痕を残すことができれば、一気に階段を駆け上ることができるチャンスです。QBコーチからの昇進なので、QBオコネルとの意思疎通も問題なく、期待が十分に持てます。
準備不足のはずなのに、これだけ圧勝できたのは、選手の能力のレベルの高さを証明したと言えると思います。オフェンスのプレーコールによってこれだけ違うのだということは、長らくNFLを見てきていますが、再認識しました。
逆に言えば選手たちは、良く耐えたと言えるでしょう。不平を漏らしていたWRダバンテ・アダムズが、自身の記録が伸びないのにもかかわらず、喜びを爆発させていたのは印象的でした。首脳陣に不平を余り言わない選手たちでしたが、WRアダムズが代弁していたという背景があるかもしれません。
QBオコネルの能力
今日はQBオコネルの可能性が再確認できた試合でした。WRトレ・タッカーに決めたロング・ボムはQBガロポロではありえないプレーコールでしたので、今まで活躍できなかったWRトレ・タッカーの価値を認識させたと思います。QBオコネルのバーティカルストレッチによって、ミドルゾーンが空いてくれば、WRアダムズへのマークも、もう少し緩むと思います。アンダーニースへのパスもタイミングが良く、ボールのスピードもあるので、非常に効果的でした。WRジャコビ・マイヤーへのスラントパターンも、ランアフターキャッチが出る所へ投げられており、ファーストダウンをあっという間に更新しました。まだソフトタッチのパスが浮き気味のところがありましたが、これから経験とWRとの意思疎通が高められれば、そこも問題ないと思います。
Player | CP/ATT | YDS | TD | INT | SACKS | RTG |
T. DeVito | 15/20 | 175 | 1 | 2 | 6-29 | 78.1 |
Aidan O’Connell | 16/25 | 209 | 0 | 0 | 0-0 | 90.2 |
これからの残りの試合はすべてQBオコネルに任せて、結果がどう出るかによって来年のドラフト戦略も大きく変わると思います。
バックアップレベルとなれば、レベルが高いと言われている2024年のドラフトで、QBを指名するべきだと思います。
WR陣が躍動
相変わらずのハードマークで、WRアダムズの記録は伸びませんでした。あれだけきついマークを貰っていて、厳しいタックルがやってくるので、OCもWRアダムズへのパスのコールがしにくいのは理解できます。チームの中でEDGEのマックス・クロスビーとともに価値ある選手です。怪我だけはさせたくないというのが、本音ではないでしょうか。
QBがオコネルに代わって、WRハンターレンフローも復活できそうです。もともと控えQBのオコネルとは練習する機会もあったであろうし、密集の中で活きるWRレンフローには速いパスが必要です。QBガロポロと違いQBオコネルはズドンとくるパスで、キャッチ能力の高いレンフローには相性が悪いはずがないと思います。
WRレンフローとWRタッカーが働き出せば、WRアダムズへのマークも緩むはずです。やっと期待が持てるレイダースらしいオフェンスが見えてきました。
REC | YDS | AVG | TD | LONG | TGTS | |
Tre Tucker | 2 | 52 | 26 | 0 | 50 | 3 |
Jakobi Meyers | 2 | 38 | 19 | 0 | 24 | 5 |
Davante Adams | 4 | 34 | 8.5 | 0 | 12 | 7 |
Hunter Renfrow | 2 | 32 | 16 | 0 | 19 | 3 |
Ameer Abdullah | 2 | 17 | 8.5 | 0 | 11 | 2 |
DeAndre Carter | 1 | 15 | 15 | 0 | 15 | 1 |
Michael Mayer | 2 | 11 | 5.5 | 0 | 7 | 2 |
Austin Hooper | 1 | 10 | 10 | 0 | 10 | 1 |
RBジョシュ・ジェイコブズも復活
最後にロスをして100ヤードを逃しましたが、昨年のラッシュリーダーが高らかに復活を宣言したといえるでしょう。もともとスロースターターの傾向があると思うのですが、今日は明らかにスクリメージを抜ける時のスピードがあったと思います。レシーブが珍しく0回でしたが、悪い傾向ではありません。セーフティーバルブに逃げる必要がなく、オフェンスが機能したことによる結果だと思います。RBジェイコブスがランに集中できれば、もっとオフェンスは楽になり、QBオコネルへの負担が減ると思います。
CAR | YDS | AVG | TD | LONG | |
Josh Jacobs | 26 | 98 | 3.8 | 2 | 15 |
Jakobi Meyers | 1 | 17 | 17 | 1 | 17 |
Ameer Abdullah | 2 | 8 | 4 | 0 | 5 |
Tre Tucker | 1 | 4 | 4 | 0 | 4 |
Zamir White | 4 | -2 | -0.5 | 0 | 5 |
デフェンスは素晴らしい出来
相手QBが途中交代したとはいえ、交代に追い込んだのはデフェンスの力です。8サック2インターセプトは久しぶりに胸のすく思いでした。来週はジェッツですので、同じ様にQBザック・ウイルソンを追い込むことができれば、勝機が見えてくるかもしれません。せっかく良いパンターを持っているので、ディフェンスにはもうひと頑張りしてほしいものです。EDGEマックス・クロスビーは、総合力では今No.1のEDGEだと思います。献身的なディフェンスは間違いなくチームリーダーと言えるでしょう。
来週からはハードな試合
スケジュールを見ると、ここからは厳しい相手が続きます。逆に言えば首脳陣の能力の見せ所です。幸か不幸か、緊急事態には慣れているメンバーが残っています。またまた、感動的なシーズンを見せてくれることをファンとしては楽しみにしたいと思います。