若手の成長が連日のように報じられるジャイアンツですが、若手のお試し期間はどんどん無くなっていきます。生き残りをかけてアピール合戦が続きますが、ここで競争に負けた選手は、選手生命のピンチだと思うぐらい深刻な状況です。
「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」ポルテベースボールスクール激しい闘いの外野手
昨年はセンターの丸佳浩選手以外はレギュラーポジションを獲得できなかった、巨人軍の外野手争い。首脳陣の危機感が高まったため、今年は新戦力の補強に一層力が入ったようです。ドラフト1位で指名した浅野翔吾選手は、その潜在能力とスター性のため、今は競争には加わっていません。対照的にドラフト2位で入団した慶應義塾大学の萩尾匡也選手は、レギュラー争いの真っ只中にいます。六大学の三冠王というところでスター性も兼ね備えているため、多くのチャンスをもらっていますが、なかなか結果につながらず、焦りも出始めているようです。まだ入団1年目ということで、焦る必要はないのかと思いますが、今のジャイアンツの外野手争いは時間的余裕がないようです。
現在センターとレフトのレギュラーが確定していない状況ですが、2つのポジションを巡って1軍では7人の選手が熾烈な競争を続けています。
今年は期待できる外国人選手
ウォーカー選手とブリンソン選手は外国人枠の問題もあり、二人同時の登録は避けたいところかもしれません。
ウォーカ選手は昨年の実績があり打撃面はある程度計算できそうですが、ブリンソン選手が同等の打撃力を見せたときには、1軍に残ることさえ難しいかもしれません。守備力の向上が報道されていますが、昨年のような壊滅的な守備力ではなくなったものの、1年間を任せられるようには見えません。今の守備力でチームが日本一になるためには、3割40本近くの打撃成績を叩き出せないと、レギュラー獲得は難しいのではないでしょうか。努力家でファンも多いので期待したいのですが、難しいところです。
ブリンソン選手は細身でありながらパワーも兼ね備えているようで、2割8分25本打てるのであれば、センターを任せられる守備力がありそうです。首脳陣の今年のセンター本命と考えていいでしょう。
しかし、外国人選手は長期の解とは言えない部分があり、同じ実力であれば、日本人選手が起用される可能性は十分にあると思います。
ジャイアンツファン期待の55番秋広優人選手
昨年55番を背負うことになり、ポテンシャルの大きさからジャイアンツファンが期待する秋広選手ですが、今のところ厳しい結果が続いています。体も徐々に大きくなり、フリーバッティングでは柵越えを量産しているようですが、実戦ではまだ結果が出ません。まだ3年目ということで体の力も足りないようです。練習で大きなあたりが出るのは、スイングアークの大きさによるスイングスピードの速さによると見ることも出来ます。練習では自分のタイミングで大きなスイングをすることができますので、コンタクトができますが。実戦ではなかなか大きなスイングをさせてもらえません。大きなスイングアークを持っているということは、それだけ強いスイング軸を持っていなければ、スイング軸がぶれてしまいます。大きなスイングアークに耐えられる体幹を作り上げて、軸を素早くその場で回転させるようにならないと、速い球を打ち返せない状況が続くかもしれません。速い球を打ちに行くためにタイミングを早めて変化球に空振りする状況が続くようでは、早いうちに脱落するかもしれません。ただ秋広選手が他の選手と決定的に違うのは、秋広選手には時間が有るということです。50本塁打さえ望むことができるポテンシャルは、毎年出てくる素材ではなく、どんなに有望な選手が毎年入ってきても、秋広選手のチャンスはしばらく続くと思います。
岡田悠希選手と萩尾匡也選手
意外に時間がないのは、この二人かもしれません。ともに守備力もあり万能型の外野手のようですが、左右の違いはあれ二人が同時にレギュラーを取れるとしたら、丸選手の離脱や急激な衰えが現われたときだと思います。岡田選手は2年目、萩尾選手はルーキーということですが、のんびり構えていたら浅野翔吾選手も追い上げてくるはずです。特に岡田選手は六大学の三冠王でスター性の有る萩尾選手に明確な差をつけられると、暫くはチャンスが回ってこない可能性もあります。ここから開幕までの結果が、その後に与えられるチャンスに大きな差がつくのは当然のことです。特に岡田選手は危機感を感じているようで、昨年までとは打席での顔つきが違うと感じるのは言いすぎでしょうか。どこかぼんやりしていた印象があったのですが、今年はしまった顔つきの様に見えます。
苦しくなってきた増田陸選手
連日の振り込みで話題の中心だった増田選手ですが、実戦になり少し影が薄くなってきました。ガッツあふれるプレーは魅力がありますが、結果が必要な時期です。このままでは矢野謙次さんを越えられるかどうかのレベルで終わってしまうかもしれません。矢野選手は通算374安打ながら巨人と日本ハムで16年の現役生活を送った珍しい選手です。増田陸選手が矢野選手とタイプが被って見えてしまうのは、私だけではないのではと思います。ただ矢野選手はドラフト6巡、増田陸選手は2巡です。374安打ぐらいで終わってしまう事を増田選手は考えていないはずで、今年はもう1ランク飛躍しないと、出番が減ってきてしまうかもしれません。
大穴が飛び出てきた!オコエ瑠偉選手
ここに来て潜在能力が開花してきたのかもしれません。ポテンシャルは誰もが認めるところですが、その力を発揮できなかったのは野球に取り組む姿勢であったり、性格的なものが影響していたのかもしれません。
地元東京の球団で大人になったオコエ選手が、油断すること無く野球に取り組めば。レギュラーに一番近い選手のような気もします。首脳陣があまり持ち上げないのは、オコエ選手のそういったキャラクターを掴んでいるからではないでしょうか。成績が上がりだしても生活姿勢が変わらないように、厳しく指導できるコーチがそばに付いていてあげないと、誘惑の多い地元東京で、若いオコエ選手が真摯に野球に取り組むことは難しいかもしれません。
侍ジャパンに出向中の松原聖弥選手と重信慎之介選手
昨年まで十分にチャンスを与えられていた二人ですが、今は競争の外に置かれてしまっています。年齢的にも中堅であり、長打力が期待できない二人は、なかなかチャンスをもらえなくなってしまったのかもしれません。圧倒的な成績を二軍などで収めない限り、チャンスはもう少ないのではと思います。脚力のある二人ですので、そのあたりに活路を求めたいのですが、どうでしょうか。チャンスを掴めなかった代償は大きく、それだけにいま争いの渦中にいる若手選手は必死になるのだと思います。
松原選手と重信選手はタイプも被ってしまうので、どちらかはトレードで出してあげたほうが良いのではと思ってしまいます。まだまだ他球団でならばチャンスは十分にある選手です。侍ジャパンで出場機会をもらったのは、原監督の温情ではないでしょうか。
この頃は球団や系列メディアの情報発信が素晴らしく、それだけに応援する選手が増えていってしまいます。ポジションやベンチ入り人数は限られてしまっているので、少ないチャンスを何とかモノにしてほしいと思います。