昨年Bクラスに沈んだジャイアンツですが、スカウト活動や育成環境が整ってきた事が影響して、若手の有望株が多数現れてきました。漸く1軍の戦力として試す時期に来ている成長株や、スカウト活動の成果で有望な新人選手を取れてきていますが、有望な若手選手を実戦の場で試す機会がかなり限られてきてしまいそうです。常勝を目指すために各ポジションで競争が起きる事は首脳陣の思惑通りだと思いますが、若手選手は少ない実戦の機会で結果を出す、勝負強さが問われそうな状況です。
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今年のジャイアンツの開幕レギュラーは、捕手大城卓三選手、ファースト中田翔選手、セカンド吉川尚輝選手、サード岡本和真選手、ショート坂本勇人選手、外野手は丸佳浩選手、ウォーカー選手、ブリンソン選手が有力で、怪我がなければ、ほぼ開幕は決まりなのではないでしょうか。この中で不安視されるのは、坂本選手の怪我ぐらいではないかと思います。外国人選手の二人も早くからチームに合流しており、開幕先発は余程のことがない限り動きそうもありません。
オープン戦での争い
昨年までは力のある若手の台頭が少なく、ポジションが空いていても取って変われるだけの若手選手がいない状況で、層の薄さを露呈してしまいました。ポジションごとに今年の状況を見てみると、昨年とは大きく違うことがわかります。
懸念される坂本勇人選手の怪我
昨年は3度の離脱があり、怪我のリスクを露呈した坂本勇人選手ですが、今年は順調のようです。しかし、ショートというポジションの負担を考えると、今年も離脱のリスクが減ったわけではありません。年齢のことも考えると、ショートが一番若手がチャンスをもらえるポジションではないかと思います。特に、坂本選手が実戦に登場するオープン戦の最終盤以外は、若手のアピールタイムだと思います。
3年目の中山礼都選手
昨年坂本選手の離脱時期に、一番出場機会を得た中山選手ですが、守備力は一定の力を見せたものの、打撃では一軍レベルには及ばず、坂本選手の復帰とともにファームに降格になっています。特に打率は2割を切り、長打が殆ど望めない状況で、体力不足を露呈してしまいました。今年もここまで1軍に呼ばれることもなく、情報もあまり出てきていません。プロ入り3年目でもあり、フィジカル面での向上が見られないとなると、1軍からお呼びがかからなくなることも考えられます。キャンプ序盤の紅白戦で成長をアピールできなければ、今年もチャンスは多くないかもしれません。フィジカル面での課題が合ったにも関わらず、克服できていなければ、厳しい状況になりそうです。
試合 | 打率 | 安打 | 本塁打 | 長打率 | 出塁率 | |
2022 | 50 | 0.198 | 26 | 0 | 0.206 | 0.234 |
ルーキー門脇誠選手
キャンプ序盤で評判がいいのはドラフト4位で入団した門脇誠選手です。
背番号 | 35 |
ポジション | 内野手 |
身長 / 体重 | 171cm / 76kg |
生年月日 | 2001年1月24日 |
投打 | 右投左打 |
守備力には入団前から定評がありましたが、キャンプ序盤で打撃力が高評価されてきました。特に小柄ながらもパンチ力のあるところを見せつけており、中山選手とは対照的な立ち位置になりつつあります。紅白戦からオープン戦で力を発揮することができれば、体も出来上がっているようで、チャンスが続く可能性が大きい選手です。守備力が安定していれば、ゲーム終盤で坂本選手の交代要員とされる可能性は高いと言えるでしょう。原監督は途中交代選手にも打順が回るように考慮してくれる傾向が強いので、一定の打席数も獲得できる事になりそうです。
厳しいショートの控え争い状況
昨年は坂本選手の離脱により中山選手が出場機会を与えられ、ポスト坂本の一番手と見られていましたが、たった半年で状況は一変してしまいました。昨年の中山選手の出場時に、もう少し結果を残していれば、あるいは門脇選手のドラフトでの指名はなかったかもしれません。もし今年門脇選手が力を発揮すれば、中山選手は当分一軍に呼ばれることが無くなってしまいそうです。毎年入ってくる新人や外国人との競争は、一瞬も気を抜けない状況と言えるでしょう。他にも北村拓己選手や広岡大志選手、湯浅大選手など伸びきれていない選手は、崖っぷちに追い込まれてしまっていると言って良いのではないでしょうか。
大きく変わった外野手のポジション争い
昨年は人材に悩んだ外野手争いですが、ここも今年は状況が一変しています。昨年はレフトとライトの守備力が壊滅的で、投手の脚を引っ張ってしまいました。その状況下で若手は出場の機会に恵まれましたが、期待の若手選手たちが力を発揮することが出来ず、チームは優勝を逃しました。そこで今年はドラフト1位で浅野翔吾選手、2位で萩尾匡也選手を獲得し、ブリンソン外野手を補強しています。
完全にチャンスを逃した松原聖弥選手
昨年背番号が9に変わり、首脳陣の期待が高かった松原選手は完全に期待を裏切ってしまいました。今年は背番号9を剥奪されて、今は2軍に置かれています。WBCの練習メンバーとして派遣されるのは、松原選手の力量はわかっているので、見る必要がないということでしょう。逆に言えば大きな伸びしろを、期待されていないということかもしれません。若手の成長枠としての起用は、無いということと言い換えても良いかもしれません。つまりこれからは、オープン戦やファームの試合で圧倒的なパフォーマンスを示さないと、起用されないと考えるべきかもしれません。
大きなチャンスを逃した岡田悠希選手
昨年入団した岡田選手も、チャンスを逃してしまったかもしれません。昨年外国人選手の守備難や松原選手の不調で、新人ながら33試合起用され、22打席が与えられましたが、打率.095と力不足の結果が出てしまいました。今年は萩尾選手や秋広優人選手との争いかもしれませんが、打力優先の外野手では分が悪いと言わざるを得ません。入団直後で力不足だったことはタイミングが悪かったといえますが、昨年一定の期待値を首脳陣に抱かせることができれば、ドラフト1位2位と外野手を指名することはなかったのではと推測します。運とはこういうところにあるのかもしれません。
今年ポジションを勝ち取りたい秋広優人選手
力強いスイングで評判が高い秋広選手ですが、今年は最大のチャンスかもしれません。フリーバッティングで柵越えを連発していますが、紅白戦、オープン戦で結果を出さなければ、開幕1軍には残る事が出来ないか可能性が高くなります。レギュラーポジションを取る事はできなくても、左の代打のポジションを取る可能性は十分に有り、ここが勝負どころです。地元の選手でもあり、スター性の高い選手なのでまだまだチャンスは有ると思いますが、ファンとしては今年の覚醒を期待してやみません。チャンスを活かせない選手は次のライバルに追い越される可能性が強く、今が勝負です。
開幕スタメンを勝ち取りたい萩尾匡也選手
六大学の三冠王で期待値の高い萩尾選手ですが、開幕一軍はもちろん、開幕スタメンもあり得る選手だと思います。肩に強さがないので、センターかレフトでの勝負になりそうですが、打って存在をアピールしたいところです。右の代打はジャイアンツは充実しているので、スタメンを勝ち取ってほしいものです。守備力ではあまりアピールできる選手ではないので、打つしかありません。新人のうちに爪痕を残さなければ、浅野翔吾選手も控えており、来年苦しくなることは確実です。
厳しい育成環境の巨人軍
新人だから高卒だからとのんびり構えていては、チャンスが確実になくなっていくのがプロ野球です。賞味期限が切れないうちに、キラリと光るものを首脳陣に見せつけたいものです。我々ファンが見えない練習中や試合で、チャンスを逃している選手はとてもたくさんいるというのは、間違いない現実だと思います。