最近のプロの試合を見ているとその飛距離や、方向性には驚きます。道具の性能が上がっていることはもちろん、選手の体力や技術の向上も驚くべきものだと思います。
ゴルフクラブの進化
ゴルフクラブの進化は止まることが有りません。もうこれ以上は良くならないのではないかと度々思うのですが、クラブメーカーは手を変え品を変えて新技術を盛り込んできます。特にドライバーにおいてはそれが顕著で、飛距離性能はある程度伸びが鈍化してきたように思われますが、弾道の高さであったり、曲がり幅の少なさであったりは年々少しずつですが改良されていると思います。毎年クラブを変える人はあまり気が付かないかもしれませんが、3年ぶりぐらいに変えると結構変化を実感できたりします。
プロの試合を見ていても飛距離の伸びは大きく、特に体力に劣る女子でも飛距離が出ることに驚きます。またアマチュアでもプロ並みの飛距離を出す人は珍しいことではなく、飛距離についてはプレイヤー全体のレベルが上がっていると思います。
難しくなるコース設定
クラブの進化や技術の向上によってコースは攻略されやすくなったと思います。しかしあまりに優しくなりすぎてアンダーが出すぎても、スポーツとしての面白みは薄れていきます。我々ゴルフファンも難コースに立ち向かうプロの技術や体力を楽しむのであって、スポーツはそこに醍醐味があるのは間違いないことだと思います。
ゴルフコースも向上する技術に対応するように、コース設定を難しくしているようです。
伸ばせない距離
ゴルフコースも土地に限りがあるので、飛距離を伸ばすことはできません。日本のコースは特に土地に制限が多く、都会のコースではプロのトーナメントを開催することが難しくなっています。プロのトーナメントを開催するために練習用のグリーンをティーイングに使って距離を稼ぐコースや、36ホールの中から長いホールや難易度の高いホールを選定して使うコースも有るようです。
ラフを長くする
プロのトーナメントでは、ラフを長くすることが多くあるようです。当然ラフがながければティーショットの難易度も上がり、セカンドの難易度も上がります。また、グリーン周りも毛足の長い逆目にでもなれば、寄せることはとても難しくなります。
グリーンを硬くし速くする
グリーンが硬くなれば直接グリーンに落ちると高く跳ねるので止まりにくくなります。また速くなれば、転がりやすくグリーン上で止まりにくくなります。グリーンの硬さはコンパクションメーターで測り、グリーンの速さはスティンプメーターで測ります。ゴルフ場に行けばそれぞれの今日の数値を掲示してあるのが一般的です。
速さは9フィートぐらいが一般的ですが、プロのトーナメントでは男子で12フィート、女子で11フィートあたりが多いのではないでしょうか。男子のメジャーになると14フィートにもなることがあるようですので、メジャーセッティングと言われる意味が判ります。
硬さも通常は11~12Kgと言われますが、トーナメントになると12~14Kgになるようです。この様にグリーンの硬さと速さは難易度を大きく左右します。アマチュアがプロのトーナメントの設定でゴルフを行えば、スコアーにならないのではないでしょうか。
難易度が上がるメジャートーナメント
メジャーと言われる大会は、非常セッティングが難しくなります。米国のメジャー大会においてはそれが顕著で、グリーンは止まりません。以前ジョン・ディリー選手が止まらないグリーンに憤慨して動いているボールを打ってしまったことがありますが、さすがにコースが難しすぎだろうと思ったものです。
先日、日本で行われたメジャー第1戦のサロンパスカップでは、女子にとっては非常に難しいセッティングが設定されました。速さは13.75フィート、硬さは約12.5Kgだったようです。こうなるとセカンドショットは高い球が必要になりますし、止まる球筋を打たなくてはならず、難易度は格段に上がります。アプローチも非常に難しくなり、誤魔化しが効かなくなるので技術の差が歴然としてしまいます。
全米女子オープンの難しさ
2022年の全米女子オープンが開催されていますが、3日目を終わってトップが-13のミンジ・リー選手ですが日本選手はアンダーがいません。予選を通ったのは4人だけという状況です。15人が出場していますので、かなり状況としては厳しいと言わざるを得ません。体調の問題や慣れない海外での調整なども難しさはあると思いますが、コースに適応できていない選手もいるようです。流石にメジャーのセッティングになるとアイアンは上から捉えることができないとコントロール出来ないようで、地面も硬いケースがあるので、フラットなスイングでは対応できなのではないでしょうか。小祝さくら選手がフェードに球筋を変えて善戦していることや、小柄ながら縦振りの畑岡奈紗選手が安定しているのは、そのせいかもしれません。距離が出るパワーフェードが、難しいセッティングでは必要となるのでしょう。国内では強さが際立っていた小祝選手が、更に飛躍を求めてフェードに球筋を変えたのが象徴しているのかもしれません。
それぞれの楽しみ方
アマチュアからプロまで楽しめるゴルフですが、その楽しみ方はそれぞれです。同じトッププロでも国内で優勝を目指すのと、海外メジャーを制覇するのとでは求められるものが違ってきます。強い選手がさらなる強さを求めてフォームや球筋を改造するのは、良くあることです。
アマチュアでも更に上のレベルを求めて、色々変えてみますからね。私は大抵失敗しますが・・・・・
ゴルフのレベルは上を目指せばキリがないので、それぞれのレベルで長く楽しめるのかもしれません。