不可解な五輪代表選手発表

オリンピックの野球代表が発表された。

直前まで決めずに2ヶ月を切ったところでの選出で、調子の良い選手を選んだと稲葉監督はコメントしているが、一方で故障明けの選手や調子の上がらない選手を選出している。

また守備を軽視しているところも感じられる選出となった気がする。

疑問符がつく選出を見ていきたい。

故障上がりの坂本勇人選手

骨折で復帰したばかりの坂本選手を選出した。坂本選手のバックアップとして守備の上手い源田選手を選んでいるが、逆に言えばショートを守れるのは2人だけだ。坂本選手が怪我や不調の場合、打力で大きく劣る源田選手しかいない。もともとショートで打てて守れる選手が少ないので、このような選出になるのは仕方がないだろう。

今回はムードメーカーの松田選手を選べなかった。この役割を坂本選手ができるかどうかが問題だ。松田選手の底抜けの明るさは、短期決戦で躓いたときには特に必要だ。巨人が連敗した時にチームを鼓舞していく姿勢が坂本選手に見えたかどうか、その姿勢が短期決戦で間に合う種類のものなのか疑問符がつく。日本シリーズでソフトバンクに2年連続スイープされたのは、坂本選手のリーダーシップの不足が原因だとは言いたくないが、短期決戦では時間が無いのである。稲葉監督はキャプテンを指名せず、リーダーとして坂本選手と菊池選手を指名したらしいが、その中途半端さが問題だ。坂本選手をキャプテンとして指名すれば、今度こそできる選手のはずだ。

調子の上がらない菅野投手

菅野投手の不調は長く続いている。体の異常があるからフォームを変え、プレートの踏む位置を変えるなどしているのだろう。今季はまだ2勝止まりで巨人のエースとは言い難い。当然日の丸のエースとしては、力不足の現状だ。後1ヶ月で調子を上げてくれるものだと信じていると稲葉監督はコメントしているが、体の不調であればそれは叶わない。短期決戦で故障持ちは無理が効かず、戦力にならない。菅野が使えないとすると、先発の駒不足は深刻だ。折角直前に調子のいい選手を選べる環境にあるのに、今年2勝の投手を選ぶのは非常に危険だ。原監督は危機感からか、菅野を登録抹消した。侍ジャパンに万全の菅野投手を送り出したいという気持ちであれば、本末転倒だ。力のある投手は他にも多くいる。

特定のチームが協力を拒んでいるとしか思えないこの状況は、非常に残念だ。

疲労困憊の中川皓太投手

ボールのキレで勝負する投手だ。疲労によって今はキレを失っている。五輪本番まで投球を控えなければ、調子は上がらないと予想する。これから中断までの間に登板を控えるとなると、ペナントはどうなるのだろうか。とてもじゃないが今の巨人はそんな余裕があるはずがない。いくら原監督が侍に協力的だといっても、それはファンにとって失礼じゃないか?

選考過程は勿論明かせないとは思うが、チームから拒否されたとしか思えない選手がいるのも確かだ。特に投手の選出に偏りがあるのは残念だ。この辺りもフェアにやってもらいたい。いつもこの問題が持ち上がるのに、人的結びつきで選出する事はやめてもらいたい。

フェアにできないならルールづくりが必要となってしまう。

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