優勝おめでとう 東京ヤクルトスワローズ 素晴らしい偉業

2年連続の最下位から、6年ぶり8回目の優勝を遂げたスワローズは、球団が一致団結した素晴らしい取り組みの結果だった。決して資金面で恵まれている環境ではないが、そうした条件を呑み込んで努力したフロント、首脳陣、選手達が勝ち取った価値のある優勝だったと思う。

FA選手の引き留めたフロントの本気度

山田哲人選手、小川泰弘投手、石山泰雅投手がFA権を取得した昨オフに、ヤクルトは危機に陥った。特に山田選手は同じ東京のジャイアンツに移籍するのではないかとの予想も有り、マネーゲームをしないことが多いヤクルトから移籍してしまうのではないかと思われた。

しかし蓋を開けてみれば、3選手共に残留が決まった。生え抜き選手に対しての球団の誠意、ファンの思いなどが通じた瞬間であったのだろう。諦めかけていたファンは歓喜し、残ることが出来た3選手も幸せを、心の底から感じたはずだ。

そしてチームメイトの喜びも大きかっただろう。2年連続最下位のチームを見捨てずに主力の生え抜き3選手が残留したことは、自分たちの未来にも希望が持てたと思う。

最も流出の危険があった山田選手には、脚部に不安を抱えているにも関わらず、終身での契約に近い7年契約が提示された。これで28歳の山田選手は35歳までの契約が保証され、あとに続く選手の励みになったことは明白だ。

もともと引退後の面倒見が、良いとされているヤクルト。しかもフランチャイズが東京ということで、家族の生活環境もお金をかければ最高のものが得ることができる。

後は優勝を本当に狙うことができるのかが問われるところで、フロントがその意気込みを見せることが出来た取り組みだったのではないだろうか。

ファンです
ファンです

生え抜きの選手が多く、応援しがいのあるチームですよね。

今年の優勝はいろいろな意味で、痛快の極みですね。

首脳陣と選手の信頼関係

何処のチームにも、人間関係で問題はある。優勝したヤクルトにも小さな問題はあるはずだ。

そして、チームの様々な問題を呑み込んで、選手のモチベーションを上げる事が首脳陣の大きな役割だ。これは一般の会社組織でも同じ事で、組織の長の器が大きく、部下と責任者のコミュニケーションが上手に取れる組織ほど、部下のパフォーマンスは上っていく。

ヤクルトの首脳陣は苦労人が多く、様々な環境を経験している。

苦労人の高津臣吾監督

高津臣吾監督はメジャー、韓国、台湾、独立リーグと様々な環境を経験している。メジャーまで経験している選手がここまで現役にこだわり、やりきったことは本人の経験値にもなるし人の見る目も変わる。独立リーグでの監督の経験が、今回の優勝に寄与したことは間違いないだろう。こんな上司に仕えることができれば、部下も力が入る。

伝説のスライダーの伊藤コーチ

伊藤智仁コーチも苦労人だ。その凄まじいルーキーイヤーの投球は伝説となったが、翌年からは故障に苦しんだ現役生活だった。1年目の2ヶ月半で1733球を投げて故障し、その圧倒的パフォーマンスは戻ることがなかった。

今年のヤクルトが高津監督の方針で中6日を頑なに守り、高卒2年目の奥川恭伸投手を大切に育てたことを優勝の大きな要因とする声が多いが、そこに伊藤コーチの経験が寄与していたことは疑う余地はないと思う。そして伊藤コーチも独立リーグの監督を務めている。その経験は駒数の少ない投手陣を預かっても、決して諦めること無く最善を尽くすことができた素養では無いかと思う。投手陣からしてみれば、これほど選手に寄り添い信頼できるコーチはいなかったのではないだろうか。

CS、日本シリーズに向けて

これからプレイオフが始まるが、この短期決戦でヤクルト首脳陣がどの様に準備してくるかとても興味がある。短期決戦は首脳陣の力が問われるのではないだろうか。野村監督-古田監督-宮本コーチと培われた野球は、今も引き継がれているはずだ。特に今年成長に著しかった中村悠平捕手が、どの様な準備をしてくるのか興味がある。

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