ジャイアンツを強くする方法 何故お金を注ぎ込んでも勝てないのか?

岡本和真選手の離脱とともに、ジャイアンツが明らかに下降線を辿っています。打てない打線は顕著で、兎に角チャンスに弱く、タイムリーが出ません。この傾向はここ数年ずっと続いており、これはジャイアンツのチーム編成のミスだと言えるでしょう。逆に言えば、ここから数年かけてそこを変えれば、地の利と資金に恵まれたジャイアンツが再び常勝チームになる可能性は広がるはずです。

何故勝負弱い打者ばかりなのか

タイムリーが出ないことが負けの原因であることは、はっきりしています。以前から指摘している通り、得点圏打率がとても低く、タイムリーが出ないことが形となって現れました。連続イニングタイムリー無しがクローズアップされていましたが、この傾向は長い間続いています。

勝負弱くなった岡本和真選手

1軍で活躍を始めた年は、3割30本90打点を最年少で達成し、ミスタースリーランの異名がつくほど、チャンスに強かった岡本選手ですが、最近はソロホームランが目立つようになり、勝敗を背負った姿が暗いものとなっていました。キャプテンを門脇誠選手に推挙したように、近年はいろいろな物の重みに、本来の自分を取り戻せていなかったのではないかと推察します。年令を重ねてこれからが全盛期という時に、チャンスに弱い(得点圏打率.267)現実は岡本選手自身が一番辛かったのではないでしょうか。しかし、このチャンスに弱い姿は岡本選手のデビュー当時を考えれば本来の姿ではないと思います。

無敵のON時代

ON時代は長島茂雄選手と王貞治選手が、チーム内の強烈なライバルとして、チャンスを奪い合うような活躍をしていました。3番の王選手は長嶋茂雄が4番に控えているために、勝負をしてもらえました。もし長嶋選手がいなかったら、ただでさえ多かった四球は更に増え、本塁打記録も伸びなかったはずです。4番の長嶋選手は、もともとプレッシャーに強く、チャンスが回ってくるのを常に待っていたはずです。

本気の発言かどうかは別として、岡本選手がチャンスで打順が回ってくることに動揺していたという巨人の選手の証言もあり、長嶋選手のメンタルの強さは、日本人には珍しいタイプと言えるかもしれません。

原辰徳選手の苦悩

原選手はアマチュア時代から数々の実績を残し、そのスター性は長嶋選手に迫るものがありました。当然原選手は長嶋選手のような4番バッターを目指していたと思います。しかし、実際にはファンの間ではチャンスに強いという評判にはなりきれませんでした。そこには相棒の不在が合ったと思います。もし仮に吉村禎章選手が怪我をせずにそのまま活躍していたら、ON時代のようなコンビが出来上がり、原選手の精神的負担が大幅に減ったでしょう。そして相手投手からすれば、3割30本が打てる選手が二人続くことは、とても大きなプレッシャーになったと思います。

松井秀喜選手の幸運

ON時代の良さを一番体感しているのは、長嶋茂雄さんであることは間違いないと思います。孤立する4番の苦しさを知っているのは原辰徳さんでしょう。その二人がいた時代のジャイアンツは、なりふり構わず4番打者を集めました。実際に3割30本を打てる選手が二人続いた時は、かなり試合を優位に進めることができたでしょう。

松井選手は長嶋監督に厳しく指導され、4番1000日計画なるもので、日本の4番と言えるところまで鍛え上げられたと思います。その一方でジャイアンツは、松井選手の相棒となる選手を兎に角貪欲に集めました。落合博満選手や清原和博選手の存在は大きかったと思いますが、何より高橋由伸選手の存在は松井選手にとって大きかったと思います。甲子園の大スターと六大学の大スターは、ONの立ち位置と似ているところもあります。松井秀喜選手が恵まれていたのは、逆指名制度とFA制度に支えられて、孤立する4番ではなかったことだと思います。

ジャイアンツを強くする方法

現在は日本のスーパースターはアメリカに渡り、かつてのように3割30本打てる選手は激減しました。こうなったら兎に角自前で中心打者を育てるしかありません。それも3割30本を打てる真の中心打者を育てるしかありません。そのためにはドラフト上位では3割30本を打てる可能性のあるプロスペクトを、指名しまくることだと思います。多少ポジションが被っていても、3割30本打てるのであれば、コンバートするべきで、強いチームには必ずコンバートを成功させてクリーンナップを担う選手が出てきます。

投手はいくらでも素材は出てきますが、打者はほんの限られた才能しか毎年出てきません。いま好調のタイガースは、野手の活躍している選手の多くがドラフト1位の選手です。ジャイアンツも少し前までは、ほとんどのレギュラーが、ドラフト1位の選手でした。

投手は育成の高校生からでも、ドラフト下位からでも才能はでてきますが、打者はそういう訳には行きません。実際ドラフト1位で指名された多くの投手は、評判通りの活躍ができていません。ジャイアンツの今のローテーションで、ドラフト1位は誰でしょうか?

兎に角ドラフト1位と2位は、常に打者の才能に費やすべきだと思います。そしてチャンスでポジティブに競い合える打線を構築するべきです。

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