レイダースはブラウンズに快勝も恒例のシーズン中の騒動が勃発
レイダースはブラウンズに20対16で勝ちました。DEマックス・クロスビーとWRダバンテ・アダムズという攻守の中心選手を欠いたにも関わらず、勝てたのは相手の弱さもあるとは思いますが、僥倖に近いものと思えます。勝率を5割に戻したところでここからが盛り上がるはずなのですが、レイダースには毎年恒例のお家騒動が今年も勃発しています。
WRダバンテ・アダムズがトレードを要求?
WRアダムズのトレードはこれまで何度も噂に登りましたが、今度ばかりは避けられないかもしれません。アメリカのスポーツ専門サイトのESPNでは、トップニュースにこの事が挙げられています。
WRアダムズは31歳ではありますが、間違いなく今でもNFLのトップレシーバーです。昨年はQBガロポロが早々に離脱し、新人QBのエイダン・オコンネルを使わざるを得なかったレイダースですが、WRアダムズは103回1144ヤードを獲得しています。その技術は衰えることなく、スペシャルな存在であることを証明するようなプレーを随所に見せてくれました。
しかし残念ながら、今のレイダースではWRアダムズを活かせるようなオフェンスは展開できないでしょう。
QBが能力不足
WRアダムズの能力を活かすのであれば、パッシングオフェンスとフランチャイズQBが必要です。しかし、今年の戦いぶりを見ていると、オフェンスラインは力不足で、QBはフランチャイズな存在とは言えない状況です。
QBミンシューとQBオコンネルの能力では、パスオリエンテッドなオフェンスを展開できるはずもなく、OCルーク・ゲッツィのラン中心の考え方は当然のことでしょう。しかし、それでは大金と貴重なドラフト資源を費やした、スターレシーバーは宝の持ち腐れと言わざるを得ません。
QBデレク・カーとの別れ
もともとWRアダムズは、大学時代の盟友であるQBカーとのコンビ復活を望んでレイダースに移籍してきました。しかし、前のHCジョシュ・マクダニエル時代にQBカーは、自由契約になっています。その後QBカーはセインツと契約しました。結果的にQBカーは、レイダースからは追い出される形となってしまいました。
QBカーとのコラボを夢見ていたWRアダムズにとっては、1年でコンビ快勝という複雑な状況だったと思います。その後WRアダムズはチームに残ることを決めて、ここまで2シーズンは1000ヤード以上を獲得し、チームに十分に尽くしてくれたと思います。
当時のレイダースはQBカーにWRアダムズが与えられれば、フランチャイズQBとして機能し、スーパーボウルも望めると判断し、最後のピースとしてWRアダムズの獲得に踏み切ったと考えられます。そうでなければ、貴重なドラフト資源を投下することはできないはずです。
スーパーボウルに届かないチーム状況
今年のレイダースを見ていると、スーパーボウルには届かないと見て間違いないでしょう。今のQBルームの状況では、来年も難しいと考えざるを得ないでしょう。本来であれば、2024年のドラフトで新人QBを出血覚悟で取る必要がありました。しかし、GMテレスコの判断で新人QBの指名はありませんでした。2025年のドラフトでは必ず取らなければいけない状況ですが、2025年にエントリーしてくるQBは、2024年のレベルと比べて上とは思えません。仮に来年1巡でQBを指名できたとしても、即スーパーへ進めるかどうかはたいへん大きな疑問符がついてしまうと思います。
このように考えた時に、31歳のWRアダムズにとって、レイダースに残ることは、余りにも残酷な状況です。
あと2年も3年も待てる状況にはなく、レイダースが2024年のドラフトでQBジェイデン・ダニエルを取りに行かなかったことで、WRアダムズには辛い時間が伸びてしまうことになるでしょう。
チームもWRアダムズの放出は既定路線?
QBをQBミンシューとQBオコンネルと争わせると決めた時点で、WRアダムズの存在は、浮いてしまったのかもしれません。そうなると今回の騒動は、WRアダムズが望んだものというよりは、チームの構成上当然の成り行きと考えてよく、ある意味GMテレスコにとっては想定の範囲と言えるのでしょう。
WRアダムズの美しいキャッチは、負けゲームの中でも胸のすくものでした。しかし、WRアダムズの内心の葛藤は想像以上のものだと思います。今年のレイダースのチーム構成と試合運びを見た時に、レイダースファンの私でさえ、WRアダムズのトレードには異を唱えることはできないと思います。
個人的にはジェッツでQBアーロン・ロジャースとコンビを復活させて、スーパーボウルでチーフスを破ってほしいと願ってしまいます。
もしWRアダムズを放出するならば、スーパーボウルを狙えるチームにしてほしいと思います。そうなれば今年はそのチームを応援したいと思います。WRダバンテ・アダムズというスペシャルな存在が輝くように、祈らずにはいられません。