日本のプロゴルフが人気が出るために 男子はもっとハードなコースを

日本の男子プロゴルフの人気が凋落しています。JGTO(日本ゴルフツアー機構)の青木会長が退任会見で「ツアー競技数減少に歯止めがかけられず悔しい。」とコメントされていましたが、もちろん原因は青木会長以外にたくさんあったと思います。同じ日本ツアーの女子プロ人気が盛り上がっているだけに、非常に危ぶまれます。

優しすぎる日本のコース

一番の問題点は、日本のコースセッティングが優しすぎることが原因ではないでしょう。男子プロも女子プロも技術が上がって飛距離も伸びてきているので、ゴルフ場自体が距離不足になってしまっています。ZOZOを開催した習志野カントリーでは、アウトとインのコースを入れ替えたり、普段練習グリーンとしていた所をティーイングエリアにしていたと、観戦しにいったメンバーさんから聞きました。あまり無理をすれば、翌週からの営業に支障が出てきてしまいますので、限度があると思います。PGAでのトッププロの飛距離ほどではありませんが、最近の若手ゴルファーは兎に角飛距離が出ますので、パー5などはほとんど2オン狙いです。限られた飛ばし屋が狙うなら良いのですが、ほとんどのプロがアイアン等で2オンを狙うようでは、ファンとしては物足りなく映ってしまいます。

トラブルがあるから面白いゴルフ

これは見るだけのファンもプレーもするファンも、同様だと思います。誰がやっても良いスコアが出てしまうコースでは、観戦もプレーも面白くないと思います。我々アマチュアでも単調で良いスコアが簡単に出てしまうコースは、飽きが来てしまいます。ベストスコアを更新するために、たまには簡単なコースも良いと思いますが、平坦でハザードが少なく真っ直ぐなコースでは、面白くありません。

女子プロの中継を見ていると、トッププロが淡々とステディに伸ばし合いをしているトーナメントはあまりスリリングではありません。首位を走るプロがハザードに打ち込んだり、難しい場所からのセカンドやアプローチに挑む姿が見たいと思うのがファン心理ではないでしょうか。難しい場所からアプローチを決めたり、セカンドで大きく球を曲げてくるテクニック等は見るに値します。またちょっとサディスティクではありますが、ピンチで悩んでいるトッププロの苦渋の判断などは、我々アマチュアレベルでも共感ができ、興味はつきません。

名場面はドライバーショットではない

後世に残る名場面は、トラブルショットやバンカーショット、ロングパットなどです。300ヤードを超えるドライバーショットは、名場面にはなり得ません。毎週のトーナメントでもウイニングパットよりも、勝負を決めたトラブルショットやスーパーショットがニュースでは興味をそそります。そしてそんな場面を作ってくれるのは、伸ばし合いの優しいコースではなく、プロでも攻略困難なコースではないでしょうか。

コースセッティングを難しくできない日本

日本のゴルフ場は総じてよく整備されていて、ラフなどは短くなっています。アメリカのゴルフ場は、手入れが行き届いているゴルフ場でもラフは長目で、ボールを見つけることさえ一苦労です。トーナメント専用のゴルフ場などは日本には無いので、前週まで一般営業をしていると、ラフを充分に伸ばすことは難しくなるでしょう。

グリーンも速くできない

PGAを見ているとグリーンの速さや硬さに驚きます。PGAのトッププロでさえ、グリーン周りでパターを使うなどして悪戦苦闘している姿をよく見ます。それに比べて日本のグリーンは遅くて柔らかいと思います。あまり硬く締めて短く刈り込んでしまうと、芝が病気になってしまう可能性があります。特に最近は夏場の暑さがきついので、ゴルフ場は夏場は特に遅いグリーンをキープします。実際にアマチュアの競技のため夏場に少し短めに刈り込んだら、病気になってしまって回復に半年近くはかかってしまったことがありました。

そんな事が起こるとメンバーさんからは、できるだけアマチュア競技なんか開催しないで欲しいと要望が出てしまいます。クラブ内の競技ではない場合、あまりグリーンが遅いとクレームが付くので、ゴルフ場の判断も難しくなります。

メンバーさんの理解が必要

トーナメントを主催するのであれば、ラフ等のセッティングは開催前から時間をかけてしなければなりません。グリーンを枯らしてしまっては一大事ですが、ラフを伸ばしたり、フェアウェイを狭くすることは、メンバーさんの理解があればできるのではないでしょうか。首都圏でいつも満員のコースではなかなか難しいかもしれませんが、メンバー数の少ない高級クラブほど、協力してもらえるようにJGTOは働きかけてみるのはどうでしょうか。

コースの難易度だけで解決するとは思えませんが、注目を集めるために始めてみても良いのではと思います。今のままではジリ貧であることだけは確かだと思います。

難コースを攻略するマッチョな男子プロは、華麗にプレーする女子プロに負けない魅力があると思います。

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