開幕前から戦力不足が噂されていたジャイアンツが、スタートダッシュで躓きました。また10試合ではありますが、5連敗の内容は昨年と同じ様で、リリーフ陣が全く整備されていないようです。
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ロペス投手が機能していない事が大きいとは思いますが、今年のリリーフ陣は昨年よりも酷いかもしれません。序盤であり投手の力の見極めができていない事が原因であるとは思いますが、勝ちパターンとそれ以外の投手との区別がありません。
調子の見極めをしながらという起用なのかもしれませんが、今の状況のブルペンでは自分の出番が読めずに、常に緊張していなければいけない状況かもしれません。
球速が足りないリリーフ陣
他チームと比べて明らかに力の落ちるブルペン陣は、単純に球速を比べても見劣りがします。久保コーチの起用により良い方向に向かいつつある投手もいますが、球速で圧倒できる投手が大勢投手だけでは、苦しいというのは明白です。特に他チームの強力なリリーフ陣と対戦したあとに、ジャイアンツのリリーフ陣と対戦するのは、かなり楽な感覚があるでしょう。リリーフ陣が先発よりも球速が上がらないのであれば、対戦する打者は対応が楽でしょう。
先発投手は長いイニングを投げるために、球種を増やしてキレや配球でクォリティースタートを目指します。そのためには球速で圧倒するよりも、コントロールと全力で投げないピッチングが必要になります。
対象的にリリーフは1イニングを全力で抑える事が目的であり、多少のコントロールミスがあっても、球速と決め球で、相手打者に粘ることを許さないピッチングができなければ、務まらないでしょう。
巨人でいえば大勢投手がリリーバーとしての要件を備えていますが、今の一軍には要件を備えている投手はいません。
故障者続出のジャイアンツ投手陣
ジャイアンツの投手陣は残念ながら故障者や故障持ちの投手が多すぎます。2軍には菅野智之投手を筆頭に、中川皓太投手、高橋優貴投手、平内龍太投手、山﨑伊織投手、堀田賢慎投手、井上温斗投手等など、数え切れないほどの故障者がいます。特にドラフト上位指名の故障者が多く、育成と起用法両方に問題があったと言わざるをえない結果になってしまっています。
今年から就任した阿波野コーチの手腕はまだ未知数のところがありますが、シーズンを通して整備をしていかなければ、秋には全員がパンクすることにもなりかねす、故障者の層だけが厚くなっていく、皮肉な結果を避けてほしいものです。
そのためにも長期的ビジョン、特にシーズン終盤を見据えた整備計画を立ててほしいものです。調子のいいものから五月雨式に投入してく典型的な負け戦は、今年は避けてほしいものです。
若手野手は秋に向けて実戦が必要
若手野手が伸びてきていることは、とても嬉しいことで、悩ましい現状でもあります。昨年よりも確実に一軍で戦うことができる野手は増えていると思います。
しかし、肝心の一軍での実戦が不足しています。2軍でも好調を続けている菊田拡和選手などには全くお呼びがかかりません。
投手と違い打者は1軍の投手と実践を重ねなければ、成長できません。春のうちに若手野手に実戦の場を与えて、戦力を見極めなければ、チーム力は上がりません。若手野手は春に自分の足りないところを見つけることができれば、シーズン終盤には弱点を克服できる可能性があります。対照的にベテランには伸びしろが乏しく、春先よりもシーズン終盤の大切な時期に活躍してもらう方が現実的です。春先に調子が上がらないベテランを無理に使って、体力を削ってしまうのでは、秋には成長しきれなかった若手とすり減ったベテランしか残らなくなり、昨年と同じ状況になってしまうでしょう。
松田宣浩選手をセカンドに使ったことに非難が集まっているようですが、無理にでも使うなら、ファームのサードで好守を連発している菊田選手をセカンドになどと思うのは、あまりにも素人考えなのでしょう・・・
しかし、ベテランの可能性を試すよりも、若手の可能性を見極める作業が優先されるのは野球だけではないはずです。一般社会では少なくとも、常識です。
GM不在の今、フロント主導の育成計画を
しかし、若手を春先に使ってチームを育成しなければならないのは、当たり前の話です。ジャイアンツはレギュラーが高齢化して世代交代が始まっています。一気には世代交代はできないので、毎試合最低でも一つは若手のためのポジションを設けて、少しずつ若手を使っていかなければ、チーム力は落ちていってしまうでしょう。
チームづくりを担当するGMがいないので、そのあたりはフロント主導で作成した育成計画を原監督に落とし込まなければ、日々の勝敗に目が行きがちな原監督には若手の育成は難しいと思います。
春先からシーズン終盤のような選手起用では、選手の気持ちが持ちませんし、若手は育ちません。