ベテランばかりの巨人 松田宣浩、長野久義獲得 原監督の狙い

巨人が大ベテランの松田宣浩選手と長野久義選手を、同時に獲得しました。若手の育成を掲げていながら、全く逆方向へ走る球団フロントは、何を考えているのでしょうか。原監督の狙いは何でしょうか?報道されていない部分を、推測してみたいと思います。

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右の代打はベテランばかりの来季のジャイアンツ

昨シーズンの右の代打といえば、頼りになるのは中島宏之選手でした。その他に北村拓己選手や若林晃弘選手がいましたが、決して勝負強いタイプとはいえず、迫力不足は否めません。そんなジャイアンツのベンチに実績十分の、松田宣浩選手と長野久義選手が加わることとなりました。修羅場をくぐり抜けてきた二人ですので、たいへん頼りになると思います。しかし、中島選手は40歳、松田宣浩選手は39歳、長野久義選手は37歳で将来性はありません。FAでの強力な戦力補強が今年もできないジャイアンツにとって、若手の育成は大命題であるはずですが、全く逆行しているように見えます。原監督は何を考えているのでしょうか?

ベンチのムードを変えてくれる存在の松田宣浩選手

松田選手といえば”熱男”で有名な、元気印の選手です。通算301本の本塁打は素晴らしい実績ですが、今年は本塁打0本、安打も20本に終わっています。冷静に見ればキャリアの最終盤を迎え、ソフトバンクから戦力外を通告された選手です。不動の三塁手岡本和真選手、復活を遂げた中田翔選手が存在するジャイアンツでは、スタメンを貼ることは難しいでしょう。代打での起用のみならば、ベンチ入りする若手の数を減らすことになり、若手の成長を妨げる存在になりかねません。

報道では暗いベンチのムードを変えてくれる存在として、獲得したとありますが、個人的には疑問に思います。実績に裏打ちされたムードメーカーならばまだしも、ジャイアンツでは新参者です。自分の成績が振るわなければ、ベンチにも入れない可能性があります。

そもそも、ジャイアンツのベンチが本当に暗いかは定かではありません。仮にジャイアンツのベンチのムードが本当に暗いのであれば、それはモチベーターである首脳陣の責任であり、それを他チームのベテラン選手に頼るようでは、首脳陣の手腕が問われます。言葉はきつくなりますが、ライバルチームを戦力外になった大ベテランにムードメーカーの役割を頼るようでは、来年も暗いままでしょう。ジャイアンツにも明るくムードメーカーに成れる選手は、たくさんいるはずです。何か暗くなる原因があるのであれば、それを首脳陣が取り除けばいいのですが、それを外様のベテラン選手に頼るようでは、首脳陣の力がなさすぎます。

長野久義選手の復帰

ジャイアンツファンが歓喜した長野久義選手の復帰ですが、原監督は望んでいたのでしょうか?カープから無償トレードが持ちかけられたられたようですが、言葉を選ばずに言えばカープを戦力外になったという見方もできます。戦力外と発表するのは、移籍の経緯もあるため憚られたというところが本当でしょう。ジャイアンツもドラフトを拒否してまで入団してくれた長野選手を、プロテクト漏れでカープに取られてしまった経緯を帳消しにしたい思いがあったと思います。原監督も本当に戦力として期待しているかは、疑問が残ります。今年は打率.211、安打数は26本で、カープが構想から外したのも頷ける状況です。

長野久義選手の人柄

長野選手の移籍の報道を見ると、球界屈指の人格者など美辞麗句が並びます。ジャイアンツとカープで評価されている長野選手の人柄について、否定することは有りませんが、今のチームに本当に必要なものは人格者ではないでしょう。もともと原監督が選手として長野選手を高く評価していたならば、年俸が高くてもプロテクトした筈です。長野選手の人格者という部分が、原監督には評価するには値しなかった可能性もあります。

2014年12月に坂本勇人選手が戦後最年少26歳でキャプテンを引き受ける時、長野選手は5年目のシーズンを終えた29歳のシーズンでした。長幼の順で行けば長野選手が引き受けても良さそうなものでしたが、原監督は坂本選手を指名しています。

この出来事は、人格者である長野選手が、チームを牽引するキャプテンとしては坂本選手よりも順位が劣っていると、原監督が総合的に判断した結果と推測できます。

その長野選手が今回ジャイアンツに復帰しますが、チームの調和を乱すような選手では決して有りませんが、一人でチームの雰囲気を変えてくれる選手として期待するには無理があるでしょう。

ただのムードメイカーではない松田宣浩選手

原監督は競争を重んじます。それは代打の枠を争うベテランたちにも当てはまるようです。原監督らしい判断ではないでしょうか。

そしてどちらかというと、闘志が前面に出ない選手が多いジャイアンツベンチに、同じ様な雰囲気を持つ事がわかっている長野選手が加わることに、原監督はある種危機感に近いものを感じたのかもしれません。

長野選手の成長

長野選手が入団会見の中で、控えめな会見の後、精一杯の努力として松田選手の”熱男”ポーズを行ったことに、原監督の気持ちや、長野選手の覚悟が伝わってきたと、私は思います。プロテクトされなかった経緯や、今回の戦力外通告に近いトレードは、長野選手のメンタルをどれだけ成長させてくれたのでしょうか。

原監督の真の狙い

もし、松田選手と長野選手が控えながらもベンチの最前線で声を出し続けたら、坂本選手や岡本選手も、精神的にもう一歩成長してくれるのではないでしょうか。本来のキャラクターとは違う、精神的に成長した長野選手を間近に見れば、ベンチの中堅や若手も大きく影響されると思います。。

原監督がそこまで考えているとしたら、やはり監督としては流石の人脈と経験だと思います。

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