難しい舵取りになる巨人の野手陣 原監督にしか出来ないこと

シーズン半ばで優勝が遠のく現状で、育成をシーズンの目標に掲げジャイアンツは大きな岐路にさしかかっています。この状況を上手くマネジメントすることが、現場の監督としての手腕にかかっているところです。原監督は現場の最高責任者としての責務を発揮することが出来るのでしょうか。何も決められない政治の世界のように、問題を先延ばしにしてほしくないと思います。

高品質で希少な新鮮食材を産地直送でお届け 羽田空港公式産直通販サイト「羽田産直セレクション」

坂本勇人選手のショートとしての限界

今シーズン2度の離脱をすでにしている坂本選手ですが、3度目の離脱の可能性が大きくなってきました。2度目と3度目の離脱は、守備から帰ってきたところでの離脱で、ショートでの負担が大きいのではないかと、疑ってしまいます。(7月7日に登録抹消となってしまいました。)

2度目の離脱以降は、ショートの役割を誰よりも理解している坂本選手が、坂本選手の思うような状況で、ショートの責務を全うできていないのではないでしょうか。守備においては相変わらずの華麗な守備で、安定感が抜群でした。坂本選手の復帰以降は、吉川尚輝選手の負担も減ったと思われます。しかし三遊間のゴロの処理などを見ていると、右膝に負担がかからないようなステップを使っているような感じで、右足で踏ん張るよりも、逆シングルの角度を深くして、右膝の負荷を小さくしているように見えました。

坂本選手はキャプテンでありチームプレイヤーでもあるので、自らの現在の状況とチームに対する貢献を秤にかけて色々と判断してきたと思います。ヤクルト相手にこれ以上離されることが許されない状況下で、膝やその他のコンディションが治りきっていない中で、セーブしながらプレーしてきたのではないでしょうか。ショートで3割近くを打てる坂本選手は、ヤクルトを追撃する上で大きな戦力であり、ジャイアンツではチームを鼓舞することが出来る稀有な選手であることも、坂本選手に無理をさせ負担をかけてきたのではないでしょうか。

打撃のリミッター

2度目の離脱以降に坂本選手は守備では負担の掛からないスタイルを貫いてきたようですが、打撃でも100%の力を使っていなかったのではないでしょうか。復帰後は6月1ヶ月で本塁打が0でした。7月3日に2本の本塁打を打ち、打率も3割を超えるようになり、そろそろ打撃もリミッターを解除したのか思っていたのですが、7月6日の試合で途中後退をしてしまいました。

ショートからのコンバート後の坂本選手の打撃

坂本選手がもし守備の負担のかからないポジションで打撃に専念した場合、来シーズンは三冠王も夢では無いと個人的に思います。既に坂本選手は首位打者を獲得しており、本塁打も年間40本を記録したシーズンが有りました。坂本選手はショートに拘りを持っているので、今の体重を維持しているとの旨をコメントしていましたが、打撃に専念するとなると話は別です。体を大きくすることが可能になれば、長打力が増すことは間違いありません。守備による負担からの離脱がなくなれば、本塁打も打点も確実に数字を伸ばすことが出来るでしょう。坂本選手が打撃に専念して三冠王を取ることができれば、今以上にショートで残してきた坂本選手の記録が輝くのではないかと思います。

加齢による衰えは隠せない

登録末梢となれば今回で今シーズン3度目の離脱ですが、そのどれもが死球や選手同士での衝突による怪我ではなく、普通のプレーの中での故障というところも大きな問題でしょう。この傾向は今のプレースタイルを変えない限り、頻度が増えてきてしまう可能性が否めません。瞬間的なストップ・アンド・ゴーが必要なショートは、セカンドとともに、膝に負担のかかるポジションです。打撃でも守備でもベンチ内でも精神的支柱である坂本選手を、これ以上離脱させては、安定的なチーム運営は難しいでしょう。

原監督の決断

坂本選手には当然、ショートへのこだわりがあります。しかし原監督がコンバートを指示すれば、間違いなく坂本選手は受け入れるでしょう。ショートで打てる選手はチーム構成上非常に貴重です。特にセ・リーグはDH制がなく、捕手もあまり打てないとすると、坂本選手のコンバートはできるだけ避けたいでしょう。廣岡大志選手のショートへの起用に拘ったのも、同じ理由からではないでしょうか。しかし、坂本選手の選手生命を考えた時、いつかは必要な措置でしょう。坂本選手本人からのコンバートは、チームメイトを気遣って言い出す筈が有りません。ここは師と仰ぐ故・藤田元司監督が非常に決めた様に、原監督の英断が必要なのではないでしょうか。

原監督は現役時代に中畑清さんを押しのけて三塁を奪い、中畑さんをファーストへコンバートさせました。また、こだわりのあった三塁手からチーム事情を踏まえて、レフトへのコンバートを晩年に受け入れています。

コンバートの難しさとチームに与える影響を、誰よりも理解している原監督だからこそ、坂本選手に言い渡すことが出来るのではないでしょうか。

タイトルとURLをコピーしました