巨人の育成にかける姿勢 松原聖弥選手と西川遥輝選手の獲得への動き

西川遥輝選手がノーテンダーと称して自由契約に近い扱いになったことにより、巨人が獲得に向けて調査に動いているという報道がされている。ジャイアンツファンの間ではその獲得に賛否があるようだ。球団の大きな方針として育成をかかげて3軍制を取り、育成選手を毎年のように大量に指名している現状の一つの成果が、松原聖弥選手の活躍と見て取れる。しかしその松原選手のレギュラー定着を阻むような梶谷隆幸選手の獲得や、西川選手に対する調査の動きに整合性が取れているのか疑問が残る。

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西川遥輝選手の必要性の検討

ポジション外野手
投打右投左打
身長/体重181cm/79kg
生年月日1992年4月16日
経歴智弁和歌山高
ドラフト2010年ドラフト2位

西川選手は智弁和歌山出身で2010年のドラフト2位。まだ29歳の若さで通算1232安打、通算打率.281を誇る安打製造機だ。盗塁も通算311を記録しており、長年課題とされている1番バッターの最適解と見ることもできるだろう。2020年は打率.306を記録したが、今年.233しか残せず、ドラスティックな日本ハムの指針から外れた選手となってしまった。今年の不調の原因が何なのか疑問が残るところが多く、巨人を含む他球団はじっくりと調査しているところだろう。

年度試合打席打数得点安打二塁打三塁打本塁打塁打打点盗塁盗塁刺犠打犠飛四球死球三振併殺打打率長打率出塁率
2012711551342232612461370701403400.2390.3430.311
20138533228135781812104262221413156950.2780.370.358
2014143637555901471913821657431116063313910.2650.3890.343
2015125521442681221895173353071506049810.2760.3910.368
20161385934937615518451964341522273311300.3140.3980.405
2017138623541821602669225443956369410360.2960.4160.378
20181406365289014725610214484437296310310.2780.4050.391
2019142651548881582665211411958093211150.2880.3850.393
202011552342282129173516739427439228450.3060.3960.43
2021130547447681041953142352411348949930.2330.3180.362
通算122752184391701123219254541694381311561021568030953270.2810.3860.38

日本ハムの評価システム

日本ハムは組織をスリム化して、ルールに則った中で、非常に効率的な運営をしている球団と言えるだろう。過去10年で2度優勝しており、決して弱小球団ではない。しかし過去3年は5位が続いており、最近の合理的な運営が成績に悪影響を与えている可能性も否定できない。主力選手も簡単に放出するように見える球団の姿勢は疑問符をつけられる事も有るが、放出された選手が大活躍をした例は少なく、日本ハムの選手に対する評価システムは一定の信頼度が有るのかもしれない。今回のノーテンダーと発表された3選手についても、不調の原因がどこにあり、新しい環境での改善の可能性を厳しく精査する必要があるだろう。それだけ日本ハムは徹底的に評価をしている可能性がある。

年度順位勝利敗北引分勝率打率本塁打防御率
201217459110.5560.256902.89
20136647820.45118.50.2561053.74
20143736830.5186.50.2511193.61
20152796220.56120.2581063.62
20161875330.6210.2661213.06
20175608300.42340.2421083.82
20183746630.52913.50.2511403.77
20195657350.471130.251933.76
20205536250.461200.249894.02
202155568200.447140.231783.32

松原選手の育成について

松原選手は育成契約からレギュラーを獲得した、“育成の巨人”を代表する選手だ。今年は遂に規定打席に到達し、一定のポジションを確立した選手だ。2020年は313打席、2021年には477打席の790打席を既に与えられている。来シーズンは27歳となる大卒6年目の中堅選手だ。

何故巨人は育成能力がない? その理由 岡本和真は稀有な育成成功例

ここまでで言えることは、松原選手は既に育成過程の選手ではないということだ。今年の成績でジャイアンツのライトのポジションをガッチリと確保できたとは言えないだろう。堅守は評価できるものの、打率.274、出塁率.333は1番バッターとしては物足りない。盗塁も15個では売り物にできるレベルではない。優勝を目指すジャイアンツのリードオフマンとしては、物足りないレベルなのだ。生え抜きの育成選手ということでファンの多い選手だが、来年も競争に晒されるのは当然の成績と言えると思う。来年復活する梶谷選手や新外国人などとの競争は避けられず、西川選手を巨人が仮に獲得したとしても、成績でポジションを確保する必要があるというステージではないだろうか。むしろ来年は、秋広優人選手や菊田拡和選手、岡田悠希選手などが1軍での育成過程にある選手と言えるのではないだろうか。

ジャイアンツの成長株 松原聖弥選手は不動の1番になれるか?

松原選手の立場から見れば2020年に313打席を経験させてもらっていながら、今年の成績はレギュラーを取る選手としては残念な1年であったと見るべきではないかと思う。来年は不動のレギュラーになるための、最後の勝負の年と考えたほうが良いのではないだろうか。

厳しい世界ですね。のんびりしていたらすぐにポジションを奪われてしまいます。育成過程であるというポジションは、松原選手は既に若手選手に奪われてしまっています。

今年もう一つ突き抜けた働きが欲しかった。あの清水隆行さんでさえ、毎年競争に晒されていましたから、松原選手は頑張って欲しいですね。

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