またも高橋遥人投手を打てずに、1安打に終わってしまった。
高橋投手は7回を投げて105球で、1イニング15球と理想的なピッチングを展開した。巨人打線は阪神の3投手から14個の三振を喫した。坂本勇人選手1個、丸佳浩選手4個、岡本和真選手2個と歯が立たず、何の工夫も見られずに完全に力負けしてしまった。
何故これほど打てないのか
調子の問題ではない
首脳陣はこれまでつながって来ない、調子が上がらないなどとコメントしてきたが、もうそういう状況ではないことは明らかになってきてしまった。
プロ野球の投手はレベルが高く、阪神の佐藤輝明選手は完全に攻略法が確立されて、それを高いレベルで実施できるプロの投手が抑え込んでいる。前半戦あれ程打ちまくった佐藤選手が打てなくなるのは、それほどプロ野球の分析力と投手のレベルが高いということだろう。
3・4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | |
坂本勇人 | 0.278 | 0.364 | 0.217 | 0.250 | 0.259 | 0.352 | 0.167 |
丸佳浩 | 0.255 | 0.229 | 0.346 | 0.390 | 0.196 | 0.157 | 0.316 |
岡本和真 | 0.265 | 0.234 | 0.291 | 0.316 | 0.333 | 0.242 | 0.171 |
さて巨人の打線だが、後半戦はずっと打てない状況が続いている。チーム打率は8月.231、9月.232、10月.210と低打率だ。中心3選手の成績も好不調の波が大きく、チームの中心選手としては安定感がない。
これはひょっとしたら佐藤選手と同様に、完全に攻略方法を掴まれてしまっているのではないかと、疑問が湧いてくる。
坂本勇人選手の場合
坂本選手は守備の負担が高く、今年はオリンピック期間中に休養が取れなかったため、疲労が蓄積しているかもしれない。特に昨年、一昨年と日本シリーズに沈黙してしまったように、シーズン終盤では調子を落とす傾向がある。今年も後半戦の開始後に調子を落としたが、スタンス幅を狭くするなどバッティングを調整しながら、なんとか持ちこたえていたが、10月に失速してしまった。10月12日の試合では最後の打席で、スアレス投手の高目の速球にまるで合わすことが出来ずに、すべて空振りの三球三振を喫してしまった。1点差の9回裏にいくらスアレス投手のストレートが速いとはいえ、3球とも高目のストレートを投げさせるということは、絶対に打たれないと確信があっての投球だと思われる。スアレス投手のストレートならば絶対に打ち取れると、完全に分析されて答えが出ているということではないだろうか。
坂本選手はアッパー気味のスイングで、普通なら速球に弱いスイングだと思うのだが、強靭な筋力でそれを支えていると思われる。しかし疲労や加齢により、速筋や反応速度が衰えてきているとしたら、調子の問題ではない。来シーズンはバッティングを改造するか、守備の負担の少ないポジションにコンバートしなければ、中心選手としての打撃は期待できないかもしれない。坂本選手のバッティングは特殊なバッティングで誰でもできるわけではない。おそらくコーチも手を出せないのではないだろうか。かつて小笠原道大選手が個性的なバッティングを急激に衰えさせたように、坂本選手がそうならなければいいと心配してしまう。
研究熱心な坂本選手なら、きっと克服してくれるはず!
丸佳浩選手の場合
年度 | 所属 | 試合 | 打席数 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 四球 | 三振 | 打率 | 長打率 | 出塁率 |
2018 | 広島 | 125 | 566 | 432 | 132 | 39 | 97 | 10 | 130 | 130 | 0.306 | 0.627 | 0.468 |
2019 | 巨人 | 143 | 631 | 535 | 156 | 27 | 89 | 12 | 86 | 125 | 0.292 | 0.495 | 0.388 |
2020 | 巨人 | 120 | 491 | 423 | 120 | 27 | 77 | 8 | 63 | 101 | 0.284 | 0.553 | 0.375 |
2021 | 巨人 | 111 | 427 | 369 | 94 | 20 | 50 | 5 | 56 | 113 | 0.255 | 0.466 | 0.351 |
丸選手も外角のストレートが全く打てなくなってしまった。好調時はレフトスタンドに外角球を放り込んでいたが、今はスタンドに放り込めるのはライト側が多いようだ。
丸選手も不調時に2軍落ちなどして打撃を調整し、一時は復活するのだが、長く続かない。
ストレートに振り遅れないようにするために、タイミングを早く取る等工夫しているようだが、もともとヒッチする打法でタイミングを大きく取るので、少しでも遅れると差し込まれてしまう。丸選手も坂本選手と同様にレフトにコンバートするか、ヒッチする打法を大きく変える必要があるのかもしれない。ここまで成績を残してきた打法なので簡単には替えられないと思うが、年々成績は確実に低下してきており、猶予はないのではないだろうか。
岡本和真選手の場合
岡本選手は若くまだ成長過程にあり、今回の不調が何に原因があるのだろうか。シーズン前半に調子が出なかったが、夏場に好調をキープし、9月以降失速してしまった。
原因があるとすれば体が大きくなりすぎてしまった事だろうか。3塁の守備は上手くなったと言われるが、前へのダッシュは早い方ではない。セイフティーバントを敵チームに度々狙われている。夏場に体重が減る体質ではなく、むしろずっと増え続けるようなので、汗のでなくなる季節に調子を落としてしまうのかもしれない。パワーを求めるばかりに体を作りすぎてしまったのであれば、球団がどの様な管理をしているのか問題は残る。
ストレートに弱い巨人打線
ソフトバンクの甲斐捕手がコメントしていたように、巨人の打線はストレートに弱い。日本シリーズでソフトバンクのストレートを、2年連続で弾き返せずにスイープされてしまった。その事をセ・リーグ各チームはしっかり掴んでおり、ある程度のストレートの投げられる投手は躊躇なくストレート勝負をしてくるのではないだろうか。今日も高橋遥人投手とスアレス投手のストレートを、全く打ち返せなかった。
春のキャンプでバッティングピッチャーを前に出して練習をしていたが、効果が出なかったということになってしまう。
もしストレートに弱いジャイアンツ打線ということが事実であれば、来年も危なくなってしまう 。心配です・・・
ストレートを強く打ち返せる若手の台頭が欲しいですね。
中山礼都選手や、湯浅大選手など期待できる選手はファームにいるので秋季練習からレギュラー目指して欲しいですね。
十分チャンスは有ると思うんです!