為替は読める 円とドルの大きな流れがわかる 短期売買はリスク

歴史的円安とマスメディアは騒いでいますが、煽るだけのマスメディアには本当に呆れてしまいます。メスメディアは相変わらずネガティブな見方でしか報道しないので、いつも政治に不満をぶつけることになります。為替の上下に政権や日銀は本質的には関係ないはずなのに、大衆の不満を誘導するような報道のやり方には、呆れてしまいます。

日銀は為替をコントロールする機関ではない

日銀は為替をコントロールできません。できるのは金利をコントロールすることだけです。結果的に為替に影響しますが、金利をコントロールするのは経済の過熱感、失業率などをコントロールすることが目的と言っていいでしょう。経済界の何処かのお偉いさんは、金利を上げない日銀を批判していますが、お門違いも甚だしいと言わざるを得ません。

賃金が上がらないのは企業のせい

賃金が上がらないのを政府や日銀のせいにする雰囲気さえありますが、賃金が上がらないのは無能な経営者のせいです。儲けたお金を再投資せずに内部留保する無能な経営者が、日本の大企業に増えたために経済が停滞したに過ぎません。リスクを取って経営することができない無能な経営者が日本の経済界に多かったために、企業の内部留保が増えて、日本は経済成長ができませんでした。これは間違いなく政治のせいではありません。だいたい政権が賃上げを経済界にお願いするなんて、資本主義国家としては歪んでいる状況と言っていいでしょう。

最近はようやく日本の経営の不効率が見直され、株主還元やROE(自己資本利益率)に焦点が当たるようになりました。日本は最も成功した社会主義国と言われて久しいですが、もっとも成長できない資本主義国と言い換えてもいいでしょう。

立憲民主党の人気がない理由

日本の政策は総じてリベラル寄りです。政権与党の自由民主党も、極めてリベラルな政党だと思います。経済成長を重要視せずに、分配ばかりをして人気取りをしてきたつけが、ここに来て顕在化してきてしまいました。つまり経済成長するための規制緩和などをせずに、既得権益者を守ってきたので、イノベーションが起こらず経済成長できませんでした。分配ばかりを行ってきたので、経済成長できずに分配の原資が枯渇してきたという方が適切かもしれません。

亡くなった安倍さんが右寄りという人もいますが、世界基準で見たら中道左派、リベラルと言って良いのではないでしょうか。そのため本来左派の中核となる立憲民主党は、自民党と政策面で差を見つけられなくなってしまったとも言えるでしょう。本来リベラル政党として主張したい政策を右派のはずの自民党がやってしまうので、対案のない批判をするしか、対立軸を見いだせなくなってしまっていると言えます。

為替は経済で決まるのか?

短期的には経済で決まると言っていいでしょう。投機筋の影響も否定できません。しかし大きな流れは、安全保障で動いていると主張される方もいらっしゃいます。言い換えれば地政学的なリスク、もっと言えば基軸通貨であるドルを管理している、アメリカの思惑で決まると言えるのではという意見です。もともと日本円はプラザ合意によって円高へと誘導されました。対日貿易赤字を減らしたいというアメリカの意向によって、政治的に変更されたのは忘れてはいけない事実です。別の言い方をすれば、力をつけすぎてしまった日本経済をコントロールするために、円高へ導かれたのです。つまりアメリカの意向によってドル安円高になったのです。

そして今回の円安もアメリカの意向と考えられます。今度は強くなりすぎてしまった中国に対抗するために、日本を強くすることにしたのです。日本はいくら強くなったとしても、安全保障上でアメリカの庇護下にあることは周知の事実です。中国は日本と違い、アメリカとの対立軸を築こうとしています。従順な日本の方を選ぶのは自然の流れで、力の衰えた日本を殺さずに利用するのは、政治的に正しい答えなのでしょう。

この様に考えた場合、この円安の傾向はアメリカと中国との対立軸がなくならない限りは、大きな流れとして変わらないと思います。1ドルが80円までいった事は事実ですが、しばらくは戻らないでしょう。

為替はアメリカの意向によって決まる

為替の大きな流れが地政学上の構図の中で決まるのは、間違いないでしょう。決して歯向かうことがない従順な日本を、アメリカの工場として再選択したのは、安全保障上のリスクを考えれば、当然の流れだと思います。

為替の小さな浮き沈みは読むことはできませんが、大きな流れは歴史的に見れば人為的に決まっていると考えることができます。

米国に次ぐ経済大国になった日本を叩くために、中国に依存したアメリカが、アメリカに次ぐ経済大国になった中国に依存することをリスクとして捉え、力の衰えた日本を再利用しようとする。この構図を考慮すれば、中国が衰えて日本が過度に力をつけない限り、再び以前のような超円高になることは無いと考えて良いのだと思います。

為替を考える時に、この様に安全保障を考慮して考えると、見えてくるものがあります。

金利差だけでは説明できないものが、為替にはあるといえるのではないでしょうか。

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