いよいよスーパーボウルが迫ってきました。今年にすべてを賭けてきたラムズが、HCショーン・マクベイの指揮下で計画通りのスーパーボウル制覇を遂げようとしています。今ひとLAでの人気が上がらないラムズですが、今年スーパーボウルを制覇することで、LAでの存在感が上がるかが問われます。
LAで不人気なラムズ
もともとラムズはLAに本拠地をおいていました。創設は1937年のクリーブランドですが1946年にLAに移っています。そこから1979年までの33年間を、LAを本拠地として戦っていましたが、その後アナハイム15年、セントルイス11年と移った後にLAに戻ってきています。現在使用しているSoFiスタジアムはロスの空港から5kmの距離にありますが、イングルウッドにありLAではありません。ジェッツもジャイアンツもニュージャージーに有るメットライフ・スタジアムを使用していますので、そのあたりは拘るところではないでしょう。しかし今年のレギュラーシーズンでホームのラムズよりも40ersのファンが大挙して押し寄せるなど、ラムズは圧倒的なホームアドバンテージを得ることができませんでした。
何故LAではNFLの人気が出ない
米国でニューヨークに次ぐ都市であるLAですが、NFLのチームの人気が上がらず、NFLのチームが存在しない期間が続きました。現在はチャージャースもサンディエゴから移ってきていますが、今年のレギュラーシーズンではレイダースのファンが多かったように、チャージャースも人気を上げることに苦労している状態です。
NBAではレイカーズ、MLBではドジャースが長くLAを本拠地としていて、人気を博していますが、何故NFLのチームは人気が出ないのでしょうか。
USCとUCLA
アメリカではカレッジフットボールの人気がとてもあります。LAにもUSCとUCLAという人気大学があって、地元ではNFLを凌ぐ人気があります。そのためNFLのチームの人気が出ないと言われています。
LAの週末は忙しい
LAは常夏でゴルフなどアウトドアのスポーツが、1年中楽しめます。そのため週末はゴルフなどでスポーツを楽しむ人が大変多いのです。NFLはレギュラーシーズンのゲームが、日曜日に一日中放送されます。地元のチームのゲームもサンデーナイトに選ばれなければ、昼から夕方に放送されます。その時間のLAの人たちは、貴重な週末を自らの趣味に使っている場合が多いのです。
このあたりが、ニューヨークなどの大都市とは違ってきます。ニューヨークの冬は、ゴルフ場はクローズになっています。日中でも氷点下を下回る週末が多いので、余り外出せずにTVでフットボールを楽しむ家庭が少なく有りません。そのため冬に寒い地域のチームは、根強い人気を維持しているケースが多いと言えます。
ずっとシンシナティのベンガルズ
冬に寒い地域の代表がパッカーズでしょう。ランボーフィールドの熱い応援は有名です。ベンガルズのあるオハイオ州も、フットボール熱が高い地域です。オハイオ州にはブラウンズも有り、オハイオ州立大学も強豪校で人気があります。ブラウンズもベンガルズも地元の人気が高く、フランチャイズを移したことが有りません。今年のスーパーボウルはラムズのホームで行われますが、熱狂的なベンガルズのファンがどれだけ押し寄せるかが注目されます。
対照的な両チームのQB
地元のジョー・バロウ
生まれこそアイオワ州ですが、高校はオハイオ州でオハイオ州立大学に進学しています。ポジションに恵まれずLSUに転校していますが、オハイオには縁があります。2020年ドラフトの全体1位でベンガルズに指名され頭角をすぐに現しているので、人気が上がるのは当たり前です。ここでスーパーボウル制覇を成し遂げてしまえば、トム・ブレイディの後の空白を埋めてしまうかもしれません。
トレードでやってきたマシュー・スタフォード
今年ラムズとライオンズは、エースQB同士のトレードを実行して、ラムズは足りない最後のピースを埋めたと言われています。LAの人達から見れば、チームも最近来たばかりだし、QBは昨年までデトロイトのエースQBです。当然地元っ子のバロウよりは、スタフォードは人気が上がらなくても仕方がないでしょう。同じ全体1位で指名された経緯があるとはいえ、その経歴は大きく異なります。戦前の予想もラムズ有利と出ているので、ここで2年目のバロウに負けてしまうわけにはいかないでしょう。
見どころが満載のスーパーボウルですが、新旧QBにも注目が集まりますね。