2026年シーズンが始まりましたが、やっと一廻りしたところで、まだまだチーム力を測りかねているところでしょう。出足が良かった選手も疲労や相手の研究が進めば、壁にぶつかるでしょうし、出足で躓いた選手も、実力さえあれば徐々に取り返していけるでしょう。ただ、首脳陣は冷酷に選手の実力を見極めなければいけない時期であり、いろいろな選手を試さなければならない時期でもあると思います。
ジャイアンツのサードとショート
鉄壁の内野陣と思われたジャイアンツの内野陣ですが、サードとショートは定まりません。特にサードは長打を打てる選手が守るべきポジションですが、サードで出場した選手は打率.157で長打は0です。坂本勇人選手が打率.129で中山礼都選手が打率.226と、打撃重視のポジションでは物足りない打率に終わっています。ここで岡本和真選手のサード起用が考えられると思いますが、開幕から好調が続いていた岡本選手を、サードで起用するのはなんとも筋の悪い手のような気がしてなりません。岡本選手は快く受けてくれると思いますが、それを打撃不調時の理由にされたくないという気持ちが、首脳陣にはあると思います。ジャイアンツは外野がうるさいので(笑)。
そこでサードですが、現状は若手の有望株が現在いないという状態です。あまりにも坂本選手と中山選手の状態が悪ければ、ルーキーの浦田俊輔選手や荒巻悠選手のお試しも、あっていい時期なのではないかと思います。ただ二人ともファームで突出した成績は残せておらず、長打力が売りの荒巻選手は本塁打0で、フォアボールが9あることだけが目立つ程度です。
門脇誠選手は魚雷バットを試してはどうか
ショートは背番号5をもらっている門脇誠選手が、壁にぶち当たってしまっているようです。打率.182はショートといえどもセ・リーグでは許容範囲とは言えないでしょう。代わりに2年目の泉口友汰選手が出てきましたが、どこまで打撃好調が続くかが注目されます。守備力では門脇選手が上に感じられますが、チーム全体が貧打に喘いでいる中で、打率.182は厳しいと考えざるを得ないでしょう。門脇選手は体格の割に強振するので、もしかしたら魚雷バットを早く試して見たら良いのではと思っています。どうせ2割も打てていないなら、早く取り組むべきだと思います。
打てなすぎる外野手
いまジャイアンツの外野は危機的状況です。好調だったキャベッジ選手が離脱することになれば、更に深刻です。ライトの先発野手は打率.298ですがセンター.196でレフトは.220と酷い状況です。丸佳浩選手の離脱が確かに痛いですが、なんといっても浅野翔吾選手や秋広優人選手ら若手の伸びが見られないことが、一番の誤算でしょう。いくらなんでも40歳の長野久義選手をこの時期に先発で使わなければいけない状況は、チームの成長が期待できません。
ファームで浅野選手は打率.100、秋広優人選手は打率.146では、上げるべき要素が見当たらず、惨憺たる状況です。
育成の笹原操希の起用はあるか
2021年育成ドラフト4位の笹原操希選手の支配下登録が、どうやら近いようです。ここまでファームで打率.375を残しており、結果では秋広選手や浅野選手を遥かにしのいでいます。笹原選手の場合は年々数字を確実に上げてきており、調子がいいというよりは、着実に実力をつけてきている状況と考えられます。長野選手には悪いですが、秋のポストシーズンを睨む中で、若手のお試しは早いほうが良いと思います。ここで一軍で結果が出なくても、笹原選手の成長曲線が頭打ちにならなければ、後半戦にきっと活きてくるのではないかと思います。高卒4年目であれば、浅野選手よりも年上です。ファームでは5盗塁を決めており、足も魅力です。また出塁率が.447で得点圏打率.500と、今のジャイアンツに必要なものを持っている選手です。阿部監督の若手育成の手腕が見どころです。
早く落としてよかった戸郷翔征投手
開幕から3連敗で良いところがなかった戸郷選手が、ファームに落ちてしまいました。原因はわかりませんが、カットボールを覚えてストレートが行かなくなった可能性を各解説者が指摘しています。戸郷投手は力投型ですが、リリーフ陣の負担を軽くするため、省エネ投法を模索していたように見受けられ、過去2年で省エネのコツを掴んだように見えます。しかし、それが逆にストレートの勢いを削いでしまった可能性もあります。ここは原点に戻って力強いストレートを要所で投げられるように戻してほしいと思います。故障がないのであれば、そうは長くはかからないのではと希望的に見ています。
まだまだ序盤ですので若手のお試しは積極的にやってほしいと思います。逆に言えば長野選手を使わざるを得ない登録メンバーにしていた首脳陣には、少しリスク管理ができていなかったと言わざるを得ないと思います。怪我のリスクはいつでも考慮しておかなければ、いけません。今回は、若手の貴重な先発の機会を潰してしまったと思います。