NFL2025 スーパーワイルドカードプレーオフ HCの能力

今シーズンも大詰めで、一番エキサイティングな季節がやってきました。レイダースは今年も蚊帳の外ですが、それでも楽しめるのがNFL。まだまだプレーオフは序盤ではありますが、その中で名将と言われるHCの力が、あらためて認識される試合が多くありました。

HCジム・ハーボーの凄み

ミシガン大学を全米一にさせたうえで戻ってきたHCジム・ハーボですが、就任一年目から素晴らしい成績を残しました。昨年のオフにエースWRのキーナン・アレンなどを放出して、再建の年かと思われたチャージャースが見事にプレーオフに進出しました。

そしてその再建方法が、HCジム・ハーボーの基本理念に則った形で行われ、決してこの結果がまぐれではないことを見せつけてくれました。

もともとHCジム・ハーボーはディフェンスを重視するタイプであり、ミシガン大学も派手なパスオフェンスを展開するのではなく、ディフェンス重視のチームでした。

今回も2人のエース級WRを放出しましたが、デフェンスのベテランであるEDGEカリル・マックとDEジョーイ・ボサは残留させています。実際にデフェンスは強力になり、見事な成績を収めています。

また、オフェンスではQBジャスティン・ハーバートのパスに頼るのではなく、ランを重視して時間を使うオフェンスを展開しています。そのためQBハーバートはレギュラーシーズンで23TD3INTと抜群の安定感を見せ、RTGも101.7と素晴らしい数字を残しています。

このあたりは素晴らしい戦略とともに、HCジム・ハーボーの残してきた実績が、選手たちに与えた影響も大きいのではないでしょうか。実際今年のチームを見ていると、昨年まであまり活躍していなかった若手が活躍しており、HCジム・ハーボーの凄みをまざまざと見せつけてくれたシーズンと言っていいでしょう。

来シーズンはFAとドラフトで、更にHCジム・ハーボーのフィロソフィーが浸透していくでしょうから、更にチャージャースは凄みを増していくのではと予想しています。

HCショーン・ペイトンの自信

再建期が長く続くと思われていたのは、ブロンコスも同様です。巨額のデッドマネーを受け入れてQBラッセル・ウイルソンを放出したのは、HCショーン・ペイトンの自信と、彼を信じるチームがあったからこその判断だったと思います。QBとして未知数の新人ボー・ニクスを育てながら、プレイオフまでチームを進めたのは、HCショーン・ペイトンの手腕というほかないでしょう。チームとしてはQBウイルソンを獲得するために大きな代償を払ったにも関わらず、思い切って方針転換できたのは、HCショーン・ペイトンに対する信頼がなせる技というほかないでしょう。

AFC西地区は再び激戦に

AFC西地区はレイダースを除いた全てのチームで、名将といわれるHCが凌ぎを削ることとなりました。QBについてもレイダース以外は安定した感があります。こうなるとHCもQBも手に入れていないレイダースは、非常に見劣りする状態です。チームの運営上HCアントニオ・ピアースに今シーズンは任せる他なかったのかもしれませんが、HCピアース、QBエイダン・オコンネルでは見劣りするのは仕方がないでしょう。ただ、チャージャースやブロンコスを見れば、再建期などと考えなくても、HCとGMさえ人材を得ることができれば、来シーズンもある程度戦えることが見えてきました。逆に言えば、もし人材選びを間違えれば、地区では0勝ということも考えられ、今年の散々な成績を更に下回る可能性さえあります。長く続くレイダースの低迷期ですが、トム・ブレイディの加入によって何が変わるのか?非常に興味深いオフになると思います。

新人QBの活躍

今年目立ったのは新人QBの活躍でしょうか?

昨年のドラフトで1巡で指名されたQBのうち、二人がプレーオフまで進んでいます。

ブロンコスに指名されたQBボー・ニクスはHCショーン・ペイトンとの出会いが幸運であったと言えるでしょう。

コマンダースに指名されたQBジェイデン・ダニエルは、OCキングスベリーとの出会いが幸運であったと言えますが、それを考慮しても、QBダニエルの能力は新人離れしていると思います。何よりプレーが壊れても自分の判断で打開できる高い能力を、QBダニエルは既に備えているように見られます。ビルズのQBジョシュ・アレンとは体格的に大きな違いがありますが、QBアレンと同じ様に勝負所でミスを犯さずに、ファーストダウンやタッチダウンを奪える力があるように見られました。細い体で怪我に弱そうですが、結構なヒットをもらっても何事もなかったように起き上がるところも長くNFLでできる資質かもしれません。

QBニクスは消えてしまいましたが、QBダニエルは勝ち進みました。新人QBでスーパーボウル出場となれば初ということらしいですが、可能性が有るのではないでしょうか。

次の相手が何処になるかわかりませんが、NFCの今後にも注目されます。

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