ゴルフ会員権相場が急上昇しています。バルブ崩壊で株式市場とともに一気に萎んだゴルフ会員権市場ですが、コロナ禍での安全なスポーツとの位置づけで、ゴルフが見直されてきています。バブル期に実需を無視したような立地で乱立されていましたが、ここにきて存続が不可能なゴルフ場は淘汰されて、ある程度ビジネスが成り立つような環境になってきたようです。
ソフトバンクグループのアコーディア買収
ソフトバンクグループの投資ファンドが、2021年11月に国内ゴルフ場最大手のアコーディア・ゴルフ・グループを買収しました。アコーディアが所有するゴルフ場は、全国に約170箇所あります。買収額は約4000億円ということで、単純に言えば1ゴルフ場あたり約23.5億円です。18ホールの適正会員の目安といわれる1300名で割ると、約180万円となり会員権の目安と言えるかもしれません。立地や会員層などかなり差はありますが、企業買収に経験豊富なソフトバンクグループの値付けは、かなり興味深いものがあります。
アコーディアグループはバブル崩壊後に、次々と経営難のゴルフ場を買収して成長を続けてきましたが、ここで成長性に見切りをつけて買収に応じたといえるでしょうか。今回買収した投資ファンドは全国にホテル所有しているようで、シナジー効果を見込んだとの報道があります。
ソフトバンクグループには、これからの事業の展開のやり方によっては、十分にビジネスとして成り立つという戦略が有るということに他なりません。
活気づくゴルフ業界
今まではゴルフ業界では団塊の世代の高齢化によって、競技人口の減少が起こるという、あまり明るくない未来が予想されていました。しかし最近のゴルフ界には明るいニュースが続いています。松山英樹選手のマスターズ制覇や、渋野日向子選手や笹生優花選手の女子メジャー制覇など、快挙が続いています。また、JLPGAの長年の努力によって、女子ツアーの人気は上昇を続けています。この事によってゴルフ界の印象はガラッと変わってしまいました。
女性がお洒落できるスポーツ
最近の女子プロゴルファーは女性らしい、お洒落な選手が増えています。もちろん選手によって個性はありますが、様々なタイプのウェアーで、テレビを見ていてもその華やかさは他のスポーツとは別格です。団体競技ではないのでユニフォームもなく、日焼け対策もあり、お化粧もバッチリしています。
JLPGAではお化粧の研修などもあるそうです。
この華やかさは、アマチュアゴルファーにも当然影響は出てきています。
街中のファッションとは違い、少し華やかな若々しいものを着ても余り違和感がなく、普段とは違うおしゃれを楽しむことができます。最近のゴルフ場やインドア練習場などを見ていると、若い女性ゴルファーの姿が増えてきています。男女の収入格差も高所得者層では縮まりつつ有り、これからも若い女性ゴルファーの増加によって、ゴルフの競技人口は増えていくのではないでしょうか。当然女性のプレイヤーが増えれば、男性も増えていきます。
最近はゴルフ場での出会いは、ある程度の信用と収入が見込まれるようで、価値有るものらしいですね。
これからのゴルフ会員権
ソフトバンクグループの買収は、ホテルとのシナジー効果によるライトなプレイヤーをターゲットとした戦略なのかもしれません。しかしライトな層の開拓は、必ずヘヴィーな層も掘り起こします。ゴルフは生涯スポーツと言われるように、高齢になっても続けることが出来るスポーツです。そうなると手軽に行くことが出来るゴルフの環境が整えば、ゴルフ人口は間違いなく増え、条件を満たすゴルフ場の会員権の需要は増えていくでしょう。
価値有る会員権の条件
しかし、ゴルフ会員権の2極化はこれから進んでいくでしょう。富裕層が所有する高額会員権には余り影響は無いかもしれませんが、その他の手頃価格のゴルフ場は、条件によって差が出てくるかもしれません。
電車で行けるゴルフ場
自動車はゴルフへいくための必須アイテムでしたが、最近はプレイヤーの高齢化のため、電車でのアクセスを売りにしているゴルフ場が増えてきました。送迎バスなども十分に用意されており、曜日によってはバスが満員になってしまうこともあります。
バスが満員になるとタクシー代を支給してくれるゴルフ場もあるようです。ぜひご確認を!
また、飲酒などの規制も厳しいため電車でのアクセスは、これからも重要視されていくことでしょう。
自宅からのアクセスが良いゴルフ場
東京圏の場合は、自宅からのアクセスが90分以内のゴルフ場が人気になるでしょう。会員権を購入するようなプレイヤーであれば、頻繁に通えることが大切です。あまり遠くに購入してしまうと、なかなか通えなくなってしまいます。さらに年令を重ねると、遠さがより響くようになってしまいます。決して安くない買い物ですので、プレー本位で購入するのであれば、自宅からの時間は重要視してください。
ロッカーの空きがあるかどうか
電車で通う場合は、ゴルフバッグを送ることが多くなるでしょう。もしホームコースでのプレーが殆どとなるようなら、メンバーロッカーの空きを確認してください。特に女性の場合は、男性に比べてロッカーの数が少ない場合が多いので、注意が必要です。
女性用の施設の充実度も重要
女性のための施設は男性に比べて数が少なく、貧弱なゴルフ場もあります。トイレの数や風呂場の広さなどはとても重要です。また女性の場合、お風呂上がりに髪を乾かしたり、化粧をしたりする時間が長くなる傾向にあるため、女性会員の数と施設のバランスも重要です。ゴルフ場によっては、女性会員の数に制限をしていないクラブがあります。最近は女性の会員やプレイヤーが増える傾向にあるようで、あまりバランスが取れていなければ、ストレスが溜まってしまいます。購入時には必ずチェックしてください。
底値からもう需要がないと思われていたゴルフ会員権ですが、状況に変化が出たようです。市場は正直です。検討する際は慎重にしたいですね。